【わたしの好きな人は、】5話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【わたしの好きな人は、】第5話をネタバレありで解説する
予期せぬ再会を果たしてしまった莉乃と咲村。第5話では、自分の気持ちに蓋をするため、莉乃が新たな心の防衛線を張るところから始まります。その名も「友達」作戦。しかし、咲村から明かされる過去の出来事によって、その壁はいとも簡単に崩れ去っていくのでした。今回は、二人の距離が決定的に縮まる、甘くも切ないエピソードを解説します。
「友達なら許される」莉乃の新たな防衛線
偶然が重なり、再び咲村と飲むことになった莉乃。彼女は混乱する心を整理するため、ある一つの結論に至ります。それは、彼を「友達」と定義することでした。「私も友達って呼んでいい…?」 と、彼女は自ら提案します。
「友達なら 咲村くんといて楽しいって思っても許されるんじゃないかって」
婚約者である裕人への罪悪感から逃れるための、苦肉の策。この「友達」という都合の良いラベルを貼ることで、莉乃は自分の気持ちに言い訳を与えようとするのです。そんな彼女の心の内を知ってか知らずか、友人たちからは「この前みたいに潰れないでくださいよ」 と釘を刺されるのでした。
見過ごされることのない気遣い
飲み会が始まると、莉乃は咲村の細やかな気遣いに改めて驚かされます。彼女がみんなのために料理を取り分けようとした際、さっと新しいお皿を用意してくれる咲村 。その自然な行動に、莉乃は思わず婚約者の裕人と比べてしまいます。「ヒロくんならこうはいかない」 と。
自分のことを気にかけてくれる、見ていてくれる。そんな当たり前のようでいて、今の彼女が最も欲していた優しさが、じわじわと莉乃の心を解かしていくのでした。
「親睦会の前から知ってた」咲村の衝撃告白
楽しい時間はあっという間に過ぎ、帰り道。莉乃が職場の部長の噂話で盛り上がっていると、咲村はふと、衝撃的な事実を打ち明けます。
「親睦会の前から莉乃さんのこと知ってたんですよ」
それは、まだ部署の改変後で職場が慌ただしかった頃のこと。咲村が莉乃の部署に用事があって訪れた際、予期せぬ残業に不平を言う同僚たちの中で、一人だけ黙々と仕事をする莉乃の姿を見かけたというのです。
「そういうところ素敵だと」心に響くストレートな称賛
咲村が見たのは、他の同僚から「のんびりやれば」と声をかけられても、「1分でも早く終わらせて家帰って美味しくビール飲みたい」 と真顔で返す莉乃の姿でした。彼はその飾らない人柄に思わず笑ってしまい、同時に「かっこよく見えた」 と語ります。
そして彼は、まっすぐに莉乃を見つめて言いました。
「俺は莉乃さんのそういうところ素敵だと思ってます」
ただ外見を褒めるのでも、お世辞を言うのでもなく、彼女の本質的な部分、仕事への向き合い方を「素敵だ」と称賛する。その言葉は、莉乃の心の最も深い場所にまで響きます。
度重なる褒め言葉に「もういいからっ!」 と照れる莉乃に、咲村は「なんかかわいいっすね」 と追い打ちをかけます。そのやり取りの中で、莉乃は一つの真実に気づいてしまうのでした。「ちょっと嬉しかった」「だって、ヒロくんはそんな風に私を見てくれない」 と。
まとめ【わたしの好きな人は、】5話を読んだ感想
第5話は、莉乃が張った「友達」という名の防衛線が、いかに脆いものだったかを痛感させられる回でした。自分の気持ちをコントロールしようとすればするほど、咲村くんの優しさや誠実さがそれを許してくれない。このじれったくも甘い攻防に、読んでいて胸が高鳴りました。
特に咲村くんの告白シーンは、この物語の核心に触れる名場面だと思います。「残業中にビールを楽しみに頑張る姿に惹かれた」というエピソードは、非常に解像度が高く、彼が莉乃の上辺だけでなく、その人柄そのものを見ていることが伝わってきました。誰かに、自分の頑張りをちゃんと見ていてほしい、認めてほしい、という普遍的な願望を、これ以上なく満たしてくれるシーンです。
そして、莉乃の最後のモノローグ、「ヒロくんはそんな風に私を見てくれない」 。この一言に、彼女が婚約者に抱える不満のすべてが凝縮されています。彼女が咲村に惹かれるのは、彼がイケメンで優しいから、だけではない。彼が、裕人にはない「解像度」で自分を理解し、評価してくれるからです。
「友達」という枠には、もう到底収まりきらない二人の感情。莉乃の心は、もはや完全に咲村へと傾いてしまったように見えます。彼女はこれから、婚約者・裕人と、そして自分自身の本当の気持ちと、どう向き合っていくのでしょうか。物語は重大な局面を迎えました。
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