【はじまらない結婚】6話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【はじまらない結婚】第6話をネタバレありで解説する

第5話で、母の無償の愛を思い出し、木との関係を再構築することを決意した陽。第6話では、その決意の裏付けとなる、夫への新たな視点と、元凶である星の計画性を暴く、陽の鋭い内面描写が繰り広げられます。そして物語は、陽が仕掛ける、嵐のような三者対面へと繋がっていきます。

嘘の裏に隠された動機と、夫への共感

陽は、パズルのピースをはめるように、これまでの出来事を冷静に振り返ります。そこから見えてきたのは、星の巧妙な悪意と、これまで気づかなかった木の苦しみでした。

「もしかして結婚するの知ってた?」計画された裏切り

陽は、星から過去に来た「陽のドレス姿絶対見たいから!!!」という無邪気なメールを思い出します。 しかし、そのメールが届いたタイミングと、その後の星の行動を考えると、彼女が陽と木の結婚を事前に知った上で、全てを計画していたのではないかという疑念が確信に変わります。

星が投影した自身の願望

さらに陽は、星が木に吹き込んだ嘘、「(陽は)子供が出来たから仕方ないけど本当は結婚なんてしたくない」という言葉に、ある既視感を覚えます。 それは、かつて星自身が漏らした「私…まだそんな無理だよ 仕事したいのに」という、結婚に対する躊躇の言葉とそっくりだったのです。 陽は、星が自身の満たされないコンプレックスを自分に投影し、木を巧みに操ったのではないかと推測します。

「木だってはじめてのことで不安だったと思うのに」

星の嘘によって木が不安に陥り、その結果、自分も「産まないよ」という残酷な言葉を彼にぶつけてしまった。 陽は、この負の連鎖に気づきます。そして、「私もいっぱいいっぱいだったけど」「木だってはじめてのことで不安だったと思うのに」と、これまで一方的に責めていた夫の立場にも、初めて思いを馳せるのでした。

反撃の狼煙、そして再出発の誓い

自分の中で全ての点と線が繋がった陽。彼女はもはや、ただ傷つく悲劇のヒロインではありません。自らの手で真実を掴み、未来を切り開くため、ついに反撃の狼煙を上げます。

「私のこと嫌いなの?」元凶との直接対決

陽は、全ての元凶である星に電話をかけます。 恐怖を感じながらも、彼女はまっすぐに問いかけます。「なんであんなことしたの?」「私たちのこと最初からぶち壊すつもりだったの?」「私のこと嫌いなの?」 。しかし、星は「ああ陽って自分のこと嫌いな人なんていないと思ってそうだもんね」と嘲笑い、まともに答えません。 そして、陽をさらに挑発するかのように「会って話そうよ」と、直接対決の場を設けるのでした。

「3人で話すよ」修羅場への招待状

電話を終えた陽は、憑き物が落ちたかのように落ち着いていました。帰宅した木が驚くほど豪華な夕食を用意し、彼女はこう告げます。 「許してないよ?」と冷静に前置きしつつも、衝撃の提案を口にするのです。

「来週星に話を聞くから」「木も来て」「3人で話すよ」

これは、夫と、その浮気相手であり自分を陥れた幼なじみとの三者対面という、まさに修羅場への招待状でした。問題から逃げず、全ての当事者で向き合うという、彼女の強い覚悟が示された瞬間です。

「2人でなんとかする 結婚てそういうことでしょ」

「結婚て思ったより難しいね」と呟く陽に、木は自分のせいだと恐縮します。 しかし、陽はそれを遮り、力強く語り始めます。「でも2人の問題なんだよ」「妊娠の時もそうだった 2人で決めたことだった」 。 そして、こう続けるのです。

「木にもやれるだけのことやってもらう 私もやれるだけのことをやる」「2人でなんとかする 結婚てそういうことでしょ」

一方的に何かを求めるのではなく、共に責任を負い、共に乗り越えていく。この再出発の誓いに、木も「うん!」と力強く応えるのでした。

そして、悪夢の再来

ようやく二人の心が一つになり、前向きな空気が流れたのも束の間。物語は、最も恐れていた悪夢が現実となる形で幕を閉じます。穏やかな食事の時間を終えたその時、突如としてアパートのインターホンが鳴り響きます。陽が恐る恐るドアの覗き穴から外を確認すると、そこに立っていたのは、全ての元凶である星、その人でした。来週に持ち越されるはずだった対決が、今まさに目の前に突きつけられたのです。

まとめ【はじまらない結婚】6話を読んだ感想

第6話は、これまでの出来事の伏線が見事に回収され、陽の精神的な成長が力強く描かれる、まさに圧巻の回でした。星の悪意の根源を、陽が自らの洞察力で解き明かしていく過程は、ミステリーの謎解きのようなスリルさえ感じさせます。

しかし、この回の真骨頂は、陽が木に対して抱く「共感」です。ただ彼を断罪するのではなく、「木だって不安だった」と彼の弱さに寄り添う姿は、彼女が本当の意味で強く、成熟したことを示しています。そして、その上で発せられた「2人でなんとかする 結婚てそういうことでしょ」というセリフ。これこそ、この物語が描きたい夫婦の理想像であり、読者の心に深く響く名言ではないでしょうか。

ようやく再出発を決意した二人ですが、ラストの展開には心臓を掴まれました。希望の光が見えた瞬間に、元凶である星が家のドアの前に現れるというクリフハンガーは、あまりにも恐ろしく、効果的です。計画していたはずの対話は、完全に相手の土俵に引きずり込まれてしまいました。この絶望的な状況で、陽と木はどう立ち向かうのか。次回の展開が全く読めません。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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