【壊職代行】7話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【壊職代行】第7話をネタバレありで解説する
前回、静香が仕掛けた「偽のスキャンダル」という罠に、まんまと食いついた社長の間々田。最終話となる第7話では、彼の傲慢な自信が、いかにして奈落の底へと突き落とされるのか、その壮絶な「壊職」のフィナーレが描かれます。
偽りのスキャンダルと社長の油断
静香の偽スキャンダル写真を手に入れた間々田は、勝利を確信します。彼は出社してきた静香に対し、全社員の前でその写真を突きつけ、彼女が動揺する姿を見て「あのクソアマに吠え面かかせてやったぜ!!」と悦に入ります。
そこへ、タイミングを見計らったかのように、静香の祖父を演じる老人(壊職代行の協力者)が来社。「孫を泣かせおって」と間々田を咎めるかと思いきや、一転して「出資者の孫にも臆することなく指導できるとは…なんて立派な経営者だ!!」と彼を絶賛します。この巧みな賞賛によって、間々田は完全に油断し、自分が有能な経営者であると認められたと錯覚してしまいました。
栄光への招待状、その名は「マネーのカブト」
完全に油断した間々田に、祖父役の老人は「お詫び」と称して、ある提案を持ちかけます。それは、著名な事業家や投資家の前でプレゼンを行い出資を募る、人気ネット番組「マネーのカブト」への出演でした 。
会社の汚名を返上し、自身の有能さを世に知らしめる絶好の機会。間々田は、この話が自分を破滅させるための罠であるとは夢にも思わず、二つ返事で出演を快諾します。静香たちの狙いは、まさにこの「勝利を確信した時が、もっとも隙ができる」という人間の心理を突くことでした 。
生放送という名の公開処刑
生放送当日、自信満々でスタジオ入りした間々田を待ち受けていたのは、衝撃の光景でした。なんと、審査員席には偽名を使った静香が座っていたのです 。動揺しつつも、「俺のプレゼンで黙らせてやればいい」と強気な姿勢を崩さない間々田でしたが、彼のプレゼンは「小学校の自由研究ですか?」と一蹴されてしまいます 。
ネットのコメント欄も「クソ漏らしオジサン涙目www」と炎上し、逆上した間々田は、最後の切り札として静香の偽スキャンダル写真を暴露。「AVに出てたクソ売女が」と罵倒します 。しかし、静香は待っていましたとばかりに「クソ漏らしオジのLINEスタンプでも作ったほうがまだ儲かるんじゃな~い?」と余裕の表情で煽り返しました 。
さらに番組は、挑戦者として鈴木率いる「フマホームの現役社員」を登場させます 。間々田の公開処刑は、ここからが本番でした。
元社員たちの魂の告発
鈴木たちがプレゼンしたのは、間々田への痛烈な皮肉を込めた「オフィスビルに導入するパワハラ抑止・防止システム」でした 。その社会的な意義は審査員たちから高く評価され、見事出資が決定します 。
そして、番組には間々田によって人生を狂わされた元社員たちが次々と登場しました。 「『愛人になれ』と執拗に要求された」
「身に覚えのないミスを私のせいにされ、退職させられた」
「『俺に盾突く高橋を潰せ』と命令され、セクハラをでっちあげた」
「接待の席で顔面を燃やされた」
彼の悪逆非道なパワハラ、セクハラ、そして傷害行為の数々が、全国に放送されている生番組の中、涙ながらに告発されていったのです。
集団告訴、そして完全なる破滅へ
全ての悪事が白日の下に晒され、元社員たちは間々田を指さし、力強く宣言します。 「私たちは間々田社長を集団告訴します!!!」
この前代未聞の生放送により、フマホームの株価は暴落し、社会的信用は完全に失墜。会社の破滅は決定的なものとなりました。
全てを失い、亡霊のように夜の街をさまよう間々田。疲れ果てた彼の目の前に、静かに立ちはだかったのは、かつて彼が踏みにじり、見下してきた元社員たちでした。鈴木は、そんな彼に静かに告げます。 「お帰りなさい…本日の主役さん」
それは、本当の裁きが、今まさに始まろうとしていることを告げる合図でした。
まとめ【壊職代行】第7話を読んだ感想
最終話である第7話は、これまでの全ての伏線が見事に回収される、圧巻のフィナーレでした。間々田社長という絶対的な悪を、最も効果的で、最も屈辱的な方法で破滅させる壊職代行の手腕には、最後まで震えさせられっぱなしでした。
特に、人気投資番組をジャックし、そこを公開処刑の舞台にするという発想が、あまりにも大胆で痛快です。自信満々だった社長が、プレゼンを酷評され、ネットで叩かれ、ついには元社員たちから次々と悪事を暴露されていく様は、まさに最高のカタルシスでした。
これまで個別に復讐されてきた被害者たちが最後に一堂に会し、「集団告訴」という形で巨悪に立ち向かう展開は、胸が熱くなりました。それぞれの小さな痛みが、やがて大きな力となって悪を打ち砕く。この物語は、単なる復讐劇ではなく、虐げられた者たちが連帯し、尊厳を取り戻すまでの物語でもあったのだと感じます。
全てを失った間々田が、夜の路地裏で被害者たちと対峙するラストシーンは、強烈な余韻を残しました。法による裁きだけでなく、彼がこれから受けるであろう、人としての「裁き」を想像させられる、見事な幕引きだったと思います。現代社会の闇を鋭く描きながらも、最後には一筋の希望と爽快感を与えてくれる、素晴らしい作品でした。
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