【壊職代行】3話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【壊職代行】第3話をネタバレありで解説する
前回、偽りの幸福の絶頂で不穏な通知に包まれた三木姫華。第3話では、彼女が天国から地獄へと突き落とされる、壮絶な「壊職」の全貌が明らかになります。息つく暇もない、怒涛の展開を追っていきましょう。
炎上するSNSと崩れ始めた現実
物語は、三木が自分のスマートフォンに表示された驚異的な通知の数に気づく場面から始まります。いいねは10万件を超え、自分の投稿がバズっていると知った彼女は、「セレブ婚もできてさらにバズるなんて…私って勝ち組~!!」と有頂天になります 。
しかし、その幸福な勘違いは、一本の電話によって打ち砕かれます。相手は、鬼の形相で怒り狂う社長の間々田でした。「てめえ何してくれてんだ!?」という怒号に、三木は何が起きているのか理解できません 。
社長に促され、改めて自分の投稿を確認した彼女は、ようやく事態を把握します。彼女のアカウントは乗っ取られ、「P活で月100万円稼いでます」「特別にPリストを公開しちゃうね」といった文章と共に、パパ活相手の実名リストまでもが赤裸々に暴露されていたのです 。コメント欄は、「税務署こっちです」「同性として許せない」といった非難の嵐で埋め尽くされ、まさしく大炎上していました 。
それでもなお、三木は現実を直視できません。社長からの詰問に対し、「私にはこれからセレブの未来が待ってるの!!」「あんたみたいな中小企業の社長とは住む世界が違うんだから!」と強気に言い放ち、電話を切ってしまいます 。
消えた婚約者と暴かれた手口
最後の希望である婚約者の伊集院に連絡し、この状況を説明しようとする三木。しかし、彼の電話番号は「現在使われておりません」という無情なアナウンスが流れるだけでした 。頼みの綱だった婚活サロンのサイトも、アクセスすると「404 Not Found」と表示され、ページごと消滅しています 。ここで彼女は、ようやく自分が巧妙な罠にハマった可能性に気づくのです。
その頃、壊職代行人の二人は、今回の計画を振り返っていました。偽の伊集院役を演じた男性は、三木が寝ている間に指紋認証でスマホのロックを解除し、暴露投稿を実行したことを明かします 。それは、あまりにも簡単な仕事でした。さらに、彼らは証拠として、三木との行為を撮影した動画、いわゆる「ハメ撮り」まで抜かりなく確保していたのです 。
止まらない拡散と社会的制裁
静香の「ここからは…私の仕事」という冷徹な一言を合図に、壊職の第二波が始まります 。
三木がアカウントを削除して逃亡を図ることを見越し、暴露系インフルエンサーを使い、彼女の本名、顔写真、勤務先といった個人情報をさらにネット上に拡散させます 。事態はもはや、個人のSNS炎上では済まないレベルにまで発展しました。
外に出れば、ネットの情報を見た野次馬たちに「生HIMEちゃんカワイイ!!」とスマホを向けられ、好奇の目に晒されます 。友人グループのLINEでも、自分の炎上に関するリンクが共有され、社会的な居場所を次々と失っていくのでした 。
とどめの一撃「不法原因給付」
パニック状態のまま自宅へ逃げ帰ろうとする三木の前に、あの婚活サロンの紹介者(静香が変装した姿)が現れます 。三木は、これが最後のチャンスとばかりに「返しなさいよ私の一千万!!」と詰め寄ります 。
しかし、静香は表情一つ変えずに、法律知識という名の刃を突きつけます。「性行為と引き換えにもらったお金は『不法原因給付』って言って返す必要ないん」「パパ活のこと言ってるの?」と、三木の弱みを的確に突き、反論の余地を完全に奪うのです 。
逆上して「訴えてやる!」と叫ぶ三木に、静香は「ご自身が訴えられることを心配したほうがいいんじゃないですか?」と静かに告げます 。その言葉と共に、静香の周りには、複数の女性たちが集まってきました。彼女たちこそ、三木のパパ活相手たちの本物の奥さんたちだったのです 。奥さんたちは、三木に対し、総額で1000万円を超える慰謝料を請求すると宣言します 。
『壊職』完了、そして次なる標的へ
金も、未来も、社会的信用も、全てを失った三木。会社に助けを求めて戻るも、社長からは「会社の評判はガタ落ちだ」「損害賠償を請求するから覚悟しておけ」と、最後の一撃を食らいます 。
その一部始終をビルの屋上から見ていた鈴木の元に、静香から「三木姫華『壊職』完了」の連絡が入ります。三木の哀れな末路に、鈴木は「少しだけ胸がスッとしました」と、小さな達成感を覚えるのでした 。
しかし、静香は冷ややかに告げます。「でもまだ終わりじゃないですよ」と 。
壊職代行の次のターゲットは、あのパワハラ上司、中宮健也。その頃、何も知らない中宮は、三木の騒動を「いい気味だ」と嘲笑い、「俺は賢く…立ち回ってみせる!!!」と、自らの未来を信じて疑いませんでした 。彼の足元で、新たな地獄の釜の蓋が静かに開こうとしていることにも気づかずに。
まとめ【壊職代行】第3話を読んだ感想
第3話は、一人の人間の社会的生命が、いかにして計画的に、そして徹底的に破壊されていくかを描いた、まさに戦慄の展開でした。幸福の絶頂から破滅のどん底まで、三木姫華の感情のジェットコースターを追体験するような感覚で、一気に読み終えてしまいました。
特に印象的だったのは、壊職代行の復讐方法の緻密さと非情さです。単なる暴露に留まらず、法律知識「不法原因給付」を盾に金銭的な要求を封じ、さらには被害者であるはずの「パパ活相手の奥さんたち」をけしかけて慰謝料請求させるという手口には、思わず舌を巻きました。これはもはや、単なる復讐ではなく、ターゲットが二度と立ち直れないようにする完璧な社会的抹殺計画です。
SNS炎上から始まる転落劇は、非常に現代的で、誰にでも起こりうるリアルな恐怖を感じさせます。強気だった三木が、一つずつ逃げ道を塞がれ、プライドをズタズタにされていく様子は、自業自得とはいえ強烈でした。
そして物語のラスト、何も知らずに次の破滅を待つ上司・中宮の姿が映し出されたことで、この容赦ない復讐劇がまだ始まったばかりであることを痛感させられます。このスピード感と、悪を徹底的に追い詰める爽快感が「壊職代行」の最大の魅力だと改めて感じました。次の中宮が、一体どのような方法で「壊職」されるのか、期待が高まります。
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