【わたしの好きな人は、】10話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【わたしの好きな人は、】第10話をネタバレありで解説する
莉乃が咲村への想いを断ち切り、婚約者・裕人との未来へ進むと決意してから、しばらくの時間が経過しました。第10話では、彼女の悲壮な覚悟とは裏腹に、結婚準備の過程で生じる「現実」が、再び彼女の心を蝕んでいく様子が描かれます。そしてその心の乱れは、ついに彼女の仕事にまで、最悪の形で影響を及ぼし始めるのです。
降りかかるプレッシャーと、変わらない婚約者
物語は、莉乃が婚約者である裕人の母親から、結婚式のプランについて一方的な要求を突きつけられた後の、疲弊しきった場面から始まります。莉乃の苦悩をよそに、裕人は「親があんなに張り切っちゃって」と、どこか他人事。プランの練り直しという大変な作業を前に、彼は莉乃に信じられない言葉をかけます。
「え?それは莉乃の仕事でしょ」「俺よくわかんないしさー」
結婚は二人のことのはずなのに、その責任と負担はすべて莉乃一人の肩に。このあまりにも無関心な一言は、彼女の心を再び孤独の淵へと突き落とします。
「結婚って…こんなに孤独なのかな」蝕まれる心と仕事
「こんな時でさえ二人でやろうって思ってくれないの…?」莉乃は、幸せなはずの結婚を前に、これまでにないほどの孤独を感じていました。これは「マリッジブルー」なのだろうか。そう自分に言い聞かせようとしますが、心の乱れは隠せません。
その影響は、彼女の職場での姿にも現れ始めます。いつもは完璧に仕事をこなす彼女が、珍しくペースが上がらない。その異変に、同僚の咲村は「調子でも悪いの?」と、心配そうに声をかけます。プライベートの悩みが、ついに仕事のパフォーマンスにまで影を落とし始めた瞬間でした。
追い打ちをかける催促と、最悪の業務用ミス
心労が重なる中、裕人から「母親から連絡あったんだけど、変更後のプランどうなってるのかって」と、無神経な催促の連絡が入ります。焦りとプレッシャーの中で、莉乃の集中力は限界に達していました。
そして、恐れていた事態が起こります。会社の取引先であるA社から、「入金確認が取れない」という連絡が入ったのです。それは紛れもなく、仕事に身が入っていなかった莉乃のミスでした。「私のミスだ…」。血の気が引くような感覚に、彼女は愕然とします。
絶望の淵に響く、一本の内線電話
「私のバカ…」。大事な契約を失うかもしれないという恐怖と自己嫌悪に苛まれ、莉乃がデスクで頭を抱えていると、一本の内線電話が鳴り響きます。それは、彼女の異変に唯一気づいていた、あの人物からのものでした。
「内線1番 営業課 咲村くん」
絶望の淵にいる莉乃の元にかかってきた、咲村からの電話。彼は、この危機的状況を知って電話をかけてきたのでしょうか。それとも…。物語は、息をのむような緊迫感の中で、次へと続きます。
まとめ【わたしの好きな人は、】10話を読んだ感想
第10話は、莉乃の心が壊れていく過程を、これでもかとリアルに描いた回でした。結婚という幸せな目標に向かっているはずなのに、パートナーからの協力は得られず、義母からのプレッシャーに一人で耐え、その結果、仕事で取り返しのつかないミスを犯してしまう。この負の連鎖は、決して他人事とは思えませんでした。精神的な負担が、いかに人のパフォーマンスを低下させるか、その恐ろしさをまざまざと見せつけられたように感じます。
特に、裕人の「それは莉乃の仕事でしょ」というセリフには、彼の根本的な問題点が凝縮されていました。彼は悪人ではありません。しかし、パートナーが苦しんでいる時に、寄り添うのではなく、責任を押し付けてしまう。その無自覚な残酷さが、莉乃をここまで追い詰めたのです。
そして、ラストの内線電話。莉乃が最も孤独で、最も助けを必要としている瞬間に、彼女のことを唯一気にかけていた咲村くんから連絡が来るという展開は、運命の皮肉を感じずにはいられません。彼は、莉乃にとっての救世主となるのか。それとも、この電話が、彼女の心をさらにかき乱すきっかけとなってしまうのか。最悪の状況で、再び二人の線が交わろうとしていることに、目が離せません。
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