【みいちゃんと山田さん】2話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【みいちゃんと山田さん】第2話をネタバレありで解説する
第2話のタイトルは「べんきょうの時間」。このタイトルが示す通り、今回はみいちゃんの学力の問題と、それに対して周囲の人々がどう関わっていくのかが、物語の重要な軸として描かれます。
山田さんの憂鬱な日常と学業からの逃避
物語は、もう一人の主人公である山田さんの朝(というより夕方)のシーンから始まります。彼女はアパートの一室で目を覚まし、スマートフォンで時間が16時過ぎであることを確認すると、「今日も大学サボっちゃった…」とつぶやきます 。
「大学はサボっちゃうのに キャバクラにはちゃんと行けるのは不思議だ」と、彼女は自分自身の行動に疑問を感じています 。その理由を、「心のどこかで『勉強なんか意味ない』って思ってるから?」そして、より現実的な問題として「キャバの収入は生活に直結するもんな…」と冷静に分析するのでした 。
前話でみいちゃんの将来を案じていた山田さんですが、彼女自身もまた、大学や勉強に対して複雑な感情を抱えていることがわかります。「別に 行きたくなかったもん 大学なんて」という言葉からは、現在の状況に対する諦めや、学業からの逃避がうかがえます 。
店内の派閥とみいちゃんの「勉強」
山田さんの働くお店では、現役で学校に通う「現役学生組」と、キャバクラの仕事一本で生きる子たちの間で、なんとなく派閥のようなものが形成されています 。大学に行きながら夜も働く山田さんは、自分を「中途半端」な存在だと感じています 。
そんな中、みいちゃんの特異な状況が店内で共有され始めます。彼女が中卒で漢字を読むのが苦手なため、現役大学生のココロちゃんが、まるで子供に言い聞かせるように雑誌を読んであげているのです 。山田さんが「青い花」という本を読んでいると、みいちゃんは「小学生レベルの漢字だけど!?」と驚くほど、簡単な文字すら読めないことが判明します 。
山田さんがその理由を尋ねると、みいちゃんは悲しげな表情で過去を語り始めます。「だって……学校って全然楽しくないよ?」「みんなみいちゃんのことバカにするし 先生も笑うし」と、学校で受けたつらい経験が、彼女から学ぶ機会を奪ってしまったことが明らかになるのです 。
親切心から始まったココロちゃんの勉強会
この状況を見かねたのが、大学3年生で就職活動を控えるココロちゃんでした。彼女は純粋な善意から、「ねぇみいちゃん 私と勉強してみない?」と手を差し伸べます 。
ココロちゃんは「勉強すれば一人で本も読めるし 人生の選択肢も増えるんだよ」と、勉強の利点をキラキラした笑顔で説きます 。その言葉に希望を見出したみいちゃんは、「やるーっ!!」と目を輝かせ、二人の勉強会がスタートすることになりました 。希望に満ちたこの始まりは、一見するとみいちゃんにとって大きな一歩のように思えました。
たった4日で終わった勉強会
しかし、現実はそう甘くありませんでした。勉強会が始まると、すぐに問題が噴出します。
みいちゃんは間違いを指摘されると、プライドからか「間違ってない!みいちゃんはバカじゃ ないからあああ!」と感情的に抵抗します 。2日目には宿題の書き取りを忘れ、もらったテキストすら失くしかけてしまいます 。そして3日目、ついに我慢の限界が来たのか、同じ間違いを指摘されると「あああああ!!!!」と叫びながらテキストを破り捨ててしまうのでした 。
その翌日の4日目、ココロちゃんは笑顔でこう告げます。「大学が忙しくなってきちゃったから 勉強会はもうおしまいにしよう!」 。あまりにも早く、そして一方的に告げられた勉強会の終わり。善意だけでは乗り越えられない、深い溝がそこにはありました。
山田さんが手を差し伸べた理由
一部始終を見ていた山田さんは、一人落ち込むみいちゃんに静かに語りかけます。
「ぶっ飛んでる子って一見面白いからみんな近づくんだけど」「結局 手に負えなくて面倒くさくなって離れちゃうんだよね」 。
山田さんの言葉は、ココロちゃんを責めるでもなく、みいちゃんを憐れむでもなく、ただ事実を的確に捉えていました。この言葉に、みいちゃんは自分を理解してくれる存在を感じたのか、「ありがとう 山田さん」と小さくつぶやきます 。彼女は、ココロちゃんに悪意がなかったことも、それでも結局は自分から離れていってしまった寂しさも、全て分かっていたのです。
山田さんは、いつも一人で本を読んでいる自分の姿と、みいちゃんを重ねます 。「この前 助けてくれて嬉しかった!」というみいちゃんの言葉 、「みいちゃんも本が読めたらもっと仲良くなれるかなって」という自らの思いを振り返り、彼女は静かな決意を固めます 。
第2話は、善意の脆さと、人が本当に誰かと向き合うことの難しさを描き出しました。そして物語の最後には、「みいちゃんが殺されるまで あと11か月」という無情なカウントダウンが再び表示されます 。一度は砕かれた「勉強」への道。山田さんは、この先みいちゃんとどう関わっていくのでしょうか。
まとめ【みいちゃんと山田さん】2話を読んだ感想
第2話は「勉強」という身近なテーマを通して、登場人物たちの内面や人間関係の複雑さが深く掘り下げられており、非常に考えさせられる回でした。
特に胸に刺さったのは、ココロちゃんの純粋な善意が、結果的にみいちゃんを傷つけ、打ち捨ててしまうという皮肉な結末です。「かわいそうな人を助けたい」という気持ちは尊いものですが、相手の過去の傷や特性を理解しないまま正論を押し付けても、本当の意味で救うことはできないのだと、まざまざと見せつけられた気がします。たった4日で勉強会を「おしまい」にしてしまったココロちゃんの姿は、同情から始まる関係の危うさを象徴しているようでした。
一方で、山田さんの洞察力には今回も唸らされました。「手に負えなくて面倒くさくなって離れちゃう」という言葉は、みいちゃんがこれまで何度も経験してきたであろう孤独を、的確に言い当てています。山田さん自身も大学をサボるなど、社会のレールから少しはみ出した存在だからこそ、みいちゃんの痛みや抵抗感に、他の誰よりも寄り添えるのかもしれないと感じました。
みいちゃんが学校で受けたであろう仕打ちを想像すると、勉強に対して強い拒否反応を示し、間違いを指摘されるだけで癇癪を起してしまうのも無理はないのかもしれません。彼女の行動は、ただのわがままではなく、自分を守るための必死の抵抗のようにも見え、やるせない気持ちになりました。
このエピソードは、人と人が深く関わることの難しさと、それでも誰かと繋がりたいと願う切実な思いを描いており、物語の深みを一層増したように感じます。山田さんがこれからみいちゃんにどう向き合っていくのか、ますます目が離せなくなりました。
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