【問題な王子様】4話ネタバレ完全版

ずっちー

【問題な王子様】4話をネタバレありで解説する

父ウォルター・ハルディ子爵の屋敷の呼び鈴を押したエルナ。しかし、彼女が足を踏み入れたのは、決して安らぎの場所ではありませんでした。第4話では、エルナがハルディ家で直面する冷遇と、父の新たな企み、そしてビョルン王子の周辺の動きが描かれます。

ハルディ家の冷たい歓迎と父の変心

エルナがハルディ家の屋敷を訪れた夜、彼女を出迎えたのは、亡き母アネットに瓜二つの容姿と、場違いなほど野暮ったい服装に驚きを隠せない継母ブレンダ・ハルディでした。父ウォルターは投資詐欺に遭って以来、酒浸りの日々を送っており、娘の突然の訪問にも「説得して帰せばいい」と冷たく言い放つ始末。エルナが必死の思いで訴えた「バーデン家の田舎の邸宅を守ってほしい」という願いも、彼らにとっては「とんでもなくて厚かましい要求」としか聞こえませんでした。

しかし翌朝、事態は一変します。朝食の席で初めて娘の顔をまともに見たウォルターは、エルナの類まれな美貌に気づくのです。「こんなにきれいなのだから、きちんと飾れば、きっとかなりの美人だろう。これなら、国中が大騒ぎして敬っていたグレディス王女と引けを取らないかもしれない」と考えた彼は、まるで大きな財産が転がり込んできたかのように目を輝かせます。破産寸前の彼にとって、美しい娘はまさに金儲けの道具。この瞬間から、エルナを社交界に出し、裕福な相手と結婚させることで利益を得ようという、卑劣な企みが動き始めるのでした。継母ブレンダも、夫の考えに即座に同調します。

ビョルン王子と建国祭の舞踏会

一方、シュベリン大公宮では、ビョルン王子がフィツ夫人から、国王陛下からの命令が下ったと告げられていました。それは、毎年5月に開かれるレチェン建国祭の始まりを告げる王宮舞踏会へ、何があっても必ず出席せよという、半ば脅迫に近い内容でした。王太子の座を退いてから、こうした公式行事への参加を避けてきたビョルンでしたが、今回の強硬な命令の裏には、元妻グレディスの帰還が影響していることは明らかでした。

母親である王妃からも、「気になる淑女はいないのか」とそれとなく結婚を促されるなど、王室全体が彼の将来を案じ、どうにかして彼をまともな道に戻そうとしている様子がうかがえます。しかし、ビョルン自身はそうした周囲の思惑を意に介さず、うんざりした態度を見せるばかりでした。

ハルディ家でのエルナの孤独と新たな出会い

ハルディ家に留まることになったエルナの日々は、決して心穏やかなものではありませんでした。家の雰囲気は重苦しく、継母ブレンダからの視線も冷ややかです。慣れない都会での生活に不安を感じ、気分転換に散歩に出れば、見知らぬ男にしつこく追いかけられるという恐ろしい経験もします。

そんな孤独な日々の中で、エルナの心の支えとなったのは、幼馴染であるパーベル・ロアーの存在でした。彼がシュベリンの王立芸術アカデミーに通っていることを思い出し、もし再会できればと淡い期待を抱きます。そして、エルナ付きのメイドとして若い娘リサがやってきます。にこやかで優しいリサの存在は、エルナにとって数少ない慰めとなりました。

数日が過ぎたある日、エルナは父ウォルターから呼び出されます。エルナの美しさを利用した彼の企みが、いよいよ具体的に動き出そうとしている予感が、彼女の心に重くのしかかります。この呼び出しが、エルナの運命をどのように変えていくのか、物語は新たな展開へと進んでいくのでした。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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