【みいちゃんと山田さん】3話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【みいちゃんと山田さん】第3話をネタバレありで解説する

第3話のタイトルは「特別なままでいて」。この言葉は、純粋で危ういみいちゃんの存在そのものと、彼女を取り巻く人々の複雑な感情を象徴する、非常に重要なキーワードとなります。

SNSトラブル発生!無邪気さが招いた危機

物語は、大学生のココロちゃんが店のSNS「ツミッター」を見て血相を変えるシーンから始まります 。そこには、みいちゃんが無邪気に投稿した、ココロちゃんとのツーショット写真がアップされていたのです

キャバクラで働いていることが「学校や親にバレたらどーするのよ」と、ココロちゃんは激しく動揺します 。悪意のないみいちゃんの行動が、他人の人生を揺るがしかねない危険性をはらんでいることが、改めて浮き彫りになりました。

この事態に、山田さんは冷静に対処します 。以前、偽名を教えたことを思い出し、「嘘 教えておいてよかったー」と胸をなでおろすのでした

山田さんの生存術と、芽生える絆

山田さんはこの一件を機に、閉店後、みいちゃんに改めてインターネットの危険性を教えます

  • 水商売は親や学校に内緒でやっている子もいること 。
  • SNSに顔写真を載せると、身元がバレる可能性があること 。
  • 写真一枚から住所が特定され、ストーカー被害に遭う危険性もあること 。

山田さんはさらに、夜の世界で生き抜くための具体的な「生存術」も伝授します。お酒が飲めない時のごまかし方、例えばノンアルコールドリンクを頼む隠語や 、お客さんが見ていない隙にお酒をアイスペールに流したり、おしぼりに吐き出したりする方法です 。しかし、みいちゃんは一度では理解できず、山田さんは根気強く説明を繰り返すのでした

「特別」を嫌う少女と、一枚のイラスト

翌日、店長は頻繁にグラスを割るみいちゃんのために、プラスチック製の専用コップを用意します 。しかし、みいちゃんはこの「配慮」を喜びません 。**「みいちゃんは… みんなと同じがいい!」「こういう特別扱いってヤダ……」**と、自分だけが違うことに強い拒絶反応を示します 。彼女にとって、それは優しさではなく、劣っていることの証明のように感じられたのです。

その時、常連客のタカシさんが「山田さんに名前とイラスト描いてもらえば?」と提案します 。彼は以前、自分のキープボトルに山田さんが絵を描いてくれたのでした

ためらう山田さんでしたが、みいちゃんの「描いて!」という強い願いに押され、ペンを取ります 。そして、みいちゃんの似顔絵をコップに描いてあげると、みいちゃんは「わああ~!」「これ好きになった!」と、満面の笑みで大喜びします 。その純粋な喜びに、山田さんは「人に優しくするのって 損得抜きにいいもんだな」と、温かい気持ちになるのでした

人気の裏に潜む危険な影と衝撃の真実

自分だけの特別なコップを手に入れたみいちゃんは、水を得た魚のように生き生きと働き始めます 。驚くべきことに、彼女は次々とお客様から指名をもらい、あっという間に店の売れっ子になっていきました

しかし、その成功には不穏な影がつきまといます。彼女を指名するのは「キモオタ系」の客ばかりで 、彼らはみいちゃんの子供っぽい危うさに惹かれているようでした。そして、同伴(店外デート)の最中、ある客がみいちゃんの体をまさぐりながら「みいちゃんってどこ住んでるの?」「みいちゃん家でやろうよ」と、ぞっとするような要求を突きつけます

そして、物語の最後に衝撃の事実が明かされます。この時の山田さんはまだ知らなかったことですが、みいちゃんの人気の理由は、

「鬼枕営業(おにまくらえいぎょう)」、つまり性的サービスによって指名を得ていたからだったのです 。彼女は客に、ためらうことなく自分の本物の住所を教えていました 。破滅への道は、みいちゃん自身の足で、着実に切り開かれていたのです。

まとめ【みいちゃんと山田さん】3話を読んだ感想

第3話は、小さな喜びと背筋が凍るような恐怖が同居する、まさにジェットコースターのような回でした。山田さんが描いた一枚のイラストで、みいちゃんが心からの笑顔を取り戻すシーンは、本当に心が温まりました。「特別」を嫌っていた少女が、自分だけの「特別」を手に入れて輝き出す姿に、このまま幸せになってほしいと願わずにはいられませんでした。

しかし、その直後に突きつけられる現実はあまりにも過酷です。みいちゃんの人気が、実は最も忌むべき手段である「枕営業」によって得られていたという事実に、頭を殴られたような衝撃を受けました。彼女は、危険性を教えられてもなお、その意味を本当の意味で理解できていなかったのです。それどころか、自ら危険に身を投じていました。

彼女の純粋さや、人に喜んでもらいたいという気持ちが、最も歪んだ形で利用され、消費されていく。その構図は、現代社会の闇を鋭くえぐっているように感じます。山田さんの優しさが、結果的にみいちゃんを危険な人気者にしてしまったという皮肉な構造も、非常に残酷です。

「売れっ子になった」という表面的な成功の裏で、着実に破滅への階段を上っているみいちゃん。その危うさにまだ気づいていない山田さん。二人の未来を思うと、ただただ胸が苦しくなります。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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