【わたしの好きな人は、】4話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【わたしの好きな人は、】第4話をネタバレありで解説する
カラオケ店の一室で、二人きりで朝を迎えてしまった莉乃と咲村。第4話は、この気まずくも親密な状況から始まります。昨夜の出来事と、莉乃がついてしまった嘘のあとしまつ。そして、一度は終わったはずの二人の関係が、予期せぬ形で再び動き出すまでを描いた、息もつかせぬ展開の回です。
見抜かれた嘘と、交換された連絡先
ひどい二日酔いの中、目を覚ました莉乃は、自分を介抱してくれた咲村に迷惑をかけたことを謝ります 。そんな彼女に、彼は静かに「彼氏…というか婚約者なんですよね?」と、杏奈から聞いた事実を口にします 。婚約者のいる莉乃の立場を気遣い、家まで送らずにタクシーを呼ぶという彼の配慮が、莉乃の胸に罪悪感となって突き刺さるのでした 。
タクシーを待つ間、咲村は心配だから家に着いたら連絡がほしい、という真っ当な理由を添えて、連絡先の交換を求めます 。莉乃が「誰にでもそうなの?」と、彼の真意を測るような質問をすると、彼は少し悲しそうな顔で、核心を突く一言を放ちました。
「嘘つくならもっと上手くついてよね」
彼女が咄嗟についてしまった「彼氏はいない」という嘘も、その後の動揺も、彼にはすべてお見通しだったのです。
「でも、それだけ」必死に引いた境界線
タクシーに乗り込む直前、咲村は「今日は楽しかったです」と笑顔を見せます 。それに対し、莉乃は最後の力を振り絞って、彼との間に境界線を引こうとしました。
「私も楽しかった…でもそれだけ」
その言葉を聞いた咲村の表情が、一瞬だけ切なく歪みます 。走り出したタクシーの中で、莉乃は激しい胸の高鳴りを、まだ残っているお酒のせいだと言い聞かせるしかありませんでした 。
私が好きなのはこの人…電話で誓う忠誠心
たまらない気持ちになった莉乃は、タクシーの中から婚約者の裕人に電話をかけます 。寝ぼけ眼の彼と当たり障りのない会話をしながら、彼女は必死に自分に言い聞かせます。「私が好きなのはこの人だ」と 。それはまるで、揺らぐ自分の心に楔を打ち込むための、悲しい儀式のようでした。電話を切った後、「何必死になってるんだろ」と、自分の行動に虚しさを感じる莉乃の姿が印象的です 。
偶然の再会?再び乱される「平凡な日常」
あの夜から数日後、莉乃は何事もなかったかのように「平凡な日常」を取り戻そうと仕事に打ち込みます 。これでよかったのだと自分を納得させていた矢先、事態は思わぬ方向へ動きます。仕事終わりに友人の三木と飲みに行く約束をしていると、そこへ同僚が「帰りにバッタリ会ったから」と、なんと咲村を連れて現れたのです 。
「折角こう…キレイに…終われてたのに」。せっかく断ち切ったはずの縁が、友人の手によって再び繋がってしまった。予期せぬ再会に、莉乃の心は再び激しくざわつき始めます 。
まとめ【わたしの好きな人は、】4話を読んだ感想
第4話は、莉乃の「否定」、つまり自分自身の本当の気持ちから目を背けようとする心理が、痛々しいほどリアルに描かれていました。特に、婚約者の裕人に電話をかけるシーンは、このエピソードのハイライトだと感じます。咲村との間に芽生えた感情を打ち消すために、今ある幸せ(のはずのもの)に必死にしがみつこうとする姿は、多くの人が経験するであろう心の葛藤を映し出していて、非常に胸に迫るものがありました。
一方で、咲村くんのキャラクターの深みも増した回でした。彼はただの積極的な年下男子ではなく、莉乃の嘘に気づきながらもそれを責めずに「もっと上手くついてよね」と、優しさの中にチクリと本音を混ぜる、非常に高度なコミュニケーション能力を見せます。彼がただの遊び人ではないこと、そして本気で莉乃に惹かれていることが伝わってきました。
そして、ラストの「偶然の再会」。一度は「それだけ」と線を引いたにもかかわらず、運命が「はい、終わり」とはさせてくれない。日常という安全地帯に逃げ込んだ莉乃を、いとも簡単に引きずり出す展開には、思わず「そうきたか!」と唸ってしまいました。彼女はもう、彼から逃れることはできないのかもしれません。この再会が、二人の関係をどう変えていくのか、次回の展開が待ちきれません。
◁前の記事はこちらから

▷次の記事はこちらから
