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【わたしの好きな人は、】9話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【わたしの好きな人は、】第9話をネタバレありで解説する

自らの手で、同僚・咲村との関係に終止符を打った莉乃。第9話は、その痛みを乗り越え、婚約者である裕人との未来にすべてを懸けようとする彼女の、悲壮な覚悟から始まります。しかし、そんな彼女を待ち受けていたのは、あまりにも残酷な現実でした。信じようとした幸せが、目の前で崩れ去っていく。そんな悪夢のような展開を、ネタバレありで解説します。

「いい思い出になったよ」悲しすぎる最後の別れ

物語は、莉乃が「最後の思い出作り」と決めた友人・三木の誕生日会から始まります。会は成功し、三木の喜ぶ顔に莉乃も心から安堵します。そして帰り道、彼女は自ら、友人たち、そして咲村との輪から離れ、「ヒロくんとこ行くから」と告げるのでした。

去り際、咲村は莉乃の頭にそっと手を置き、「いい思い出になったよ ありがとう」と、すべてを理解したように、しかし寂しさを隠しきれない表情で言います。それは、恋に発展する可能性があった二人の関係が、確かに「終わった」ことを示す、切ない合図でした。

「この手を信じさせて」婚約者に託した最後の望み

その夜、婚約者・裕人の家で、眠る彼の隣に横たわる莉乃。彼女は、この人との未来を信じようと、必死に自分に言い聞かせます。裕人のマイペースで自分本位な性格も、すべて受け入れてきた。だからこそ、彼女は眠る彼の手を握りしめ、心の中で強く願います。

「この手を信じさせてね。私の心をちゃんと掴んでおいてね」

それは、咲村への想いを断ち切ってまで選んだ、裕人への最後の、そして最大の信頼の証でした。

義母の襲来!乗っ取られる結婚式

莉乃が覚悟を決めた、まさにその翌日。彼女の信頼は、いとも簡単裏切られます。結婚式場との打ち合わせに向かう直前、裕人は「今日の打ち合わせ、俺の両親も来るって」と、悪びれもなく告げたのです。

新幹線で3時間もかけてやってくるという義両親。その突然の来訪に、莉乃の心には言いようのない不安が広がります。そしてその不安は、最悪の形で的中するのでした。

「変更しといてちょうだい」否定される莉乃のすべて

式場に到着するやいなや、裕人の母親は、莉乃たちが決めたプランに次々と口を出し始めます。

  • 料理は年配の親戚のために洋食から和食へ。
  • お色直しは古風な考えの親戚のためにドレスではなく和装へ。
  • 引き出物は格式を重んじ、地元の名産品を扱う指定の店へ。

彼女の意見は、事実上の「命令」でした。莉乃が悩み、考え、裕人と「一緒に」決めたはずの計画は、「変更しといてちょうだい」という一方的な言葉で、跡形もなく塗り替えられていきます。その間、裕人はただ黙って、母親の暴走を止めることすらしません。自分の結婚式が、自分の知らないところで、自分の知らないものに作り変えられていく。その恐怖と絶望の中で、莉乃はただ立ち尽くすことしかできないのでした。

まとめ【わたしの好きな人は、】9話を読んだ感想

第9話は、読者の感情を激しく揺さぶる、まさにジェットコースターのような回でした。前半、莉乃が咲村との関係を終わらせ、裕人にすべてを託そうと決意するシーンは、彼女の健気さに胸が締め付けられます。「私の心をちゃんと掴んでおいてね」というモノローグは、この先の幸せを信じたいという、彼女の悲痛な祈りそのものでした。

しかし、その祈りは、後半の義母の登場によって無残にも打ち砕かれます。莉乃が悩み抜いて下した決断や、彼女が築き上げてきたささやかな夢を、義母が土足で踏みにじっていく様は、読んでいて怒りすら覚えました。そして何より腹立たしいのが、婚約者・裕人の態度です。彼は、莉乃と母親との間で彼女を守る盾になるどころか、むしろ母親の側に立ち、莉乃が一人で矢面に立つのを黙って見ているだけ。第8話で莉乃が託した「信頼」を、彼はわずか1日で裏切ってしまったのです。

自らの恋心を犠牲にしてまで選んだ道が、地獄への入り口だった。これほどの皮肉があるでしょうか。自分の意志も、夢も、すべてを否定された莉乃は、これからどうなってしまうのか。物語は一気に不穏な空気に包まれ、次週への引きがこれ以上ないほど強烈な形で終わりました。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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