【復讐の王子様】10話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【復讐の王子様】第10話をネタバレありで解説する
第9話で、美馬響(みま ひびき)に「なんでもする」と誓ってしまった柳萌絵(やなぎ もえ)。第10話では、その言葉の代償として、彼女が足を踏み入れることになった本当の地獄と、響が仕掛けた罠の、あまりにも冷酷で完璧な結末が描かれます。
地獄への第一歩
響から告げられた「お願い」は、萌絵の想像を遥かに超える、罪深いものでした。
偽りのIDとキャバクラへの潜入
「あそこで働いてほしいんだ」 。響が指さしたのは、夜の街に佇む一軒のキャバクラ「ペガサス」でした 。彼は、知り合いに女の子を紹介すれば、オーディションのための資金を用意してくれると、さも当然のように説明します 。 響に嫌われたくない一心で、萌絵はこのとんでもない要求を受け入れてしまいます 。そして、未成年である自身の身分を偽るため、あらかじめ盗み出しておいた姉の運転免許証を提示するのでした 。響は「2人だと目立つから」と理由をつけ、萌絵をたった一人で店の中へと送り込みます 。
「萌絵しかいない」という呪いの言葉
それでもなお、恐怖で足がすくむ萌絵。そんな彼女の背中を押したのは、響の最後の囁きでした。彼は萌絵の顔に手を添え、こう告げます。「玲奈を断れば 俺にはもう萌絵しかいないんだ」 。この言葉は、萌絵にとって抵抗できない呪いとなります。「正直めちゃくちゃいやだ でも響を萌絵の物にするには…っ」 。彼女は自らの尊厳を捨て、「わかった 響のために頑張る!!」と、地獄への扉を自らの手で開けてしまうのでした 。
屈辱と我慢の果てに
店に入った萌絵を待っていたのは、当然ながら過酷な現実でした。
客からの卑劣な誘い
席に着くやいなや、下品な中年客に絡まれる萌絵 。客は「アフター付き合ってくれない?」「1回3万でどう?どう?」と、金銭での売春を持ちかけ、彼女の体に触れようとします 。萌絵は心の中で「死ね!!」と叫びながらも、愛想笑いでその場をしのぐしかありません 。
響を想い耐え忍ぶ時間
「もうやだ 何このオヤジ!口くっさ!最悪!!」 。屈辱と嫌悪感で帰りたくて仕方がない萌絵ですが、彼女をその場に縛り付けていたのは、やはり響の存在でした。「でも今やめたら玲奈に響が…」 。その一心で、彼女は必死に耐え続けます。「我慢よ萌絵!響のため 響のため 響と付き合うためなんだから!!!」 。
完璧に仕組まれた「破滅」
しかし、萌絵がそう決意を固めた瞬間、彼女の運命を決定づける出来事が起こります。
警察のガサ入れ
店のドアが勢いよく開かれ、なだれ込んできたのは屈強な男たちでした。「全員動くな」 。彼らの正体は、警察。令状を手に、店内に強制捜査、いわゆる「ガサ入れ」に入ったのです 。
未成年就労の現行犯
店のマネージャーは「うちの店はちゃんと許可取って営業してますよ!」と抗議します 。しかし、刑事は冷たく言い放ちます。「ちゃんと許可?」 。そして、凍りついている萌絵へと視線を移し、こう問い詰めたのです。 「未成年の少女を働かせていることのか?」 。 全ては、響によって完璧に仕組まれた罠でした。彼が望んだのは、萌絵が苦しむことだけではありません。彼女が法を犯し、社会的に抹殺される、その瞬間だったのです。
まとめ【復讐の王子様】10話を読んだ感想
第10話は、響の復讐計画の緻密さと冷酷さが頂点に達した、まさに圧巻の回でした。彼が萌絵に要求したのが、単なる金銭ではなく「キャバクラで働く」という行為そのものであったことに、まず戦慄しました。これは、彼女のプライド、尊厳、そして未来そのものを破壊するための、最も効果的な手段です。
そして、その罠の仕上げとして、警察のガサ入れまで手配していたという事実。響は、萌絵が罪を犯すのを見届けるだけでなく、その罪が公になることまで計算していたのです。この用意周到さには、もはや恐怖すら感じます。彼は、かつて自分たちが受けた理不尽な仕打ちを、何倍にもして、最も効果的な形で相手に返しているのです。
物語の中で、屈辱に耐える萌絵の姿には、ほんの一瞬ですが同情にも似た感情が湧きました 。しかし、それも全ては彼女が過去に行ったことの当然の報い。響の目的は、彼女に自らが犯した罪の重さを、心と体、そして社会的な評価の全てで味わわせることだったのでしょう。
最初のターゲット・萌絵は、こうして心身ともに社会からも完全な破滅を迎えました。これほどまでに完璧で残酷な復讐劇を見せつけられて、次のターゲットは一体どうなってしまうのか。物語は、読者の予想を遥かに超えるダークな領域へと突入し、ますます目が離せなくなりました。
◁前の記事はこちらから

▷次の記事はこちらから
