【カグラバチ】74話「夜明け」あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【カグラバチ】74話「夜明け」をネタバレありで解説する
『カグラバチ』の世界へようこそ。この物語は、父を殺され、奪われた妖刀を取り戻すために憎しみを力に変えて戦う少年チヒロの復讐劇です。最新話である第74話「夜明け」では、物語が大きく動き出し、息もつかせぬ展開が読者を待ち受けています。この記事では、胸が高鳴るその内容を、ネタバレありで詳しく解説していきますので、まだ読んでいない方はご注意くださいね。
悲痛なる報せと父の決断、イヲリに迫る影
物語は、主人公チヒロの仲間である座村が、刀匠であった六平国重(チヒロの父)の訃報を受け取る場面から始まります。悲しみに暮れる間もなく、座村の前には謎の組織「毘灼(ひしゃく)」を名乗る幽(ゆら)が現れます。幽は六平殺しを認め、かつて多くの犠牲者を出した「蟲(こどく)」と呼ばれる厄災を止めるため、そして剣聖を殺すために協力するよう座村に迫るのです。
「毘灼」は、妖刀真打の契約者が生きている限り剣聖の戦意は消えず、再び大いなる災いが起こりうると主張します。彼らは、真実を隠し生き続ける契約者たちの存在そのものが「罪」であると断じ、全ての契約者を手にかけ、剣聖を処刑するという恐ろしい目的を明かしました。始めは躊躇していた座村でしたが、愛娘イヲリの未来を守るため、そしてこれ以上の悲劇を繰り返さないために、苦渋の決断を下します。それは、「契約者の皆殺し」と「剣聖の処刑」という、あまりにも非情な道を選ぶことでした。
時を同じくして、父・座村と離れて暮らすイヲリにも、父の訃報は届いていました。神奈備(かんなび)と呼ばれる組織の管理下に置かれたイヲリ。その半年後、父の部下であった「巻墨(まきずみ)」が訪れ、イヲリの記憶は封印されてしまいます。父が座村清市であることで心無い言葉を浴びせられた過去もありましたが、それでも父の娘であったからこそ母の最期の笑顔を見られたのだと、イヲリは健気に思っていました。そんな彼女の元に残された父からの置き手紙には、「辛い思いばかりさせて悪かったな」という不器用ながらも愛情に満ちた言葉が。父の温かい想いに触れ、イヲリはただ涙を流すしかありませんでした。この記憶の封印は、父としての座村の、娘をこれ以上過酷な運命に巻き込みたくないという切なる願いだったのかもしれません。
覚醒する記憶、届かぬ父への想い
場面は現在へと戻ります。チヒロたちと行動を共にする中で、イヲリはついに封印されていた全ての記憶を取り戻しました! 父譲りの剣の才を発揮し、襲い来る刺客たちを次々と斬り伏せるイヲリ。しかし、記憶を取り戻したことで、どれだけ自分が想いを募らせても、その声は父には届かなかったのだという辛い現実を突きつけられます。空を覆う「梟(フクロウ)」と呼ばれる現象が、父・座村の妖刀「飛宗(ひそう)」によるものだと気づいたイヲリ。父が近くにいるかもしれない、そう感じながらも、チヒロから「座村はやることがあり、イヲリのことを見つけられない」と告げられ、深い悲しみに沈むのでした。
一方、チヒロによって深手を負わされた敵、昼彦(ひるひこ)は、仲間の斗斗(とと)に保護されていました。満身創痍の状態でありながら、彼は治療よりも先に自身の妖刀「酌揺(くめゆり)」を渡すよう要求します。それは、チヒロが必ず妖刀「淵天(えんてん)」を抜くと確信していたからでした。昼彦のこの執念は、物語にさらなる波乱を呼び込む予兆と言えるでしょう。
三本の妖刀が夜明けを切り裂く!宿命の再会へ
「お父さんに会いたい。一目会えるなら会いたい!」 記憶を取り戻し、父への想いを募らせるイヲリの悲痛な叫び。その想いに応えるべく、チヒロは決然と立ち上がります。座村は「梟」を通じて妖刀の玄力(げんりき:妖刀の持つ特殊な力)の反応に網を張っているはず。チヒロはその監視を逆手に取り、あえて「淵天」を抜くことで座村の注意を引き、父娘を再会させようと考えたのです。
チヒロが「淵天」を天に掲げ、その力を解放しようとした、まさにその瞬間。呼応するかのように、離れた場所にいた昼彦もまた「酌揺」を抜刀します。二つの強大な妖刀の力がぶつかり合い、空気が震える中、事態は誰もが予想しなかった展開を迎えるのです。
暗雲に閉ざされていた空が、まるで舞台の幕が開くかのように晴れ渡り、そこに現れたのは……巨大な黒い翼をその身にまとい、妖刀「飛宗」を構えた座村その人でした。父に会いたいと願ったイヲリ、その願いを叶えようとしたチヒロ、そして宿敵チヒロを追う昼彦。三者三様の想いが交錯し、ついに三本の妖刀とその主が、夜明けの光の中で対峙することになったのです。この再会は、果たして希望となるのでしょうか、それとも新たな絶望の始まりとなるのでしょうか。物語は、まさに最高潮の緊張感をもって次話へと続きます。
この第74話では、「親子の絆」というテーマが色濃く描かれています。座村の娘を想う不器用な愛情、そしてイヲリの父を慕う純粋な気持ち。過酷な運命に翻弄されながらも、互いを想い合う姿は胸を打ちます。また、自らの信念のために非情な決断を下す者、憎しみを力に変える者、そしてただ純粋な願いを抱く者、それぞれの「正義」や「想い」がぶつかり合う様は、私たちに「本当に守るべきものは何か」と問いかけているのかもしれません。
さて、この衝撃的な展開の後、チヒロ、イヲリ、座村、そして昼彦の関係はどうなっていくのでしょうか。彼らの選ぶ未来から、目が離せませんね。
【カグラバチ】74話を読んだ感想
いやはや、今回の【カグラバチ】第74話「夜明け」は、一読者として本当に胸が熱くなりました! まさに息をのむ展開の連続で、ページをめくる手が止まらなかったです。
特に印象的だったのは、やはりラストシーンですね。チヒロがイヲリのために「淵天」を抜き、それに呼応するように昼彦が「酌揺」を抜き、そして満を持して座村が「飛宗」と共に現れる……。あの三本の妖刀が揃い踏みする場面の迫力と絶望感、そしてほんの少しの希望が入り混じる感覚は、鳥肌ものでした。 座村の、まるでラスボスのような黒い翼を纏った姿も、その強大さを際立たせていて、今後の戦いがどれほど熾烈なものになるのかと、期待と不安でいっぱいになります。
チヒロが、座村の監視を逆手に取ってイヲリと再会させようとする作戦も、「なるほど!」と唸らされました。ただ真っ直ぐなだけでなく、知略も巡らせるようになってきたチヒロの成長を感じます。そして、記憶を取り戻したイヲリの、父への純粋な想いと悲しみがひしひしと伝わってきて、思わず感情移入してしまいました。彼女の願いが、どのような形で叶うのか(あるいは叶わないのか)、とても気になります。
座村のキャラクターも、ますます深みを増していますね。娘のためとはいえ、「契約者皆殺し」という非情な道を選ぶ彼の苦悩を思うと、単純な悪役とは言い切れない複雑さを感じます。彼が抱える「正義」と、チヒロたちの想いがどうぶつかり合っていくのか、目が離せません。
そして、昼彦の存在も不気味です。深手を負いながらも妖刀を求める執念は、今後の展開の大きな鍵を握っていそうです。チヒロ、座村、昼彦による三つ巴の戦いになるのか、あるいは一時的な共闘関係が生まれるのか……全く予想がつかない展開に、来週が待ちきれない気持ちでいっぱいです。願わくば、イヲリが少しでも報われる展開になってほしいなと、個人的には思っています。
今回の74話は、物語の大きな転換点であり、座村編のクライマックスが間近であることを感じさせる、非常に濃密な一話でした。これからの【カグラバチ】から、ますます目が離せません!
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