【壊職代行】2話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【壊職代行】第2話をネタバレありで解説する
地獄の底で謎のサービス「壊職代行」と出会った鈴木貴広。第2話では、彼の怒りの覚醒と共に、想像を絶する復讐劇の幕が上がります。最初のターゲットとなる人物の、転落への道のりを詳細に追いましょう。
覚醒する怒り、真実の依頼
物語は、壊職代行人の一人である火室静香が、依頼の確認をする場面から始まります。彼女は「壊職対象は『フマホーム』ですね」と淡々と告げ、不気味な笑みと共に「オススメは『社会的抹殺コース』となっております」と提案します 。
しかし、直前まで死を考えていたとはいえ、鈴木の心はまだ揺れていました。「本気じゃなかったんです!!」と慌てて依頼を取り消そうとします 。会社に損害を与えたのは自分だと思い込んでおり、まだ加害者たちを庇うような態度を見せるのです 。
そんな彼に、静香は一つの録音データを突きつけます 。そこには、社長の間々田と上司の中宮が、鈴木を笑いものにする声が記録されていました 。鈴木がシュレッダーにかけた契約書は、彼を陥れるための
偽物だったのです 。そして、彼を会社に縛り付けたのは、他の社員への見せしめとして「サンドバッグ」にするためでした 。
全ての真実を知った時、鈴木の中で何かが壊れます。優しくお人好しだった青年の心は、燃え盛る怒りに支配されました。「許せない…」という静かな怒りは、やがて魂の叫びへと変わります。 「お願いします…アイツらを…『壊』してください!!」
こうして、彼の真の依頼が受理されたのです。
最初のターゲットと巧妙な「撒き餌」
壊職代行が、ついに開始されます 。記念すべき最初のターゲットは、鈴木から手柄を脅し取った同僚、三木姫華に決まりました 。
パパ活相手との待ち合わせ中、金のことしか考えていない三木 。そこへ、静香がわざとぶつかり、彼女の服に飲み物をこぼしてしまいます 。案の定、三木は待ってましたとばかりに、「クリーニング代」だけでなく法外な「慰謝料」まで要求します 。
すると、静香の仲間であるもう一人の壊職代行人(西園寺と名乗る)が颯爽と登場。彼は「ウチの連れが失礼したな」と言い、謝罪として数万円もの大金をいとも簡単に手渡しました 。予想外の収入に、三木は「ラッキー♪」と大喜び。彼女の心には、「当たり屋行為は楽に稼げる」という、甘く危険な考えが芽生えたのです 。
しかし、これこそが、彼女を地獄へと誘う巧妙な「撒き餌」でした 。
欲望の罠「セレブ婚活サロン」
一度楽して大金を手に入れた三木は、完全に味を占めてしまいます 。そんな彼女の前に、計算されたタイミングで静香が再び姿を現しました 。
静香は、先日大金をくれた男性(西園寺)が超有名ゲーム会社の社長であり、自分の婚約者なのだと嘘をつきます 。そして、彼の心を射止めたきっかけが、セレブ限定の完全招待制婚活サロン「CELCEL MATCH」であると打ち明けました 。
このサロンは、男性会員は年収億単位でないと登録できず、女性も入会金として1000万円が必要だと言います 。しかし、成婚すれば半分の500万円は返金されるため、実質500万円で「セレブ妻」の座が手に入ると、三木の欲望を巧みに煽ります 。さらに、「私より美人な三木さんなら、もっとハイスペックな男性と結婚できる」と囁き、彼女の自尊心をくすぐりました 。
仕上げとばかりに、本人である西園寺も偶然を装って現れ、「君なら申し込み殺到間違いなしさ」と褒めちぎります 。この完璧に仕組まれた罠に、三木は完全に心を奪われてしまいました 。
転落への秒読み、偽りの幸福
一週間後、三木はブランド品などを全て売り払い、必死の思いで1000万円をかき集めてきました 。彼女の目には、もはや疑いの色などありません。
サロンを訪れると、早速「年収5億円」という夢のようなプロフィールの男性から申し込みが殺到していると告げられます 。もちろん、これも全て壊職代行が仕組んだ嘘です。三木は、その中でも一番条件の良いイケメン男性、伊集院を選びました 。
その後は、まるでドラマのようにトントン拍子で話が進みます。出会ってすぐに意気投合し、その日のうちに結ばれ、結婚の約束まで交わします 。
「キター!! セレブ妻ゲットー!!」
偽りの幸福の絶頂で、三木は人生の勝ち組になったと確信するのでした。
鳴り響く破滅の通知
しかし、そんな甘い夢は長くは続きません。 翌朝、隣にいるはずの伊集院の姿はなく、代わりに彼女のスマートフォンには、不気味なほど大量の通知が鳴り響いていました 。
画面に映し出されたのは、見慣れた自身のアカウント名「港区女子_HIME☆」 。
一体、何が起きたのか。幸福の絶頂から一転、破滅の足音だけが静かな部屋に鳴り響くところで、物語は次へと続きます。
まとめ【壊職代行】第2話を読んだ感想
第1話の息が詰まるような展開から一転、第2話でついに反撃の狼煙が上がり、読んでいて胸がすくような思いでした。特に、全ての裏切りを知った鈴木さんが、か弱い被害者の仮面を脱ぎ捨て、怒りを露わにするシーンは本作最初のカタルシスであり、彼の変化に引き込まれました。
そして、壊職代行の手口がとにかく巧妙で、人間の心理を突くやり方であることに驚かされます。腕力や脅しではなく、ターゲット自身の「欲望」を燃料にして自滅へと導くプロセスは、恐ろしくもあり、見事としか言いようがありません。三木さんが、自分の意思で地獄への階段を駆け上がっていく様子は、まさに現代の寓話を見ているようでした。
「撒き餌」から始まり、「婚活サロン」という甘い罠で完全に絡め取る手腕は、もはや芸術の域に達していると感じます。最後の、鳴り止まない通知が彼女の破滅を告げるシーンは、最高の引きですね。幸福の頂点から叩き落とされるであろう次回の展開が、今から気になって仕方がありません。
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