【みいちゃんと山田さん】19話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【みいちゃんと山田さん】第19話(前半)をネタバレありで解説する
第19話のタイトルは「人生計画」。みいちゃんが去り、ココロちゃんも就職活動で店を離れがちになる中、物語は一人残された山田さんの内面の変化と、未来に向けた新たな決意に焦点を当てていきます。
友が去り、残された日常
みいちゃんが突然辞め、ココロちゃんも就活を理由に出勤が減ってしまったお店。山田さんは、常連客のタカシさんから「寂しいんじゃない?」と声をかけられますが、「寂しいなんて…ないですよ」と、いつものように素っ気なく返します。
話題は、大学3年生である山田さんの「就活」へと移ります。 「今年は震災後で大変そうだね」と心配するタカシさんの言葉は、母親やココロちゃんが口にしてきたものと同じ響きを持っていました。 それは、「会社員になるのが正しい人生」という、社会の画一的な価値観の押し付けのようにも聞こえます。
「漫画家になりたい」—覚悟を決めた一言
以前の山田さんであれば、この手の話題にはうんざりして黙り込むか、適当にはぐらかしていたかもしれません。しかし、彼女の中で何かが確実に変わっていました。
タカシさんから「もしかして今流行りのフリーターってやつ?」と問われた彼女は、迷いなく、そしてはっきりとこう告げるのです。
「漫画家になりたいんですよ」
母親からは「幼稚園児みたいなこと」と一笑に付され、完全に否定された夢。 しかし、タカシさんは「お~~~それはすごい!!」と、驚きと共に素直な賞賛の言葉を返してくれました。 もちろん、彼はその直後に「まずは就職が必要でしょ」「不安定すぎる」と現実的な意見も口にしますが、それでも山田さんの決意が揺らぐことはありませんでした。
あの夜から始まった、山田さんの変化
なぜ、彼女はこれほど強く、自分の夢を口にできるようになったのでしょうか。その答えは、少し前の夏の夜にありました。
「あの夜からだ…」というモノローグと共に、山田さんの脳裏に浮かぶのは、みいちゃんと二人で見た花火の光景です。
あの夜、初めて自分の夢を打ち明けた時、みいちゃんは手放しで「山田さんなら絶対なれるよ!絵うまいもん!」と、その夢を肯定してくれました。 誰にも理解されず、自分自身でさえ口にするのが怖かった夢を、みいちゃんが真っ直ぐに信じてくれた。その事実が、山田さんの心を縛り付けていた鎖を、静かに解き放ったのです。
みいちゃんという存在が、山田さんに自分の人生を歩き出すための、確かな勇気を与えてくれました。彼女の心の中で、人生計画の歯車が、今ゆっくりと、しかし確実に回り始めています。
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