【元戦闘用奴隷ですが、助けてくれた竜人は番だそうです。】13話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【元戦闘用奴隷ですが、助けてくれた竜人は番だそうです。】第13話をネタバレありで解説する
ユイのかつての主人が脱走し、不穏な空気が漂い始めた第12話。続く第13話では、その脅威が邸宅の内部からの裏切りによって、最悪の形でユイに襲いかかります。幸せな日常は、一瞬にして悪夢へと変わるのでした。
憎悪が結んだ、裏切りの契約
物語は、セレストの邸宅の庭で対峙する、メイドのアデライドとユイの元主人である獣人のシーンから始まります。 獣人はユイを「奴隷の分際で主人に楯突く」と述べ、再教育が必要だと歪んだ執着を見せました。
その言葉を聞いたアデライドは、ある取引を持ちかけます。ユイを差し出す代わりに、自分と母の安全を誓えるかと。 セレストへの歪んだ恋心とユイへの嫉妬に狂った彼女は、悪魔に魂を売り渡し、ユイを裏切ることを選んだのです。
嵐の前の静けさ、偽りの日常
何も知らないセレストは、警備隊での一件で震えるユイを連れて邸宅に帰還します。 アデライドの母セリーヌは、二人を温かく迎え入れ、いつでも食事ができるよう支度を整えるのでした。
その裏で、アデライドは「勝手口の戸締りは大丈夫?」と母に確認し、自らが侵入を手引きする準備を着々と進めます。 邸宅内には、つかの間の平穏な時間が流れていましたが、その水面下では、取り返しのつかない裏切りが進行していました。
破られた安息、邸宅への侵入
アデライドが手引きしたことで、獣人の主人はやすやすと邸宅内への侵入に成功します。 いち早く異変に気づいたセレストの親友ウィルが駆けつけますが、時すでに遅く、獣人の魔の手はユイにまで及んでしまいました。
獣人はユイを捕らえると、「いくら殴っても無表情だった可愛げのないお前が」「普通の子どもらしくなったじゃないか」と、彼女の変化を嘲笑います。
竜人の弱点――「番がすべて」
獣人は、ただユイを人質にしたわけではありませんでした。彼は、この作戦が絶対的な自信に満ちたものであることを明かします。 「聞いたぞ 貴様 この八番が番なんだってなぁ」。
彼は、正面から竜人と戦う愚かさを理解しており、セレストの最も大切なもの、そして唯一の弱点を突いてきたのです。 そう、「竜人は番がすべて」であるという事実を。
静かなる怒り、絶体絶命の膠着状態
獣人は、ユイの腹に爪を突き立てながら、セレストに命じます。動くな、口を開くな、魔法の詠唱も禁止だと。 少しでも逆らえば、ユイの命はない。絶対的な力を持つはずのセレストが、愛する番を人質に取られたことで、完全に動きを封じられてしまいました。
何もできず、ただ静かに燃えるような怒りの表情を浮かべるセレスト。 この絶体絶命の状況を、彼はどう打破するのでしょうか。
まとめ【元戦闘用奴隷ですが、助けてくれた竜人は番だそうです。】第13話を読んだ感想
第13話は、息つく暇もないほどの緊張感に満ちた回でした。アデライドの裏切りが確定し、彼女の嫉妬心が最悪の形でユイを危険に晒す展開は、読んでいて胸が苦しくなりました。恋は人を盲目にさせるとは言いますが、彼女の行動はあまりにも身勝手で、許しがたいものです。
そして、敵役である獣人の狡猾さが光っていました。彼はただの力任せの悪役ではなく、相手の弱点を的確に突く知恵を持っています。最強の存在であるセレストを、その「愛」ゆえに無力化させてしまうという構図は、非常に巧みで、絶望感を煽られました。
愛する者を守るための絶対的な力が、愛する者を人質に取られることで、最大の足枷になってしまう。この皮肉な状況で、静かな怒りに燃えるセレストの表情が、彼の無念さとユイへの想いの深さを物語っていて、強く印象に残りました。この窮地をどう切り抜けるのか、次回の展開が待ちきれません。
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