【みいちゃんと山田さん】14話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【みいちゃんと山田さん】第14話をネタバレありで解説する

第14話のタイトルは「ぐうぜん」。食卓を囲みながら語られる二人の過去は、偶然出会ったはずの彼女たちの間に、運命的な繋がりと絆が芽生え始めていることを感じさせます。しかし、その背景には、あまりにも過酷な現実が横たわっていました。

過去と現在、そして東京へ来た理由

前話までで語られた壮絶な過去を経て、みいちゃんは中学校にも行かなくなってしまったと明かします 。そんな彼女がなぜ東京に出てきたのか。山田さんが尋ねると、みいちゃんは「おばあちゃんに言われたんだよねー 宮城から離れた方がいいって」と答えました

祖母は、みいちゃんに当面の生活資金として100万円を渡し、東京での部屋も手配してくれたといいます 。しかし、その大金は、東京に来てわずか1週間で、手相を見てくれた人から買った「不思議な壺」の代金として消えてしまったのでした 。このエピソードは、彼女の金銭感覚の欠如と、いかに他人に搾取されやすい状態にあるかを如実に物語っています。

対照的な二人の家庭環境

会話は、山田さんの子供時代へと移ります。みいちゃんの「ネグレクト(育児放棄)」に近い環境とは対照的に、山田さんの家庭は「過干渉」と「支配」の空間でした。

  • 遊ぶ友達は、母親が選んだ相手 。
  • 読む本も、母親が選んだもの 。
  • 塾には週6日で通わされ、模試の結果はエクセルで徹底管理されていた 。

山田さんが「普通の家庭だし普通の親だよ」と自嘲気味に語るのに対し、みいちゃんは悪気なく「いいママなんだね!」と目を輝かせます 。二人の育った環境の歪さが、より一層際立つ瞬間です。家族との現在の関係も対照的で、みいちゃんは母親から連絡が来ることは全くない一方、山田さんの母親は今でも頻繁に電話をかけてくるのでした

社会からの孤立と、搾取される弱者

みいちゃんの部屋で、山田さんは未開封の郵便物の中に「督促状在中」と書かれた封筒を発見します 。みいちゃんは税金の支払い義務があることすら知らず、さらには健康保険証も持っていないことが判明します

社会のセーフティネットから完全にこぼれ落ちているみいちゃん。山田さんが税金の支払いのために有り金を確認しようとすると、彼女は衝撃の事実を口にします。

「有り金は全部マオくんが管理してるからないよ!」

生い立ち、家族との断絶、そして恋人による経済的支配。みいちゃんのあまりにも無防備な状況に、山田さんは強い危機感を覚えます。「みいちゃんみたいな子って搾取しようとする悪い人が寄ってきやすいの」と、彼女の純粋さや素直さが、いかに危険なものかを真剣に諭すのでした

「ぐうぜん」の出会いと、芽生えた絆

「なんでそんなに心配してくれるの?」と尋ねるみいちゃんに、山田さんは「なんかほっておけないじゃん」と、不器用ながらも彼女への情を口にします 。遠い場所でそれぞれ生きてきた二人が、この広い東京で偶然出会い、一緒にはっと汁を食べている。その不思議な巡り合わせを、山田さん自身も感じていました。

物語の最後、山田さんは「なるべく楽しく元気に生きていこうね」とみいちゃんに語りかけます 。その言葉に応えるかのように、みいちゃんは「うん 生きてるとお腹すく…」と、はっと汁のおかわりを求めるのでした 。しかし、その穏やかな時間の後には、過去の回想とも未来の暗示ともとれる、野原に倒れるみいちゃんの姿が映し出されます。

まとめ【みいちゃんと山田さん】14話を読んだ感想

第14話は、二人の対照的な過去を通して、それぞれの「家族のかたち」の歪さを描き出した、非常に考えさせられる回でした。育児放棄と過干渉。両極端ではありますが、どちらも子供の心を縛り、健全な成長を阻害するという点では同じなのかもしれません。

特に印象的だったのは、山田さんが自身の母親を「普通の親だよ」と語る場面です。彼女は、過剰な支配を受けていた子供時代を、客観的には理解しつつも、心のどこかでそれが「普通」の範囲内であるかのように自分に言い聞かせている。その姿に、親の価値観という呪縛から逃れることの難しさを感じました。

そんな山田さんが、社会のあらゆるルールから逸脱して生きるみいちゃんを「ほっておけない」と感じ、彼女を守ろうと必死になる。これは、自分自身が縛られてきた「普通」という名の呪いを、みいちゃんを通して解き放とうとしているようにも見えました。

偶然出会ったはずの二人が、互いの欠けた部分を補い合うように、少しずつ絆を深めていく。その過程は温かく、希望を感じさせます。しかし、最後の不穏なシーンが、この物語が常に悲劇と隣り合わせであることを思い出させます。このささやかな食卓の温もりが、どうか未来まで続いてほしいと、切に願わずにはいられませんでした。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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