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【元戦闘用奴隷ですが、助けてくれた竜人は番だそうです。】6話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【元戦闘用奴隷ですが、助けてくれた竜人は番だそうです。】第6話をネタバレありで解説する

第6話「刷り込み」では、強くなりたいと願うユイと、彼女の相手を務めるウィルの訓練が描かれます。しかし、その訓練はユイの心の奥底に眠る、あまりにも深く、そして暗い過去を呼び覚ます引き金となってしまいました。

「訓練」から「実戦」へ、少女の焦り

ウィルとの訓練が始まると、ユイは持ち前の素早さで休むことなく攻撃を仕掛けます。 その型にはまらない剣筋と手数の多さに、ウィルも「なるほど速い」と感心するほどでした。

しかし、ユイの心は焦りで満たされていました。ウィルが一歩も動かず、自分の全力の攻撃を片手でいなしていること、そして彼との圧倒的な実力差を痛感していたのです。 「これじゃ『しごと』もらえない」「セレストさんのふたんのまま…」という思いが、彼女を追い詰めます。 そして、ユイの中で訓練は「実戦」へと姿を変えました。

フラッシュバックする過去の「刷り込み」

本気になったユイは、警備隊の新人には教えないような危険な足狙いの攻撃を繰り出します。 その姿に、ウィルは彼女がただの奴隷ではなく、「戦闘用奴隷」であったことを確信するのでした。

その瞬間、ユイの脳裏に過去の地獄が蘇ります。観客の「殺せ」という怒号、そして「貴様らの価値はオッズ 殺して勝つこと それがすべてだ」と叫ぶ、かつての主人の声。 彼女の体には、生きるためには相手を殺すしかないという、あまりにも残酷な教えが「刷り込み」として刻み込まれていたのです。

「ごめんなさい」――心の奥底に刻まれた罪悪感

ユイを苛むのは、闘技場での記憶だけではありませんでした。それは、病気の両親に対し「何もできない子どもでごめんなさい」と、ただ謝り続けることしかできなかった、幼い日の記憶。 この無力感と罪悪感が、彼女の行動の根源にありました。

もう二度と、大切な人の重荷になる「何もできない子ども」にはなりたくない。その強い想いが、彼女を暴走させてしまいます。過去の記憶に囚われたユイの力は増し、ついにウィルを追い詰めていきました。

暴走する力と、親友の葛藤

形勢は逆転し、今度はウィルが防戦一方となります。しかし、彼が恐れたのは自分自身の敗北ではありません。万が一にもセレストの番であるユイに怪我をさせてしまったら、「あとが怖い あいつが怖い」と、親友であるセレストの怒りを買うことを恐れたのです。

説得に応じず、攻撃を止めないユイに対し、ウィルは苦肉の策として水の入った桶を投げつけ、「頭を冷やして」と叫びます。 それでも止まらないユイの剣が、ウィルに届こうとした、その時でした。

身を挺した介入、セレストの想い

二人の間に割って入ったのは、ユイの身を案じて駆けつけたセレストその人でした。 彼は自らの体を盾にして、ユイの木剣とウィルの体を両手で受け止め、その激しい衝突を止めたのです。 彼の表情には、驚きと、そして何か別の強い感情が浮かんでいました。 この予期せぬ介入は、暴走した訓練にどのような結末をもたらすのでしょうか。

まとめ【元戦闘用奴隷ですが、助けてくれた竜人は番だそうです。】第6話を読んだ感想

第6話は、ユイの過去がさらに深く掘り下げられ、彼女の抱える心の闇の正体が明らかになる、非常に胸の苦しい回でした。単に「強くなりたい」という前向きな願いだけでなく、その根底に「役に立たない自分は無価値だ」という、過去の経験から刷り込まれた強烈な自己否定と罪悪感があったとは…。彼女の痛々しいほどのひたむきさに、涙を誘われます。

一方で、ウィルのキャラクターの深みも増したように感じます。最初はユイに敵対的だった彼が、今では彼女の身を案じ、さらには親友であるセレストの怒りを恐れるという人間(?)らしい一面を見せてくれました。彼の葛藤が、物語に緊張感と少しのユーモアを与えてくれています。

そして、最高のタイミングで現れたセレスト。彼がユイの暴走をどう受け止めるのか、ただ守るだけでなく、彼女の心の傷とどう向き合っていくのか。まさに息をのむようなラストシーンで、次回の展開が気になって仕方がありません。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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