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【わたしの好きな人は、】14話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【わたしの好きな人は、】第14話をネタバレありで解説する

「私、ヒロくんとは結婚できません」。自らの意志で、婚約者・裕人に別れを告げた莉乃。第15話は、その決断の直後、二人が迎える混乱と、その知らせが莉乃の友人、そして咲村にまで波紋を広げていく様子を描きます。これは、一度壊れてしまった関係の後始末と、登場人物それぞれが抱える苦悩の物語です。

「とりあえず式は延期で」――切れなかった婚約関係

莉乃からの突然の別れの言葉に、裕人はまったく状況が理解できません。「招待状を出し忘れたから責任を感じてるのか?」と見当違いなことを言い、彼女の決意が本気だと知ると、「もう俺たち二人だけの話じゃないんだぞ」と、今度は両親を盾に彼女を引き止めようとします。

それでも莉乃の意思が固いことを悟ると、彼は一つの妥協案を提示しました。

「とりあえず式は延期ってことにしとこう」

いきなり「中止」では、両親への説明もできない。お互いに冷静になる時間が必要だ。そう言って、彼は婚約破棄ではなく、「延期」という形で関係の存続を求めます。罪悪感と疲労の淵にいた莉乃は、その提案を受け入れてしまうのでした。

「寿退社⁉」職場を駆け巡る憶測

一方、莉乃の異変は職場にも伝わっていました。彼女が部長と深刻な顔で話し込んでいたことから、同僚たちの間では「莉乃が結婚を機に会社を辞める(寿退社)のではないか」という噂が駆け巡ります。莉乃の個人的な決断は、彼女が思う以上に周囲を巻き込み始めていました。

明かされた「延期」の真相と、友人たちの優しさ

後日、莉乃は友人たちに本当のことを打ち明けます。結婚は「中止」ではなく、「延期」になったのだと。自分のわがままで、結婚に踏み切れなくなってしまったと謝る莉乃に、友人たちは「結婚した後で後悔するよりいい」「莉乃が納得できる答えを出せばいい」と、温かく彼女を励まします。そして、そんな彼女を元気づけようと、飲み会を企画するのでした。

届かない「激励会」の誘い…咲村の苦悩

友人の一人が「京(咲村)も誘うな!」と声を上げますが、莉乃は「待って、咲村くんは…」と、それを制止します。今の自分が、彼に会うことはできない。そう感じたからです。

しかし、そんな莉乃の気持ちを知らない友人は、咲村に会いに行き、事情を伝えてしまいます。「小宮山の結婚式、延期になったらしくてな」。そして、彼女のための激励会に咲村を誘います。

その知らせを聞いた咲村の表情は、驚きと苦悩に満ちていました。莉乃との関係に終止符を打ち、彼女の幸せを願うと決めたはずだった。しかし、その前提が崩れてしまったのです。チャンスが訪れたとも言えるこの状況で、彼は、意外な決断を下します。

「…すみません 俺、今日はちょっと…」

彼は、莉乃を元気づけるための会への参加を、静かに断るのでした。

まとめ【わたしの好きな人は、】14話を読んだ感想

第15話は、問題の解決が一直線にはいかない、という恋愛の現実を突きつけてくる回でした。莉乃は勇気を振り絞って別れを告げたのに、裕人の提案した「延期」という名の保留期間によって、完全には自由になれていません。この、関係を断ち切ることの難しさが非常にリアルでした。

そして、今回の白眉は、何と言っても咲村くんの行動です。普通なら、好きな相手が婚約延期になったと聞けば、チャンスとばかりに駆けつけるでしょう。しかし、彼はそうしませんでした。自分が莉乃の心を乱す原因の一つであることを自覚し、彼女が本当に自分のための時間を必要としていることを理解しているからこそ、彼は自ら身を引いたのです。それは、自分の気持ちよりも相手の心の平穏を優先する、深く、そして成熟した愛情の形でした。

主人公二人が、お互いを想いながらも、会うことすらできない。そんなもどかしい状況に、胸が締め付けられます。莉乃は、この「延期」という名の鎖を断ち切ることができるのか。そして、彼女を想い、今はただ静かに見守ることしか選べない咲村の苦悩は、どうなってしまうのか。物語の深みが一層増した、重要なエピソードでした。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
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野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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