【元戦闘用奴隷ですが、助けてくれた竜人は番だそうです。】14話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【元戦闘用奴隷ですが、助けてくれた竜人は番だそうです。】第14話をネタバレありで解説する
ユイを人質に取られ、絶対絶命の窮地に立たされたセレスト。第14話「覚悟」では、か弱い存在だったはずのユイが、愛する人を守るために驚くべき行動に出ます。そして、事件の裏に隠されていた裏切りがついに暴かれることになりました。
「このひとが傷つくのが」――少女の覚悟
獣人の元主人は、ユイの命を盾にセレストを殺害しようと画策していました。 その殺意を向けられるセレストの姿を見て、ユイの心に変化が訪れます。
かつて奴隷だった頃の自分は、殴られても蹴られても、それが普通で涙も出ませんでした。 しかし、今は違います。自分が死ぬことよりも、「このひとが傷つくのが――いや」という強い想い。愛する人を失うことへの恐怖が、彼女の内に眠っていた力を呼び覚まします。 その覚悟が、ユイを突き動かしました。
解放された怒り、竜人の本領
ユイが自力で拘束を振り払った瞬間、呪縛から解き放たれたセレストの怒りが爆発します。「私の番をあんな目に」「この手で同じ目に遭わせてやりたいのを今日まで必死に耐えてきた」という彼の心の叫びと共に、強力な氷の魔法が元主人に襲いかかりました。
普段の穏やかさからは想像もつかない、容赦のない攻撃。番を傷つけられた竜人が見せる、本能的な怒りの恐ろしさが存分に描かれます。
駆けつけた仲間と、安堵の温もり
セレストがとどめを刺そうとした、まさにその時、ウィルたちが駆けつけます。 彼の介入により、セレストは我に返り、すぐにユイを抱きしめて彼女を落ち着かせました。
仲間たちの助けで元主人は無事に捕縛され、セレストは「怖い思いをさせてしまいましたね」「あの男は二度と近寄らせませんから」と、優しくユイに語りかけます。そして、自らが負った傷を治療し、彼女を安心させるのでした。
残された謎と、漂う裏切りの「香り」
事件は解決したかに見えましたが、一つの大きな謎が残ります。いったい、どうやって獣人はこの邸宅の場所を突き止め、侵入することができたのか。ウィルも「竜人の家に侵入するとは命知らずですね」と首を傾げます。
セレストはその答えを求めて、侵入経路である裏口のドアへと向かいました。
静かなる尋問、暴かれる共犯者
ドアノブに手をかけたセレストは、ふと何かの匂いに気づきます。そして、そばにいたメイドのアデライドに、静かに、しかし有無を言わせぬ迫力で問いかけました。
「甘い花の香り……あなたのものですか」
その言葉に、アデライドは血の気の引いた顔で固まります。彼女が獣人の主人と接触した際に移った香りが、セレストに彼女の裏切りを気づかせる決定的な証拠となってしまったのです。
まとめ【元戦闘用奴隷ですが、助けてくれた竜人は番だそうです。】第14話を読んだ感想
第14話は、ユイの目覚ましい成長と、セレストの底知れぬ愛情の深さが描かれた、非常に満足感の高い回でした。これまで守られる一方だったユイが、セレストを守りたい一心で行動を起こしたシーンは、この物語の大きなターニングポイントと言えるでしょう。彼女の「覚悟」に、胸が熱くなりました。
そして、そのユイの行動に応えるかのように、セレストの怒りが爆発するシーンも圧巻でした。彼の内に秘められた、番に対する独占欲と守護欲の激しさ。普段の彼とのギャップが、キャラクターの魅力をより一層引き立てています。
何より、最後の伏線回収が見事でした。事件解決で終わるかと思いきや、残された謎から、共犯者であるアデライドの裏切りを暴き出す流れは、非常にスマートで引き込まれました。セレストの静かな尋問は、どんな大声よりも恐ろしく、次回の「断罪」を予感させる完璧なラストだったと思います。
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