【みいちゃんと山田さん】4話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【みいちゃんと山田さん】第4話をネタバレありで解説する

第4話のタイトルは「雪降る日」。静かに降り積もる雪は、登場人物たちの孤独や、見過ごされてきた痛みを浮き彫りにし、物語はさらに核心へと迫っていきます。

唯一の対等な関わり方

物語は、みいちゃんの「枕営業」の動機が、彼女自身の口から語られる衝撃的なシーンから始まります。送迎車の中、山田さんが「なんで誰とでも簡単にやっちゃうの?」と問い詰めると、みいちゃんは悲しげな瞳で、しかし淡々と答えます。

みんなは自分のことを見下しているけれど、**「エッチの時だけは対等に接してくれるんだ」**と 。それが、彼女が褒めてもらえたり、喜んでもらえたりする唯一の方法だからです

「山田さんもみいちゃんのこと本当はバカって思ってるでしょ?」という、あまりにもまっすぐな問いに、山田さんは「そんなことないよ」と言うしかありませんでした 。みいちゃんの心の深い闇と、他者と対等な関係を築くことの絶望的な困難さが示されます。

バレンタインに潜む鉄則と悪意

舞台は2月、水商売の売り上げが落ち込むと言われる「二八(にっぱち)」の時期です 。店では、来たるべきホワイトデーのお返し(高額なシャンパンなど)への投資として、バレンタインイベントに力を入れていました

そんな中、常連客のシゲオくんが、みいちゃんに手作りのチョコレートとウサギのぬいぐるみをプレゼントします 。無邪気に喜ぶみいちゃん。しかし、そのぬいぐるみには

盗聴器と隠しカメラが仕掛けられていました

「客からもらった怪しげなもんはゴミ箱へ直行!」という店の鉄則に従い、プレゼントはすぐに捨てられます 。この出来事は、みいちゃんの周りに渦巻く悪意を象徴するものでした。

無慈悲に捨てられた善意と、山田さんの過去

一連の騒動を謝るため、みいちゃんは「みんなの分もチョコ作ってきたんだ!」と、手作りのプレゼントを取り出します 。しかし、その善意は、同僚たちによって無慈悲に踏みにじられます。

「わけのわからん奴が作った食べ物もゴミ箱に直行!」という、もう一つの「鉄則」によって、みいちゃんのチョコレートは彼女の目の前でゴミ箱に叩き込まれてしまうのです

この光景は、山田さんの心の奥底に眠っていた過去の記憶を呼び覚まします。それは、小学生の頃、大好きだったお絵描きを、中学受験を控えた母親から「失敗したくせに!」「またママに恥をかかせるの!?」と全否定された、つらい記憶でした 。良かれと思ってしたことが、相手にとってはただの「押し付け」でしかなかったのかもしれない。山田さんは、みいちゃんの姿に過去の自分を重ね合わせます

過去との決別、そして衝撃の告白

過去のトラウマと向き合った山田さんは、静かに立ち上がります。そして、ゴミ箱へと歩み寄ると、

躊躇なく、みいちゃんが作ったチョコレートを拾い上げて口に運びました

驚く同僚たちを前に、山田さんは一言、こうつぶやきます。

「…美味しい!」

それは、みいちゃんの善意を肯定し、自分を縛り付けていた過去の呪いを断ち切る、力強い一言でした。

しかし、物語は安らぎを許しません。雪が降る夜、山田さんがまだ知らない事実が、同僚たちの口から語られます。お金に困ったみいちゃんは、いつも大久保公園で**「立ちんぼ(街娼)」をしている**というのです 。その日は、2012年2月29日でした 。みいちゃんの自己破壊的な行動は、山田さんの知らないところで、さらに深刻な領域に達していたのです。

まとめ【みいちゃんと山田さん】4話を読んだ感想

第4話は、これまでの物語の中でも特に感情の揺さぶりが激しい、忘れられない回となりました。善意が悪意に、そして無関心によって踏みにじられる連鎖は、読んでいて胸が張り裂けそうでした。

特に、みいちゃんの手作りチョコレートが目の前で捨てられるシーンは、あまりにも残酷です。しかし、その絶望的な状況が、山田さんに自身の過去と向き合わせ、大きな一歩を踏み出すきっかけとなったことに、この物語の深さを感じます。山田さんがチョコレートを食べるシーンは、単にみいちゃんを慰める行為ではありません。それは、かつて母親に否定された「作る喜び」を、山田さん自身が肯定し、受け入れる儀式だったのだと思います。彼女が過去の自分を救い、みいちゃんの唯一の理解者となることを決意した、魂の瞬間に見えました。

しかし、その感動の直後に明かされる「立ちんぼ」の事実は、読者を再び絶望の淵に突き落とします。みいちゃんの問題は、もはや店の人間関係や彼女の純粋さだけでは語れない、さらに根深く、危険な領域に達しています。

山田さんのたった一つの優しい行動が、これからみいちゃんを救う一筋の光となるのか。それとも、さらに深い闇が二人を待ち受けているのか。雪の日の静けさとは裏腹に、物語は嵐のような展開を迎えようとしています。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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