【壊職代行】4話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【壊職代行】第4話をネタバレありで解説する
三木姫華への壮絶な「壊職」が完了し、物語は次なるターゲット、パワハラ上司の中宮健也へと移ります。第4話では、彼の歪んだプライドと欲望を利用した、新たな地獄の幕が開きます。
拡散するパワハラ音声、失墜する権威
物語は、部下たちを恐怖で支配し、会社の業績を上げたことでご満悦な中宮の姿から始まります。 しかし、彼の栄光は一瞬で崩れ去ります。社内の全従業員に、「超速まとめ速報」と題されたウェブサイトのリンクが一斉にメールで送信されたのです。
そのサイトには、中宮の顔写真と共に、彼が過去に社員へ浴びせた「定時出社とかヌルいこと言ってねーで」「できない言い訳よりやる工夫」といった暴言の数々が、音声データとして公開されていました。
これを知った社長は激怒。「このご時世にコンプライアンスってもんがあるだろうが!!!」と、中宮を殴りつけます。 このパワハラ音声の拡散が原因で、会社は取り付けた契約を全て破棄されるという甚大な被害を受けました。 そして、中宮は社長から「クビだ お前は」と、あまりにもあっけなく解雇を宣告されるのでした。
地獄に現れた女神?謎のヘッドハンティング
一瞬にして職と社会的信用を失い、途方に暮れる中宮。そんな彼の前に、壊職代行人の火室静香が、見知らぬ女性として現れます。彼女は、うつむく中宮に対し「ヘッドハンティングってやつです♡」と、にこやかに声をかけました。
自分がネットで炎上し、世間からどう見られているかを承知の上でのスカウトに、中宮は「正気か?」と疑いの目を向けます。 しかし、静香は完璧な理解者を演じます。「中宮さんは上司としての務めを果たしているだけなのに…」「ロクに仕事もできないくせに被害者ぶる社員だらけで…」と、彼の歪んだ思想を完全に肯定してみせたのです。 中宮は、自分と全く同じ考えを持つ彼女を、運命の相手だと錯覚し始めます。
年収3000万円という甘い罠
静香は、中宮の肥大した自尊心をさらにくすぐります。「ぜひ中宮さんに社員の意識改革をお任せしたいです!!」と持ちかけ、提示した待遇は、なんと「年収三千万円」という破格の条件でした。
社会から見放された自分を、これほどまでに高く評価してくれる存在が現れたことに、中宮は有頂天になります。「神様は見てくれてんだな」と心の底から信じ込み、彼はこの甘すぎる罠に、何の疑いもなく飛びついてしまいました。
新天地の正体は「オレオレ詐欺」グループ
一ヶ月後。中宮は、新たな勤務先「株式会社フォンフロード」へ意気揚々と初出社します。 しかし、彼を待っていたのは、見るからに素行の悪い若者たちでした。
プロジェクトリーダーの鬼塚(壊職代行のメンバー)から、「ナンバー2としてこのボケ共を指導して」と紹介されますが、中宮がいつもの調子で高圧的に接すると、逆に胸ぐらを掴まれ威圧されてしまいます。
そして、彼に渡された一冊の「業務マニュアル」。その中身を見た瞬間、中宮は凍りつきます。そこには「ばあちゃん オレだよオレ」「痴漢の容疑をかけられて…」といった、オレオレ詐欺の生々しいトークスクリプトがびっしりと書かれていたのです。 そう、この会社は、詐欺グループのアジトに偽装された、壊職代行が作り出した舞台なのでした。
自分がしてきたパワハラを、自分が受ける地獄
愕然とする中宮をよそに、若者たちは詐欺の練習を始めます。彼が戸惑っていると、「中宮さーん、仕事舐めてんすか?」と、かつて自分が部下に浴びせていた言葉がブーメランのように返ってきました。
ここでは、中宮こそが「できない社員」。彼は、自分が部下たちに行ってきたのと同じ理不尽なやり方で、「教育」という名のパワハラを受けることになります。 逃げ場のない閉鎖空間でプライドを徹底的にへし折られ、精神的に追い詰められていくのでした。
破滅への最後の誘惑
もはや心身ともに限界を迎え、ボロボロになった中宮。彼は唯一の理解者だと思い込んでいる静香に、泣きながら助けを求めます。「て…てめー 俺をハメやがったな!!」と、か細く抵抗する彼に対し、静香は「私も脅されてて…」と、か弱い被害者を演じます。
そして、絶望する中宮の耳元で、悪魔が囁きました。 「お詫びに…私の身体で償いをさせてください」「こんな環境で苦しんでるあなたを…癒してあげたいの…」 それは、破滅へと誘う、最後の甘い罠。罠だと分かっていながらも、差し伸べられたその手に抗うことができない中宮の、理性が崩壊していくところで、物語は幕を閉じます。
まとめ【壊職代行】第4話を読んだ感想
今回の「壊職代行」は、ターゲットの性格やプライドを徹底的に分析し、最も効果的な方法で地獄へ突き落とす、まさにコンサルティングのような復讐劇でした。前回の三木姫華とは全く異なるアプローチに、壊職代行の引き出しの多さと恐ろしさを改めて感じました。
パワハラ上司・中宮の一番の弱点が「自分は正しいと信じて疑わない、歪んだ自尊心」であることを見抜き、そこを完璧に利用した手口は見事というほかありません。「あなただけが私の理解者だ」と思わせておいて、地獄の底へ突き落とす展開は、悪魔的でありながらも芸術的でさえありました。
そして、何よりも痛快だったのは、彼が自分がしてきたパワハラを、そっくりそのまま自分自身が受けることになる皮肉な状況です。「オレオレ詐欺」という犯罪の片棒を担がされる恐怖と、部下から受ける屈辱的な暴力。彼が味わった絶望は、かつて鈴木さんが味わったものの比ではないでしょう。
最後の静香による「色仕掛け」という予想外の展開には、思わず息をのみました。肉体的な苦痛よりも、精神的にじわじわと嬲り殺しにするスタイルこそが、この作品の真骨頂だと感じます。この甘い誘惑に乗ってしまった中宮が、次にどんな地獄を味わうことになるのか、続きから目が離せません。
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