【はじまらない結婚】8話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【はじまらない結婚】第8話をネタバレありで解説する
第7話で繰り広げられた、星との壮絶な三者対面。彼女が残した「陽が悪い」という理不尽な言葉は、静かに、しかし確実に陽と木の心を蝕んでいきます。第8話は、議論が破綻したその直後、星が放つ最後の毒矢と、二人の心に深く刻み込まれる「呪い」の正体が描かれる、あまりにも残酷な回です。
静寂に響く「呪い」の言葉
星が去った後、カフェに残された陽と木は言葉を失います。星の悪意に満ちた言葉の数々が、陽の心に重くのしかかり、彼女を罪悪感の渦へと引きずり込んでいきます。
「あんたは悪口言ってた奴らとも仲良くしてた」という棘
星の数々の罵詈雑言の中でも、特に陽の心を深くえぐったのは、「あんたは悪口言ってた奴らとも善人面して仲良くしてたじゃない」という言葉でした 。陽は、自分ではどうすることもできなかった当時の状況を思い返し、「私だってどうしたらいいのかわからなかった…」と弁解しますが、星の言葉は「正しさ」を自負していた陽のアイデンティティを根底から揺るがします 。
「救いもしなかったでしょ」突き刺さる正論
陽が「おかしいよ 筋違いだよ」と反論しても、星は「でも私のこと救いもしなかったでしょ」と、痛いところを突いてきます 。陽は、自分は星の味方のつもりでいた。しかし、結果的に何も変えられなかったという事実は、重い十字架のように彼女にのしかかります。星の理不尽な主張の中にある、一握りの真実。それこそが、陽の心を最も苦しめる「呪い」の始まりでした。
悪意の追撃、そして最後の挑発
議論が平行線を辿り、自分の理屈が通じないと悟った星は、さらに下劣で、直接的な攻撃に打って出ます。それは、陽と木の関係に、決して消えることのない楔を打ち込むための、最後の仕上げでした。
「私に欲情した男だよ?」消えない事実という名のナイフ
星は、嘲笑うかのように陽に告げます。「でも木くんて 私に欲情した男だよ?」「そいつ 陽との結婚直前に私に勃っちゃった男だからね?」。そして、追い打ちをかけるように「それって消えない事実だからね?」と、残酷な真実を突きつけます 。これは、陽の心を破壊するための、最も効果的な毒矢でした。
目の前で繰り広げられる、裏切りのキス
木が「帰ろう」と、この場を収めようとしたその時、星は衝撃的な行動に出ます 。木の腕を掴むと、陽の目の前で、彼に無理やりキスをしたのです 。過去の過ちだけでなく、今、この瞬間にも裏切りは繰り返される。その光景は、陽の心を完全に打ちのめします。
「今回は勃たないみたいね」下劣な嘲笑
さらに星は、無理やりキスをした木に向かって「今回は勃たないみたいね 結婚式前でも勃っちゃう男なのに」と、下品な言葉で嘲笑います 。これは、木を徹底的に辱め、陽の心に消えないトラウマを植え付けるための、あまりにも卑劣な行為でした 。
かけられた呪いと、残された二人
目的を達した星は、満足したかのようにその場を去ります。しかし、彼女は最後に、決定的な「呪い」の言葉を残していきました。
「もう呪いはかけたから」不気味な別れの言葉
星は、呆然とする陽の耳元で「その男とは幸せになれないよ」と囁きます 。そして、勝ち誇ったように「いいよ もう呪いはかけたから」と言い残し、去っていくのでした 。彼女の呪いとは、超能力や魔法ではありません。人の心に疑念、嫌悪、そして消えない事実という名の毒を植え付け、内側から関係を崩壊させる、最も陰湿で強力な心理攻撃だったのです。
静寂の中に残る、毒の余韻
星が去った後、カフェには重い沈黙だけが残されました 。植え付けられた毒は、これから時間をかけて、ゆっくりと二人の心を蝕んでいくことでしょう。星の呪いは、この瞬間、完全な形で成就してしまったのです。
まとめ【はじまらない結婚】8話を読んだ感想
これまでのどの回よりも、精神的にきつい、壮絶な回でした。星というキャラクターの底知れない悪意と、その執念深さには、ただただ恐怖を感じます。彼女の目的が、単なる復讐ではなく、陽の心を徹底的に破壊し、その不幸を愉しむことにあるのが、今回の行動で明確になりました。
特に、目の前で夫がキスをされ、それを下劣な言葉で嘲笑されるという展開は、陽が受けた精神的ダメージを思うと、胸が張り裂けそうになります。星が最後にかけた「呪い」という言葉は、まさに的確な表現です。この日植え付けられた「消えない事実」という毒は、今後、陽と木の関係において、何度も何度も二人を苦しめることになるでしょう。
物語は、ついに修羅場を迎えました。しかし、それは終わりではなく、本当の地獄の始まりに過ぎないのかもしれません。この重すぎる呪いを、陽と木は乗り越えることができるのか。全く光が見えない状況で、次回の展開を待つのが、これほど辛いことはありません。
◁前の記事はこちらから

▷次の記事はこちらから
