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【元戦闘用奴隷ですが、助けてくれた竜人は番だそうです。】11話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【元戦闘用奴隷ですが、助けてくれた竜人は番だそうです。】第11話をネタバレありで解説する

お互いのことを「知りたい」と、心を通わせたユイとセレスト。第11話では、二人の穏やかな休日と初めての買い物の様子が描かれます。幸せな時間の中で垣間見える、セレストの秘めたる不安とは何だったのでしょうか。

初めての買い物と、尽きない愛情

セレストの提案で、二人は初めて一緒に服を買いに出かけます。 ユイに似合いそうな服や下着、靴などを次々と購入していくセレスト。 その姿は、かつて彼が不思議に思っていた「番に贈り物をしたがる竜人の父親」そのものでした。 愛する者に尽くしたいという竜人の本能を、彼は今、身をもって理解したのです。

一方のユイも、新しい服に袖を通し、心から買い物を楽しみます。 セレストに「楽しいですか?」と聞かれ、「はい たのしです」と笑顔で答える彼女の姿は、見ているこちらも幸せな気持ちにさせてくれます。

セレストの家族――竜人とエルフの物語

買い物を終えて邸宅に戻った後、ユイはセレストに彼の家族について尋ねます。 セレストの父は竜人、母はエルフで、彼には双子の弟がいることが明かされました。 両親は旅好きで、セレストの成人を機に弟たちを連れて旅に出てしまったそうです。

また、彼の二人の弟は、彼とは違う種族のエルフとして生まれてきました。 今は170歳前後で、王都で騎士になっているとのこと。 朝起きるたびに髪を三つ編みにされるなど、やんちゃな弟たちに手を焼かされた思い出を、セレストはどこか懐かしそうに語るのでした。

長い時を生きる者の、密かな不安

ユイが自分の膝の上で安らかに眠るのを見つめながら、セレストの心には一抹の不安がよぎります。 こういうことが どれだけ続けられるのか」。

数年もすれば、ユイは立派な女性に成長します。 しかし、番を判別できない人間である彼女は、将来、自分以外の誰かを好きになるかもしれない。 その時、自分は果たして彼女を繋ぎとめておけるのだろうか。長い時を生きる彼だからこその、切実な悩みが浮き彫りになります。

「ゆっくり成長してくださいね」――願いと覚悟

セレストは眠るユイを優しく抱きしめます。未来への不安を抱えながらも、彼は今の幸せを慈しむことを選びます。「季節ごとに また服を買いに行きましょう」「ゆっくり成長してくださいね」という彼の言葉には、ユイが大人になるまでの時間を、一日でも長く、共に過ごしたいという強い願いが込められていました。

静かに漂う不穏な空気

その頃、山のように買われた服を整理していたのは、メイドのセリーヌとアデライドでした。 セリーヌが「セレスト様はユイ様が可愛くて仕方ないのねえ」と微笑む一方で、娘のアデライドは、無言のまま、どこか険しい表情を浮かべていました。 幸せな一日の終わりに漂い始めた不穏な空気。それは、新たな波乱を予感させるものでした。

まとめ【元戦闘用奴隷ですが、助けてくれた竜人は番だそうです。】第11話を読んだ感想

第11話は、二人の穏やかで幸せな日常が描かれた、非常に心温まる回でした。ただ可愛い服を買ってあげるだけでなく、そこにセレストの「番を愛でたい」という竜人の本能的な喜びが重なることで、彼の愛情の深さがより一層伝わってきました。

また、セレストの家族構成が明かされたのも興味深かったです。竜人とエルフという異なる種族の両親や、やんちゃな双子の弟たちの話は、彼のキャラクターに新たな彩りを加えてくれました。

しかし、その幸せな雰囲気だけで終わらないのがこの物語の魅力です。セレストが抱える「いつかユイが自分から離れてしまうかもしれない」という、長命種ならではのリアルな不安。そして、ラストで映し出されたメイド・アデライドの不穏な表情。幸せな時間の中に、未来への不安と、すぐそばに潜むかもしれない火種が同時に描かれたことで、物語の緊張感が一気に高まりました。この幸せな日常が、どうか壊されないでほしいと願わずにはいられません。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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