【じゃああんたが作ってみろよ】10話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 第8話では、鮎美(あゆみ)が美容師の渚(なぎさ)との交流を通じ、自分の「好き」を大切にすること、「チャレンジ」する楽しさを学びました 。
  • 婚活パーティーで「条件」だけでは心が動かないことを痛感し、自分の価値観の変化を自覚します 。
  • 酒屋で再会した店員・ミナトにバーへ誘われ、彼の言葉に勇気づけられ、自分自身を肯定できるようになりました 。
  • 勝男(かつお)と出会った時の「理屈じゃない気持ち」を思い出し、ミナトに「私とデートしてください」と人生初の逆ナンパをしました 。
  • 二人はデートの約束をしますが、ミナトの正体には謎が残されました 。

【じゃああんたが作ってみろよ】第10話をネタバレありでわかりやすく解説する

第9話で、鮎美はミナトとの新しい関係に一歩踏み出し、勝男はマッチングアプリで意外なモテ期を迎えていました。第10話は、勝男が実家からのプレッシャーと向き合いながらも、新たな恋と料理への挑戦を通じて、さらに成長していく姿を描きます。

実家からのプレッシャーと、隠し続ける別れ

物語は、勝男が実家の母親と電話するシーンから始まります。 母親は、送った野菜を「鮎美ちゃんにおいしいご飯 作ってもらわんとねー」と、悪気なく口にします 。さらに、「そういや父さんが 式はまだかって 言っちょったよ〜」と、結婚へのプレッシャーをかけてきます

勝男は「あっそうだ! それなんやけど」と言いかけますが、結局、鮎美との別れを言い出せません 。 別れてからもう半年近く経つのに、未だに親に真実を告げられないでいるのです 。 「別れたって 言ったら 母さんは 心配するだろうし 父さんには また ガッカリされる。勝男は、かつて父親に「俺はもっと しっかりしたやつだと 思ってた」と言われた経験から、親を失望させることを恐れていました

「新しい恋」への決意

「いまだに鮎美のことも 忘れられないし…」と感傷に浸る勝男ですが、あみなに言われた「新しい恋 始めましょっ」という言葉を思い出します 。 「そうだ! 新しい恋!」 。彼は、失恋の傷を癒やすため、そして親を心配させないためにも、前に進むことを決意します

マッチングアプリ「Wish」を開くと、「椿(つばき)」と名乗る女性からメッセージが届いていました 。 「私も和食が好きなので ごはんの趣味が合うかも!」、「良ければ今度お食事 いかがですか?」という誘いに、勝男は「やるしか ない!」と応じます 。 「和食好きで 椿さんなんて名前 おしとやかな 方なのだろうか」と、期待を膨らませるのでした

マッチングアプリの相手「椿」との出会い

しかし、待ち合わせ場所に現れた椿は、勝男の想像とは全く違う、華やかで積極的な女性でした。 「かわいい〜〜!!」といきなり勝男の外見を褒め、「あっごめんなさぁい! 思わず ついっ」とボディタッチ 。 そして、「私のいきつけの お店なんですけど」「和食と ワインとの ペアリング やってて〜」と、勝男をリードします

椿は「てか写真より イケメンでびっくり しちゃいました〜」「もおすでに 好きかも〜」と、初対面とは思えない大胆な発言を連発 。 勝男は「これがうわさで聞く 肉食系女子か!?」と圧倒されます 。 「しかも和食に ワインって…」と、またもや自分の知らない世界に戸惑う勝男は、「やはりマッチングアプリは 失敗か…?」と感じ始めていました

「料理男子」への意外な反応

しかし、出された秋刀魚料理とワインの組み合わせを口にした勝男は、「秋刀魚とワイン 合うじゃないか!」と感動します 。 「今度 秋刀魚を買って 家でも やってみよう!」と興奮する勝男に、椿は「へえ男子が 家で魚焼くって 珍しい〜」と意外そうな反応を見せます 。 勝男が「まあ和食は 好きだから 焼き魚や煮付けは やりますね」と答えると、椿の目の色が変わりました 。 「えっもしかして 料理男子ってやつ!?。 「俺!? 料理男子…!?」と戸惑う勝男に、椿は「えー今度 勝男くんの ご飯食べたーい」と迫りますが、勝男は「いや そんな大した アレじゃないぞ」と謙遜します

「奢る奢られ問題」と新たな気づき

楽しい時間は過ぎ、会計の場面。勝男が「いや!ここは男が!」と支払おうとすると、椿は「あっ いいよいいよ〜 私出すから〜」と、こともなげに自分のカードを出します 。 予想外の展開に戸惑う勝男。「お金は持ってる ほうが出すの♡」と椿はウインクします 。 彼女は、実は雑貨の通販サイトを運営する社長だったのです

帰り道、タクシーで家まで送ってもらう勝男。「本当に送ってく だけなのぉ〜」「うちでヴィンテージワイン 開けようよ〜」と誘う椿の積極性に、勝男は「肉食系女子!」から「いやこれは 頂点捕食者女子!!!」へと認識を改めます

翌日、会社で白崎、あみなとランチをしながら、勝男はこの出来事を話します。 「お会計の時 男なのにとなんとも情けない 気持ちになって!」と悔しがる勝男 。あみなは「そもそも 肉食系女子って言葉 古いっすね〜」と指摘し、「奢る奢られ問題ね〜」と語り始めます 。 白崎も「俺の彼女は 奢ろうとするもんなら 激怒しますよ!!!」と、自分の経験を話します 。理由は「お互いに収入 変わらないのに フェアじゃない」から 。 勝男は「ようは 男だ年上だなんだじゃなくて どうお会計したら お互い納得できるかってことか!」と、また一つ新しい価値観を学びます 。 そして、椿に奢られてしまったことを「やはりせめて 割り勘が 良かったな…」と反省するのでした

おでん作りへの挑戦と、母への感謝

失恋から吹っ切れるチャンスだと感じた勝男は、「そうだ!」と次のお家デートに向けて料理を作ることを決意します 。 「これは前に進む チャンス!」 。彼は、実家から送られてきた大根を見て、「そうだ! 仕送りの大根で おでん!」と思いつきます

「まあ具を出汁で 煮込むだけだし 楽勝だろう」と高を括っていた勝男ですが、練り物屋で様々な具材を買い込み、いざ調理を始めると、その大変さに気づきます 。 特に大根の下処理。桂剥き、面取り、隠し包丁… 。 「ばくばく食べてた 大根がこんな丁寧に 下処理されてたとは…」「母よありがとう」と、これまで当たり前だと思っていた母の料理への感謝の念が込み上げてきます

さらに、出汁の準備も一筋縄ではいきません。米の研ぎ汁での下茹で、昆布と鰹節での出汁取り、薄口醤油、みりん、砂糖、塩での味付け… 。 勝男は、実家で母がやっていた、鍋を新聞紙と毛布で包んで味を染み込ませる方法を思い出し、それを実践します 。 「まさかいつか 自分がやるとは あの頃は思ってなかった。大変だけれど、「楽しいな」と、料理の奥深さと喜びに目覚めていきます

料理の楽しさと、椿の反応

「料理が作れるように なるって」「世界を広げることでも あるのかも。 勝男は、いつも通り過ぎていた練り物屋が輝いて見えたり、懐かしい思い出に浸れたりと、料理を通じて得られる豊かさを実感します 。 そして、「何よりこれを 食べてもらうのが 楽しみだ」と、椿の喜ぶ顔を思い浮かべます

そして、お家デート当日。勝男の部屋を訪れた椿。 「わあ いいにおい〜」と期待する彼女の前に、勝男は自信作の「手作りおでんだ!」と鍋の蓋を開けます 。 しかし、椿の反応は「なーんだおでんかあ」「コンビニでも 買えるじゃん!」という、まさかの辛辣な一言でした 。 さらに、「しかも秋なのにおでんって 早くない?」と追い打ちをかけられ、勝男は「な なんだこいつ は…」と愕然とするのでした


【じゃああんたが作ってみろよ】第10話を読んだ感想(ネタバレあり)

第10話、勝男くんの成長が止まりません! まず、実家との電話シーン。親に別れを告げられない弱さはまだ残っているものの、「新しい恋」へ踏み出そうとする決意に、彼の前向きな変化を感じました

そして、マッチングアプリの相手・椿さん! 想像の斜め上を行くキャラクターでしたね 。勝男が「肉食系」から「頂点捕食者」へと認識を改める流れには笑ってしまいましたが、彼女との出会いが、勝男に「奢る奢られ問題」という新たな視点を与えたのは大きいです 。白崎くんの彼女のエピソードも加わり、「フェアな関係」について考えさせられました

何より、今回のハイライトはおでん作り「楽勝だろう」と思っていた勝男が、大根の下処理や出汁取りの大変さを痛感し、母への感謝を新たにするシーンは、じーんと来ました 。料理を通じて、彼は確実に人間として豊かになっています。「楽しいな」「世界が広がる」と感じる彼の姿は、見ていて本当に嬉しいです

それだけに、ラストの椿さんの反応は……あんまりです! 勝男が心を込めて作ったおでんを「コンビニでも買える」とは…。彼女の価値観は、勝男が乗り越えようとしているものとは、また違う次元にあるのかもしれません。せっかく前に進もうとしている勝男の心が折れないか、心配です。


【じゃああんたが作ってみろよ】第10話のネタバレまとめ

  • 勝男は、実家の両親に鮎美との別れを未だに言い出せず、結婚へのプレッシャーを感じています 。
  • 失恋から立ち直り、親を安心させるためにも「新しい恋」を決意し、マッチングアプリで「椿」という女性と出会います 。
  • 椿は予想外に積極的(肉食系→頂点捕食者)な社長で、デート代も彼女が支払いました 。
  • 勝男は後輩たちとの会話から、「奢る奢られ問題」について考え、「お互いが納得できる関係」が大切だと学びます 。
  • 次の椿との「お家デート」に向け、勝男は初めておでん作りに挑戦。その大変さを知り、母への感謝を深めるとともに、料理の楽しさに目覚めます 。
  • しかし、デート当日、自信作のおでんを振る舞った勝男に対し、椿は「なーんだおでんかあ コンビニでも買えるじゃん!」と辛辣な反応を示しました 。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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