【みいちゃんと山田さん】16話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【みいちゃんと山田さん】第16話をネタバレありで解説する

第16話のタイトルは「愛は見にくい」。この言葉は、「愛は見えにくい」とも「愛は醜い」とも読むことができます。このエピソードでは、みいちゃんの恋人であるマオ君の視点を通して、彼の歪んだ愛情と支配の実態が、おぞましいほど詳細に描かれます。

支配者「マオ君」の来店

物語は、みいちゃんの彼氏であるマオ君が、彼女の働くキャバクラに客としてやって来るところから始まります。彼は「最近稼げてないみたいだから働きぶりをチェックしにきたわ」と嘯きますが、その目的は監視と支配に他なりません。

席に着くや否や、彼は「酒飲んで体触らせてりゃ稼げるとか女は楽でいいなー」と、みいちゃんや他のキャストたちを見下した態度を取ります。そして、ヘルプについた山田さんに対し、みいちゃんに枕営業をさせてでも稼いでくるよう、平然と命令するのでした。

「暴力しかねえ」—歪んだ正義と山田さんの介入

山田さんは、以前みいちゃんが顔に大怪我をしていたことを引き合いに出し、マオ君を問いただします。しかし、彼は「殴られる方にも問題があるって言うじゃないですか」と悪びれる様子もなく、いじめられる側にも非があるという論理を展開します。

山田さんが「理性で抑えるのが人間ってものでは?」と反論すると、彼は逆上。「言葉が通じないみいちゃんには暴力しかねえんだよ」と、自身の暴力を正当化するのでした。

店の外でも、マオ君の威圧的な態度は続きます。しかし、山田さんが再び彼の前に立ちはだかり、「この前みいちゃんの顔ボコボコにしたのあなたでしょ」「次殴られたらすぐ110番するんだよ?」と毅然と告げると、彼の態度は一変。警察という言葉に怯え、小心者としての本性を露わにするのです。

密室の支配と、恐怖の「契約書」

場面はアパートの密室へ。そこでは、マオ君によるみいちゃんへの徹底的な支配が行われていました。彼は、みいちゃんが家事をサボってゲームをしたり、ダイエットの約束を破ってお菓子を食べたりする様子を全て動画で撮影し、彼女の「罪」の証拠として突きつけます。

さらに、彼の支配を盤石なものにしているのが、**恐怖の「契約書」**の存在でした。その契約書には、「部屋の掃除をしてもらったら3日以内に1万円支払う」「契約書のことを他人に言ったら100万円を一括で支払う」など、理不尽な条項が並んでいます。マオ君は、この契約書には法的な効力があり、破れば警察に捕まるのだと、みいちゃんを脅しているのでした。

「お前を好きなのは俺だけ」—心を蝕むマインドコントロール

お金を払えないみいちゃんに対し、マオ君は「お仕置き」と称して暴力を振るいます。しかし、みいちゃんが「山田さんならそんなこと言わないもん!!」と叫んだことで、彼の怒りは頂点に達しました。

マオ君は、ここから最も残酷な精神的攻撃(マインドコントロール)を開始します。

「山田ってさっきの女か」「あいつはみいちゃんのこと真剣に考えてない証拠だよ!!!」 「みいちゃんは言われたこともできないし世の中のこと何も知らないし」 「かわいいだけで生きていけるほどのルックスもない…」

そして、彼はとどめの一言を突きつけます。**「そんな人間のこと好きになってくれる人この世界に誰もいないよ?」「俺がいなかったらみいちゃんは一生ひとりぼっちだね」**と。

完全に心を折られたみいちゃんが「ごめんなさい」と泣きじゃくると、彼は一転して優しい言葉をかけ、「もっと稼げるように俺がアドバイスするよ」「そしたら2人でラオスに行こうな…!」と、甘い言葉で再び彼女を絡め取るのでした。

まとめ【みいちゃんと山田さん】16話を読んだ感想

第16話は、ドメスティック・バイオレンス(DV)の構造が、これ以上ないほどリアルに、そしておぞましく描かれた回でした。読んでいるだけで、息が詰まるような閉塞感と恐怖を感じます。

マオ君の行動は、典型的なDV加害者のそれです。外では小心者なのに、密室では暴君として振る舞う。理不尽なルールを「契約書」という形で正当化し、経済的にも精神的にも相手を追い詰める。そして、暴力を振るった後に優しくすることで、相手を自分なしでは生きていけないように思い込ませる。この一連の流れは、DVがいかに計算され尽くした支配のシステムであるかを物語っています。

特に恐ろしかったのは、マオ君がみいちゃんの心を折るために浴びせる言葉の数々です。「お前を好きなのは俺だけだ」という呪いの言葉は、被害者から自尊心と外部との繋がりを奪い、孤立させるための最も悪質な毒なのだと痛感しました。

その中で、みいちゃんが山田さんの名前を叫んだシーンは、唯一の希望の光のようにも感じられました。彼女の中で、山田さんは「まともな世界」の象徴であり、マオ君の異常さを測る物差しになりつつあるのです。だからこそ、マオ君は山田さんとの関係を断ち切らせようと必死になる。二人の女性の間に芽生え始めた小さな絆と、それを破壊しようとする支配者の構図が、今後の物語の大きな鍵となっていくことを予感させました。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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