【みいちゃんと山田さん】10話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【みいちゃんと山田さん】第10話をネタバレありで解説する

第10話のタイトルは「ママ×パパ」。一見、家族の温かい物語を想像させますが、このエピソードで語られるのは、みいちゃんの存在の根幹を揺るがす、あまりにも衝撃的な家族の秘密でした。

故郷の味「はっと汁」と、母の思い出

物語は、ゴールデンウィークのとある日、山田さんがみいちゃんの部屋を訪れるところから始まります 。みいちゃんは、山田さんのために朝4時に起きて昼食を用意していました 。その料理は、彼女の故郷である宮城県の郷土料理「はっと汁」でした

これは、みいちゃんにとって「小さい頃ママがよく作ってくれた料理」であり、まさにお母さんとの「思い出の味」なのです 。初めて食べるはずの山田さんも、どこか懐かしいその味に心を動かされ、みいちゃんの家族について尋ねるのでした

明かされる家族の秘密「パパ」の正体

みいちゃんの口から語られる過去は、山田さんの想像を絶するものでした。みいちゃんの母親は未婚のまま彼女を産み 、実の祖母からは「おぞましい子」と呼ばれ疎まれていました

そして、3か月に一度家に帰ってくる「大好きなパパ」 。しかし、その「パパ」の正体は、彼女の実の兄だったのです 。母親が結婚できなかった理由は、相手が実の息子だったからでした

ナレーションは、核心を突く言葉を静かに紡ぎます。

「みいちゃんは 近親相姦の結果 生まれた子供 だったのだ」

近親相姦という名の呪い

この禁断の関係から生まれたみいちゃんは、幼い頃からその「呪い」を背負って生きてきました。公園で遊んでいても、他の子供たちは「呪いがうつる」と言って彼女を避けていました

家庭環境もまた、過酷なものでした。母親は女手一つで二人の子供を育てることに疲弊し 、言葉の発達が遅いみいちゃんに対して、苛立ちから暴力を振るうこともありました 。医師からは、脳の発達を促すために絵本の読み聞かせを勧められますが、母親自身も字をあまり読めず、その教えがみいちゃんに届くことはありませんでした

なぜ「ダメ」なのか?伝わらない社会のルール

壮絶な過去の告白を聞き、山田さんは言葉を失います。場面は現在に戻り、みいちゃんは純粋な疑問を山田さんにぶつけます。「好きな人同士が結婚するのの何がいけないの?」と

山田さんは、法律で禁止されていること、社会的な偏見があること、そしてDNAが近い者同士の子供にはリスクがあることなどを必死に説明しようとします 。しかし、みいちゃんにはその理由が理解できません。山田さんは、ほとんどの人にとって近親相姦が「理由なんてない 本能で無理なもの」であるからこそ、その常識の外で育ったみいちゃんに、論理で説明することの難しさを痛感するのでした

この告白を経て、山田さんはみいちゃんの過去をもっと知りたいと強く願います 。二人の関係は、新たな段階へと進んでいくのでした。

まとめ【みいちゃんと山田さん】10話を読んだ感想

第10話は、この物語が持つ本当の重さと深さを、読者に叩きつけた回でした。「はっと汁」という温かい郷土料理から始まった会話が、まさか近親相姦という、社会的に最も重いタブーに行き着くとは、想像もしていませんでした。

これまで描かれてきた、みいちゃんの常識が通用しない言動や、他者との境界線の曖昧さ、そして「大家族」への異常な憧れ。それら全てのピースが、この「近親相姦の結果生まれた子供」という一つの事実に繋がった時、彼女の抱える孤独と生きづらさの根源に触れたような気がして、胸が苦しくなりました。

特に印象的だったのは、みいちゃんの「何がいけないの?」という問いです。私たちにとって「当たり前」の倫理やルールが、彼女には全く通用しない。この断絶こそが、彼女を社会から孤立させ、搾取される原因となっているのだと痛感しました。

この壮絶な事実を知った上で、山田さんは彼女から離れるのではなく、「もっと知りたい」と一歩踏み込みます。それは同情や好奇心だけでなく、みいちゃんという人間そのものを理解しようとする、誠実な意志の表れだと感じました。物語はここから、本当の意味で「二人の物語」として始まっていくのかもしれません。あまりにも重い真実が明かされ、今後の展開からますます目が離せなくなりました。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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