【はじまらない結婚】4話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【はじまらない結婚】第4話をネタバレありで解説する
第3話のラストで、友人から「女も旦那も切るしかだよね」と後押しされた陽。第4話は、その友人である住谷くんからの、まさかのアプローチで幕を開けます。絶望の淵にいる陽の心に、新たな選択肢が生まれる一方で、夫の木はようやく重い口を開き、あの日の裏切りの裏に隠されていた、もう一つの陰湿な「嘘」の存在が明らかになります。
新たな選択肢と明かされる裏切りの真相
壊れてしまった日常の中で、陽の前に現れたのは夫とは違うタイプの男性でした。彼の言葉は、陽が木との関係で諦めていたものを思い出させ、彼女の心を静かに、しかし確かに揺さぶります。
「選択肢に入れてください」友からの告白
陽の友人である住谷くんは、木とは対照的な言葉で彼女に寄り添います。「オレなら陽さんの好きにさせます センスを信じてるから」 。この言葉は、第3話の回想で描かれた、自分のこだわりを否定された陽の記憶と重なり、彼女の心を打ちます。そして彼は、「だから別れましょう?」「選択肢に入れてください」と、まっすぐに陽への好意を伝え、木との関係を清算した先にある未来として、自分を提示するのでした 。
核心に迫る問い「私に不満があったからしたの?」
住谷くんからの思わぬ告白に心を揺さぶられながらも、陽は帰宅します。そこには、気まずい雰囲気のままの木がいました。彼から「どうしたら許してくれる?」と問われた陽は、「わからない」と冷たく突き放しつつも、裏切りの本当の理由を知ろうとします 。
「私に不満があったからしたの?」
この問いは、単なる詰問ではありません。もし自分に原因があったのなら、まだ修復の余地があるかもしれないという、彼女のかすかな期待が込められた、最後の問いかけのようにも響きます。
幼なじみが仕掛けた巧妙な嘘
陽の問い詰めに対し、木はついにあの日の出来事の全貌を語り始めます。それは、陽の想像をはるかに超える、悪意に満ちた罠が仕掛けられていたという、驚愕の事実でした。
「陽には言わないでほしい」隠された密会
木が重い口を開いて語ったのは、浮気相手であり陽の幼なじみでもある星との間に、事前に密会があったという事実です。星は「結婚する前に2人のことで確認しておきたいことがある」という、もっともらしい理由で木を呼び出し、「このことは陽には言わないでほしい」と口止めまでしていました 。この周到さから、彼女の行動が衝動的なものではなく、明確な悪意を持って計画されたものであったことが伺えます。
「本当は結婚なんてしたくない」悪意に満ちた作り話
そして、密会の場で星が木の心に植え付けたのは、あまりにも巧妙で残酷な嘘でした。
「(陽は)子供が出来たから仕方ないけど」「本当は結婚なんてしたくない」
星は、陽が苗字の変更を嫌がっているなどと、もっともらしいディテールを加えて、陽が木との結婚を望んでいないかのように語ったのです 。愛する人が、実は自分との結婚を望んでいない。この悪魔の囁きが、木の心を蝕み、判断力を狂わせる決定的な一撃となりました。
崩れ落ちる夫と揺れ動く妻の心
全ての真相が明らかになったとき、夫婦の関係は新たな局面を迎えます。愚かな過ちを犯した夫と、全てを知ってしまった妻。二人の心は、それぞれ別の形で激しく揺れ動きます。
「信じたっていうか 不安にはなったよ」
「木はそれを信じたの?」という陽の愕然とした問いに、木は「信じたっていうか 不安にはなったよ」と、自身の弱さを認めます 。陽の妊娠が想定外であったことへの負い目や、彼女への愛情ゆえに、星の嘘を疑うことができなかったのです 。自分の愚かさに気づき、涙ながらに崩れ落ちる木の姿は、あまりにも惨めで哀れでした 。
「ケンカの後に食べたアイスクリームは美味しかったな」
夫のあまりの愚かさに、陽は「もう今日は寝るね」と冷たく突き放し、その場を去ります 。一人になった彼女の頭の中は、様々な感情で混乱していました 。木との地獄のような結婚生活から「逃げたい」という思いと、住谷くんとなら幸せになれるかもしれないという淡い期待 。その一方で、かつて木との関係に希望を見出していた自分を「ただその時新鮮だったってだけで」と自嘲します 。
しかし、憎しみと絶望に染まった心の中でも、ふと、幸せだった記憶が蘇るのです。
「ケンカの後に食べたアイスクリームは美味しかったな」 。この、消し去ることのできないささやかな思い出が、彼女の心を縛り付け、決断をより一層、困難なものにしていくのでした。
まとめ【はじまらない結婚】4話を読んだ感想
第4話は、それまでの痴情のもつれという様相から一転し、人間の悪意と心の脆さが描かれるサスペンスのような展開に、ただただ引き込まれました。浮気の裏に、まさか幼なじみ・星による、ここまで巧妙で悪質な嘘が隠されていたとは。彼女の動機は一体何なのか、その底知れない悪意にゾッとします。
そんな中、住谷くんの存在が際立ちます。彼のまっすぐなアプローチは、陽にとって間違いなく救いの一つに見えたことでしょう。彼が本当に陽の幸せを願う誠実な人物なのか、今後のキーパーソンになることは間違いありません。
そして今回、最も考えさせられたのは、星の嘘をいとも簡単に信じてしまった木の愚かさと弱さです。あまりに情けなく、許しがたい過ちですが、「不安になった」という彼の言葉には、愛する人を失うことへの恐怖という、誰もが持ちうる感情が見え隠れします。だからといって裏切りが許されるわけではありませんが、物語に単純な白黒ではない深みを与えていると感じました。
全てを知ってもなお、最後にアイスクリームの味を思い出してしまう陽の心境が、本当にリアルで切ないです。憎しみだけでは割り切れない、積み重ねた時間の重み。この複雑な感情の迷路から、陽はどのような出口を見つけ出すのでしょうか。物語は新たな謎を提示し、ますます目が離せなくなりました。
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