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【わたしの好きな人は、】2話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

わたしの好きな人は、】第2話をネタバレありで解説する

第1話のラスト、運命的な出会いを果たした主人公・莉乃と謎のイケメン。第2話は、その合同飲み会の席から物語が始まります。彼の名前は咲村京(さきむら きょう)。莉乃の隣に座ったその瞬間から、彼女の心は婚約者への忠誠心と、抗いがたい新たな出会いとの間で激しく揺さぶられます。今回は、莉乃の鉄壁のガードが、咲村の真っ直ぐな優しさによって少しずつ溶かされていく様子を、ネタバレありで詳しく解説します。

鉄壁のガード!婚約者のために心を閉ざす莉乃

目の前に座った咲村の、人好きのする笑顔。莉乃は「これはモテるはずだあ…」と、彼が社内で人気を集める理由を瞬時に理解します 。しかし、彼女には裕人という婚約者がいます 。莉乃は嫉妬の視線を送る同僚たちを前に、「私にはヒロくんがいますから!」と心の中で強く宣言し、見えないバリアを張るのでした

その決意を行動で示すため、莉乃は咲村との会話を「事務的に、そして淡々と」こなそうと試みます 。年齢や社歴など、当たり障りのない質問を投げかけ、わざと素っ気ない態度を取ることで、彼に「あなたに興味はありません」というアピールを続けるのです 。これは、婚約者である裕人への、そして何より自分自身への誠実さを示そうとする、彼女なりの必死の抵抗でした。

「楽なわけじゃないでしょ?」心を溶かす優しい一言

莉乃の鉄壁ガードも、咲村の思わぬ一言で揺らぎ始めます。会話が互いの仕事の忙しさに及んだとき、莉乃が自分の大変さを謙遜すると、彼は優しい眼差しでこう言いました。

「だからって楽なわけじゃないでしょ?小宮山さんもお疲れ様です」

誰かと大変さを競うのでも、見下すのでもなく、ただ純粋に自分の労をねぎらってくれる。婚約者の裕人からは決して与えられることのなかったその言葉は、莉乃の乾いた心にじんわりと染み渡っていきました。これまで誰にも見つけてもらえなかった自分の頑張りを、初めて肯定されたような気がしたのです。

「正直、好きになってたかも…」芽生えた禁断の想い

咲村が少し席を外した隙に、莉乃は一人、先ほどの会話を反芻します。そして、自分でも信じられないような本音が、心の中に浮かんでくるのを止められませんでした

「正直 ヒロくんがいなかったら 私も好きになってたかもしれないな」

婚約までしている身でありながら、出会ったばかりの男性に心を惹かれている。その事実に気づいてしまった莉乃は、ひどく動揺します 。恋人と過ごす時間は「疲れるもの」だと感じていた自分が、彼との会話を「楽しかった」と感じてしまった。この矛盾が、彼女の心をますます混乱させていきます

「俺はここがいいから」年下男子の真っ直ぐなアプローチ

他のテーブルに捕まっていた咲村は、しかし、まっすぐに莉乃の元へと戻ってきました 。莉乃が驚いて「他のとこ行かなくていーの?」と尋ねると、彼は少し拗ねたように、しかしはっきりとこう答えます

「…俺はここがいいから」

そのあまりにも真っ直ぐな言葉に、莉乃の心はかき乱されます 。そんな中、飲み会はお開きの時間に。莉乃が店を出ると、外は雨が降っていました 。傘を忘れたことに気づき、慌てて店内に戻ろうとしたその時、背後から咲村が現れます。そして、自分の傘を手に持っているにもかかわらず、彼はこう言いました。

「俺(傘)持ってないんで 一緒に入れてください」

それは、あまりにも不器用で、けれど彼の強い意志が感じられる嘘でした。彼の真剣な眼差しに見つめられ、莉乃は言葉を失います。この強引で真っ直ぐなアプローチは、彼女の運命をどのように変えていくのでしょうか。

まとめ【わたしの好きな人は、】2話を読んだ感想

第2話は、莉乃の心の揺れが手に取るように伝わってくる、非常に巧みな心理描写が光る回でした。特に印象的だったのは、「見られる」ことの対比です。第1話で婚約者の裕人に「私のこと見えてるのかな」と感じていた莉乃が、第2話では咲村に「楽なわけじゃないでしょ?」と、誰よりも深く心の内を見つめられ、ねぎらわれる。この対比が、莉乃の心が動いてしまう様に強い説得力を持たせていました。

咲村くんのキャラクターも、単なる「イケメン」ではない魅力にあふれています。彼の行動は一見すると強引ですが、その根底には莉乃への純粋な興味と、彼女を気遣う優しさがあります。最後の「傘、一緒に入れてください」というセリフは、彼の不器用さと本気さが同居した、忘れられない名シーンだと感じました。

そして何より、婚約者がいながら他の男性に惹かれてしまう莉乃の葛藤が、とてもリアルでした。彼女は決して軽薄なわけではなく、必死に婚約者への義理を果たそうと、心に壁を作ります。しかし、優しさに触れるたびにその壁が脆くも崩れていく。その人間らしい心の動きに、読んでいるこちらも胸が締め付けられるようでした。

「計画通りの幸せ」と「予期せぬ心の安らぎ」。莉乃が立たされたこの究極の選択に、これからどう向き合っていくのか。物語の核心に迫る、非常に濃密な第2話でした。

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ABOUT ME
ずっちー
ずっちー
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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