【はじまらない結婚】7話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【はじまらない結婚】第7話をネタバレありで解説する
ついに始まる、陽と木、そして星による運命の三者対面。第7話では、全ての元凶である星の口から、長年にわたって募らせてきた陽への憎しみの正体が、赤裸々に語られます。それは、陽の記憶とは全く異なる、嫉妬と劣等感にまみれた歪んだ真実でした。物語は、衝撃的な告白と共に、最も恐ろしい局面へと突入します。
嵐の前の不気味な訪問者
約束の日を前に、星は陽たちの前に再びその姿を現します。彼女の言動は、これから始まる対決が、決して穏やかな話し合いでは終わらないことを予感させるものでした。
「苦しんでる顔が見たくって」開かれた悪意
三者対面の前夜、星はなんとアポなしで陽と木の住むアパートにやってきます 。夜分にも関わらず、「早くスッキリした方がいいかなーと思って」と悪びれる様子は一切ありません 。それどころか、彼女は笑顔でこう言い放つのです。
「陽がどんな顔で苦しんでるのか 早く見たくって」
その言葉からは、友情のかけらも見出すことはできず、陽の不幸を心から楽しんでいるかのような、底知れない悪意が感じられます。
警察も常識も通用しない女
常軌を逸した星の言動に、木は「警察に連絡しますよ」と警告します 。しかし、星は「やってみなよ」「マジ何も恐くないわ」と、全く動じることなく挑発します 。法や常識が一切通用しない彼女の姿は、陽と木、そして読者に、これから対峙する相手がどれほど手強いかを思い知らせるのでした。
歪んだ記憶、憎しみの根源
舞台はカフェに移り、ついに三者対面が始まります。陽が知りたかった「なぜあんなことをしたのか」という問いに対し、星の口から語られたのは、陽にとっては信じがたい、憎悪に満ちた過去でした。
「私そんなに恨まれるような何かした?」
陽が「私そんなに恨まれるような何かした?」と問うと、星は間髪入れずに「したよ」と断言します 。ここから、陽の知る過去とは全く異なる、星の視点から見た「真実」が語られ始めるのです。
「陽が太陽で私たちはその他星くず」
星が抱えていたのは、陽に対する強烈なコンプレックスでした。「自覚がない陽のそういう所ホントイヤ」、「いつも胸はって居られます」という物言いが、常に陽を「正解」とし、自分を「非」のある存在に感じさせていたと語ります 。そして、その感情を「陽が太陽で私たちはその他星くず」という、あまりにも切ない言葉で表現しました 。
善意が屈辱に変わった日
星の憎しみの根源は、中学時代にまで遡ります。当時、星は男子からの人気が原因で、一部の女子からいじめを受けていました 。上履きを隠されるなど、辛い状況にいた星を、陽は善意から助け、庇っていたのです 。しかし、この陽の「正義の行動」こそが、星のプライドを深く傷つける結果となっていました。
憎悪の決定打、そして理不尽な罪状
星にとって、陽からの同情や励ましは、屈辱以外の何物でもありませんでした。彼女の口から語られるのは、善意を踏みにじる、あまりにも理不尽な逆恨みでした。
「なんで陽は自然体で私より好かれるの?」
陽からの「(いじめるのは)星が可愛いからうらやましがってるんだよ」「気にすることない!」という励ましの言葉は、星に「自分が特別な存在だから嫉妬されている」という優越感を与えると同時に、上履きに書かれた悪口こそが真実だという自己嫌悪を増幅させました 。そして、星は自分にはない、陽の「誰にでもわけへだてなく明るくて正しくて」という天性の魅力に対する、どうしようもない嫉妬を爆発させます 。
「彼、『陽が好きなんだ』って言ったの」
そして、星の憎しみを決定づける、あまりにも残酷な出来事が明かされます。中学3年生の時、星が好きだった長谷部くんという男子生徒。彼女は彼と肉体関係を持ちましたが、その直後、彼は星にこう告げたというのです 。
「『陽が好きなんだ』って言ったの」
好きな人に、親友の名前を告げられる。この耐えがたい屈辱が、彼女の陽に対する感情を、友情から完全な憎悪へと変えてしまったのです。
「陽が悪い」残酷な責任転嫁
全ての不幸の積み重ねの末、星は恐ろしい結論に至ります。自分が報われないのも、好きな人から選ばれないのも、全ては比較対象である陽が存在するせいだ、と。「陽がいたから比べられちゃうんでしょ?」と問いかけ、陽が何もしていなくても、その存在自体が悪なのだと断罪します 。
「陽が悪い」
この、あまりにも理不尽な責任転嫁の言葉が、呆然とする陽と木に突き刺さり、物語は幕を閉じます。
まとめ【はじまらない結婚】7話を読んだ感想
今回は、息もつけないほどの衝撃的な回でした。星の口から語られた憎しみの理由は、あまりに理不尽で、自己中心的です。しかし、彼女の歪んだ論理の中には、思春期特有のどうしようもない嫉妬や劣等感が渦巻いており、一方的に「異常者」と切り捨てられない複雑さを感じさせます。
特に「陽が太陽で私たちはその他星くず」というセリフは、星の苦しみを象徴しています。光が強ければ強いほど、影は濃くなる。陽の善意や正しさが、無自覚に彼女を傷つけていたという構図は、人間関係の難しさや残酷さを突きつけてくるようで、読んでいて胸が痛みました。
そして、好きな人が自分の親友を好きだった、という告白はあまりにも残酷です。この経験が、彼女の心をここまで歪めてしまったのかと思うと、同情の余地も生まれてきます。
しかし、だからといって彼女の行動が許されるわけではありません。「陽が悪い」という最後のセリフは、全ての責任を他人に押し付ける、彼女の根本的な問題を露呈しています。この絶望的な告白を受けて、陽と木はどうするのか。物語は最大の謎と対立を残し、次回の展開が全く予想できません。
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