【わたしの好きな人は、】8話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【わたしの好きな人は、】第8話をネタバレありで解説する
同僚・咲村への気持ちが「ただの友達」ではないと自覚し、彼との関係を終わらせようと決意した莉乃。第8話は、そんな彼女の悲しい決意と、運命が用意した「最後の時間」を描きます。これは、前に進むために、自らの手で恋心の싹を摘み取ろうとする、莉乃の切ない物語です。
「最後にいい思い出作り」悲しい決意と最後の時間
咲村と会わないようにしよう。そう決めた矢先、莉乃は友人・三木のサプライズ誕生日会に誘われます。もちろん、そのメンバーには咲村も含まれていました。断ち切ろうとするほどに、運命は二人を繋ぎ止めようとします。
「できれば気付かないまま終わりたかった」。自分の本当の気持ち…「咲村くんは友達だけど友達じゃない」という事実を認めつつも、莉乃は一つの決意を固めます。
「…最後にいい思い出作りさせてもらおう」
この誕生日会を、彼との最後の楽しい思い出にする。そして、きっぱりとこの関係を終わらせる。そう心に誓った莉乃は、友人たちと三木へのプレゼントを選びに出かけるのでした。
似合いのヘアクリップと、拒絶されたプレゼント
友人たちとプレゼントを選ぶ時間は、莉乃にとって温かく、幸せなものでした。「一緒に考えてくれるのやっぱ嬉しいな」。婚約者である裕人との間では感じることのできない、ささやかな喜びを噛みしめます。
しかし、そんな穏やかな時間は、咲村の純粋な好意によって破られます。店内で、彼は莉乃に似合いそうだというヘアクリップを見つけ、「俺にプレゼントさせてくれません?」と、バレンタインのお返しとして渡そうとするのです。それは、他の誰でもない、「莉乃個人」に向けられた、特別な贈り物でした。
「大事にしてしまいそうだから」涙の告白
このままではいけない。莉乃は、ここで決着をつけることを決意します。彼女は、咲村からの特別なプレゼントを受け取ることを、はっきりと拒否しました。そして、その悲しい理由を、涙ながらに告白するのです。
「咲村くんにもらったもの 手元に置いとけないよ。大事にしてしまいそうだから」
それは、彼への気持ちが友情などではないことを、自ら認める言葉でした。彼からもらったものを手元に置いてしまえば、きっと大切にしすぎてしまう。婚約者がいる身で、それはできない。彼女の言葉は、咲村への想いの深さと、それを断ち切らなければならないという悲痛な覚悟を示していました。
決別の言葉と、打ち砕かれた想い
そして莉乃は、震える声で、しかしはっきりと、彼に最後通告をします。
「私もうすぐ結婚するからさ」
式の日程も決まり、準備も進んでいる。式の後には入籍もする。戻ることのできない現実を、彼女は自らの口で咲村に突きつけました。
すべてを聞いた咲村は、ただ一言、「…わかりました」と、打ち砕かれた心を隠すように静かに答えます。そして、まるで自分に言い聞かせるかのように、「大丈夫。間違ってなかったってそう思える日がきっと来る…」と莉乃に告げるのでした。彼のその優しさが、莉乃の決意をさらに苦しく、切ないものにさせていました。
まとめ【わたしの好きな人は、】8話を読んだ感想
第8話は、涙なしには読めない、あまりにも切ない回でした。自分の気持ちに正直になるのではなく、「正しい道」を選ぶために、自ら恋心を葬り去ろうとする莉乃の姿に、胸が締め付けられました。特に、プレゼントを断る理由として「大事にしてしまいそうだから」と告白するシーンは、本作屈指の名場面だと思います。これは、咲村への最大の賛辞であり、同時に最も残酷な別れの言葉でした。
また、咲村くんの受け止め方にも彼の誠実な人柄が表れていました。想いを告げられ、そして目の前でその想いを断ち切られた彼の痛みは計り知れません。それでも彼は莉乃を責めることなく、静かに身を引くことを選びます。その優しさが、この恋が「本物」であったことを、より一層際立たせていました。
物語の上では、二人の関係はここで一つの「終わり」を迎えたように見えます。しかし、本当にこれで終わりなのでしょうか。莉乃が「間違ってなかった」と思える日は来るのか。お互いの心に深く刻まれた想いは、そう簡単に消えるとは思えません。悲しい結末でありながらも、今後の展開に新たな希望と波乱を予感させる、見事な構成の第8話でした。
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