【はじまらない結婚】9話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【はじまらない結婚】第9話をネタバレありで解説する

第8話で二人にかけられた星からの「呪い」。第9話は、陽の心の奥底に眠っていた激しい怒りの爆発から始まります。諦めから逆襲へ、そして孤独と自己不信へ。感情のジェットコースターが読者を翻弄する中、差し伸べられたのは、夫ではない別の男からの、あまりにも誠実で、衝撃的な救いの手でした。

絶望からの逆襲「寝ぼけたこと言わないで」

木が漏らした「オレたちもう無理なのかな…」という弱々しい一言は、陽の中に残っていた最後の導火線に火をつけました。彼女の悲しみは、一瞬にして凄まじい怒りへと変わります。

悲しみから怒りの平手打ちへ

陽は、前の章での悲しみが嘘だったかのように、木の頬を激しく平手打ちします。「何が『無理』なの?」「キスできないから?」「寝ぼけたこと言わないで」と、彼女は木を激しく詰ります 。これは、単なるヒステリーではありません。簡単に「無理だ」と諦めようとする木の自己憐憫に対する、魂からの拒絶でした。

「許さない」愛ゆえの、厳しい要求

陽の怒りは頂点に達します。「木が蒔いた種でしょ!?」「私を苦しめるだけ苦しめて『オレたちもう無理だね』ポイッて…」「木の言ってることそういうことだよ?」 。彼女は、木が父親としての責任、夫としての責任から逃げようとしていることを見抜いていたのです。そして、こう叫びます。

「お金払おうが 何回死のうが 許さない!!!」

この言葉は、関係の終わりを告げるものではありません。むしろ、この問題を絶対に終わらせない、終わらせてたまるかという、陽の強い意志の表れでした。彼女は木に、安易な結末ではなく、真の責任を求めているのです。

一人残された部屋で、募る不安

あまりの剣幕に、木は「オレが出てく…」と言い残し、家を出ていってしまいます 。一人になった部屋で、陽の怒りは徐々に静まり、代わりに底知れない孤独と不安が彼女を襲います。

「私は何を見てたんだろ」自己不信の渦

陽は、翌日に控えた妊婦健診や、二人で参加するはずだったパパママ教室のことを思い、途方に暮れます 。そして彼女の思考は、木への怒りから、自分自身への疑念へと向かっていきます。「私が思ってた木って本当に居たのかな?」「何を根拠に木を特別だと思ってたんだろ」 。夫を信じ抜けなかったこと、そして、そんな夫を選んでしまった自分の判断力。彼女は、木を恨む以上に、自分自身を信じられなくなっていたのです。

救世主の登場?パパママ教室での一日

自己不信の渦の中でも、お腹の子どものために、陽は健診へと向かいます。そして、そこには予想外の人物が付き添っていました。

「ご主人ですか?」「…いえ」「主人です!」

陽に付き添っていたのは、友人であり、彼女に想いを寄せる住谷でした 。病院の受付で「ご主人ですか?」と問われた住谷は、とっさに「…いえ」と否定してしまいます。その言葉に、陽は慌てて「主人です!」と訂正するのでした 。夫の不在という現実と、世間体を保とうとする陽の必死さが、痛々しいほど伝わってくる場面です。

「オレと産みましょう!」衝撃のプロポーズ

パパママ教室で、陽は「1人で産む場合…」と、シングルマザーになることへの不安を口にしそうになります 。そんな彼女の様子を見ていた住谷は、教室の後、彼女の手を掴み、衝撃的な言葉を口にします。

「とりあえずオレと産みましょう?」

「結婚しようとかじゃなくて」「ムリなら」「何でもします」と、彼は必死に続けます 。これは、下心からの言葉ではありません。ただひたすらに、陽に「そんな顔しないで」ほしいという、彼の純粋で誠実な想いの表れでした

まとめ【はじまらない結婚】9話を読んだ感想

第9話は、感情の振れ幅がすさまじく、読んでいて何度も心を揺さぶられました。前半の、陽の怒りの大爆発には、思わず「よく言った!」と拳を握ってしまいました。彼女の「許さない」という言葉は、憎しみ以上に、夫に「父親としての責任から逃げるな」と叫ぶ、魂の檄のように聞こえました。

しかし、その後の孤独と自己不信に陥る姿は、あまりにも切実です。裏切られた側の人間が、相手だけでなく、自分自身さえも信じられなくなってしまう過程が、非常にリアルに描かれていました。

そして、なんと言っても住谷くんの存在です。彼の「オレと産みましょう?」というプロポーズは、恋愛漫画史上に残る、あまりにも斬新で、誠実な告白ではないでしょうか。彼は陽を手に入れたいのではなく、ただ彼女と、彼女のお腹の子どもを支えたい。その一心だけが伝わってきて、胸が熱くなりました。

木、星、そして住谷。三者三様の想いが陽を巡って交錯する中、彼女自身は最後に「ちゃんとする しっかりする」と、涙ながらに自分自身と向き合うことを選びます 。彼女が選ぶ「しっかりする」道とは一体何なのか。物語は、新たな三角関係の幕開けと共に、ますます目が離せない展開へと突入しました。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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