【わたしの好きな人は、】7話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【わたしの好きな人は、】第7話をネタバレありで解説する
婚約者への罪悪感と、同僚・咲村への惹かれる気持ちとの間で揺れる莉乃。第6話のラスト、彼女のスマホに届いた一通の通知が、友人たちの前でその心の揺れを隠しきれなくさせました。第7話は、友人からの鋭い指摘をきっかけに、莉乃が自分の感情に「マリッジブルー」という名前をつけて無理やり蓋をし、再び婚約者と向き合おうと決意する、重要なターニングポイントとなる回です。
「ただの友達」鋭い指摘に揺れる心
莉乃のスマホが鳴り、画面を見て幸せそうに頬を染める彼女に、友人たちはすかさず「ヒロくん?」と尋ねます。しかし、相手は別の男性同僚(咲村)でした 。彼から焼肉に誘うメッセージが届いたのです 。その事実を知った友人の表情は、一瞬で真剣なものに変わります。
「ただの友達相手に あんな嬉しそうな表情するかなー…」
友人の核心を突く一言に、莉乃は激しく動揺。「好きとかじゃないから!」「だって私 結婚するんだよ⁉」と、必死に自分の気持ちを否定します 。ですが、その必死な姿こそが、彼女の心が平穏でないことの何よりの証拠でした。
魔法の言葉「マリッジブルー」と偽りの決意
莉乃のただならぬ様子に、友人たちは、彼女が「マリッジブルー」に陥っているのではないかと心配します 。結婚への不安から、一時的に他の人に心が揺らいでいるのではないか、と。
この「マリッジブルー」という言葉は、莉乃にとって一種の救いとなりました 。そうだ、私のこのモヤモヤした気持ちは、結婚前の不安定な症状なんだ。咲村への気持ちは本物ではないんだ、と。彼女はこの便利な言葉に飛びつき、「もっと前向きにヒロくんとの結婚のこと考えなきゃ」と、固く決意を新たにするのでした 。
前に進むための結婚準備、のはずが…
決意を固めた莉乃は、すぐに行動を開始します。自らブライダルフェアの情報を集め、裕人と共に式場見学へ 。そして、とある会場を二人で気に入り、ついに申込書にサインをします 。これで前に進める。平凡な幸せを取り戻せる。莉乃はそう信じていました。
しかし、運命は彼女を平穏の中には留めておきません。後日、友人たちとの約束だった焼肉会で、事件は起こるのです。
嫉妬の正体…鳴り響く恋敵からの電話
友人たちと咲村を交えた焼肉の席。莉乃がバレンタインのプレゼントとして選んだ品を、咲村は「俺の好きな色です」「大事にします」と、特別な眼差しで受け取ります 。その瞬間、莉乃の心に温かい何かが灯ります。
ですがその直後、咲村の元に一本の電話が。それは、以前から咲村にアプローチをかけていた恋敵・杏奈からのものでした 。友人たちが「バレンタインの呼び出しか」と囃し立てる中、莉乃は、自分の胸の中に黒い感情が渦巻くのを感じます 。
「やだなぁこの モヤモヤー」
友達として一緒にいるのが楽しいだけ、のはずではなかったのか 。この嫉妬にも似た感情は、一体何なのか。莉乃は、自分の気持ちが「マリッジブルー」という言葉だけでは片付けられない、もっと根深いものであることに気づかされてしまうのでした。
まとめ【わたしの好きな人は、】7話を読んだ感想
第7話は、自分の気持ちを理性でコントロールしようとする莉乃の、痛々しくも健気な姿が印象的でした。「マリッジブルー」という言葉を盾に、咲村への気持ちを無理やり押し込め、婚約者である裕人との関係を前に進めようとする。その姿は、多くの人が経験するであろう「こうあるべき」という理想と、「こうありたい」という本音との間の葛藤をリアルに描いていました。
そして、その脆い決意を打ち砕くきっかけが「嫉妬」である、という展開が非常に巧みだと感じます。頭では「ただの友達」と自分を納得させようとしても、恋敵の登場によって本能的な感情が溢れ出してしまう。理屈ではどうにもならない感情の正体に気づかされた莉乃の「モヤモヤ」は、読者の胸にも強く迫るものがありました。
一度は結婚式の申込書にサインまでして、無理やりにでも進もうとした道。しかし、咲村の存在が、その道をまっすぐに歩くことを許してくれません。自分の本当の気持ちから、もう目を逸らすことはできない。そう悟った莉乃が、次にどのような選択をするのか。物語はますます目が離せない局面へと突入しました。
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