【元戦闘用奴隷ですが、助けてくれた竜人は番だそうです。】15話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【元戦闘用奴隷ですが、助けてくれた竜人は番だそうです。】第15話をネタバレありで解説する
元主人の襲撃とアデライドの裏切りが発覚し、緊迫した状況で幕を閉じた第14話。続く第15話では、視点を変え、ユイの親友であるディシーの壮絶な過去と、二人の絆の原点が描かれます。
事件の余波と、それぞれの胸中
元主人が侵入したセレストの邸宅は、騒然としていました。メイドのセリーヌは、ユイが襲われたことにショックを受けつつも、裏切ったであろう娘を想い、守られているユイに対して複雑な感情を抱きます。
一方、セレストに保護され、馬車で移動するユイは、自らが元主人に立ち向かえたのは「わたしのほうがアデライドさんより強いから」だと、自分に言い聞かせるように考えていました。彼女なりに、目の前で起こった出来事を懸命に受け止めようとしていたのです。
ディシーの過去――引き裂かれた姉弟
物語は、ディシーの過去の回想へと移ります。彼女の村は奴隷商に襲われ、彼女は幼い弟を必死に隠しました。しかし、奴隷商は姉弟を見つけ、ディシーの気性の強さに目をつけます。彼女は「戦闘用」として、そして弟は「換金用」として、無慈悲にも引き裂かれてしまいました。「殺す気で戦え」という言葉と共に、彼女は地獄へと突き落とされたのです。
闘技場で芽生えた、優しさの理由
舞台は、ユイと出会った奴隷闘技場へ。そこでは、生まれた時から戦闘奴隷として育てられた「八番」、つまりユイが、圧倒的な強さで恐れられていました。
ディシーは、ユイとの戦いを前に、ある決意を固めます。「負けたら死ぬかもしれない…でも、私が勝てば――殺さずに済む!」。彼女は、自分が勝つことで、対戦相手であるユイの命を救おうとしていたのです。彼女の優しさと強さの根源が、この過酷な環境の中で育まれたことが明かされます。
「十七番」から「ディシー」へ
戦いの後、ディシーは心を閉ざしたユイに「友達になろ」「私のほうが お姉ちゃんだよね」と、一方的に姉になることを宣言します。そして、自分の名前が「ディシー」であると名乗るのでした。これが、二人の少女の特別な関係が始まった瞬間です。
回想が終わり、現代。ディシーは、前の名前で呼ばれると家族や村のことを思い出して辛くなるため、「ディシー」という名前でユイと生きていきたいと、改めて決意を語るのでした。
二人で、前を向いて生きていく
壮絶な過去を乗り越え、互いを支え合ってきたユイとディシー。ディシーは眠るユイの傍らで、かつて奴隷だった頃に見た夢を思い出します。それは、いつか元気になって、友達と一緒に当たり前の日常を送るという、ささやかな願いでした。
奴隷のままでも、村にいても叶わなかったその夢が、今、ユイと共に勉強するという形で実現している。その喜びに、彼女は「だから嬉しい」と、心からの笑顔を見せるのでした。過酷な運命を共に乗り越えた二人の絆は、これからも彼女たちの未来を強く照らしていくことでしょう。
まとめ【元戦闘用奴隷ですが、助けてくれた竜人は番だそうです。】第15話を読んだ感想
今回は、これまで謎に包まれていたディシーの過去が明かされ、彼女というキャラクターの魅力と、ユイとの絆の深さに改めて感動させられる回でした。弟と引き裂かれ、戦闘奴隷として生きることを強いられた彼女の過去は、想像を絶するほど過酷なものです。
そんな地獄のような場所で、彼女がユイに見せた優しさの理由には、胸を打たれました。自分が勝つことで相手を「殺さずに済む」という発想は、究極の状況で人間性を失わなかった彼女の、気高さと強さの証だと思います。
ユイとセレストの物語が主軸ではありますが、このディシーの物語が加わったことで、作品の世界観とテーマに、より一層の深みが与えられました。辛い過去を抱えながらも、互いを支え合い「前を向いて生きる」ことを選んだ二人の少女。彼女たちの友情に、心からのエールを送りたいです。
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