【復讐の王子様】16話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【復讐の王子様】第16話をネタバレありで解説する
第15話で、自作自演の炎上騒ぎを鎮火させ、千石玲奈(せんごく れいな)の心を完全に射止めた美馬響(みま ひびき)。第16話では、恋に落ちた女王様を、響がさらに深く、甘い地獄へと誘います。彼の復讐計画は、最終段階へと静かに移行していくのです。
甘い罠と一滴の毒
「私も…響が好きだよ…」。玲奈からの愛の告白に対し、響は「じゃあ証明してくれないか」と囁きます。
「君の全部が知りたい」
彼が求めた「証明」。それは、「玲奈の家に連れて行ってくれないか?」という、恋人ならば自然とも思えるお願いでした 。彼は「玲奈の全部を知りたい」と、情熱的な言葉で彼女を誘います 。付き合ってすぐに肉体関係を求めるかのようなその申し出に、玲奈は「私は女優になる女なんだからそんな扱い許さないわよ…!!」と一瞬ためらいます 。しかし、響への想いが、その理性を上回ってしまいました。
用意されたペットボトル
玲奈の部屋で二人きりになった響は、シャワーを浴びて出てきた彼女に、一本のペットボトルのお茶を差し出します 。そして、「水分補給だよ」「この後…脱水症状になったら大変だろ?」と、意味深な言葉を投げかけるのでした 。「私は安い女じゃない けど響は特別よね♡」。そう思った玲奈は、何の疑いもなくそのお茶を飲み干してしまいます 。
眠れる姫と王子の「仕込み」
響の狙いは、玲奈の体ではありませんでした。彼の目的は、彼女の全てを、その手でコントロールすることだったのです。
薬が効いた後の本心
響がシャワーを借りに行くと嘘をつき部屋を出ると、しばらくして玲奈は意識を失い、深い眠りに落ちます。彼女が飲んだお茶には、睡眠薬が仕込まれていたのです 。眠る玲奈を見下ろしながら、響はそれまでの甘い表情から一変、心の底からの嫌悪感を露わにします。「まったく焦ったよ」「あまりの気持ち悪さに吐くかと思った」 。
SNSという名の情報源
響は、眠っている玲奈のスマートフォンを手に取ります。彼にとって、玲奈のSNSは情報の宝庫でした。「お前がなんでもSNSに投稿してくれるから」「計画を立てるのは簡単だったよ」 。女優への夢も、元カレのホストとの写真も、全ては彼女自身が世界に発信した情報。響はそれを巧みに利用して、炎上騒ぎを引き起こしたのです 。そして彼は、玲奈のスマホを使い、次なる復讐の「プレゼント」を仕込み始めます 。
再び燃え上がる炎
響の罠は、玲奈が気づかぬうちに、彼女の日常を再び焼き尽くそうとしていました。
何も知らない翌日
翌日、玲奈は何が起きたかも知らずに目を覚まします。「なんで昨日寝ちゃったの私…」と首を傾げながらも、学校で会った響の優しい態度に、また来週こそはと期待を膨らませるのでした 。
謎の炎上と緊急ライブ配信
しかし、その日の帰り道、彼女のスマホに再び通知が殺到します。そこに並んでいたのは、「本当サイテー」「響のこと裏で騙してたんだ」という、またしても誹謗中傷の嵐でした 。 「は!?なんでまた炎上してんのよ!!」。玲奈がパニックに陥った、まさにその時、彼女のスマホに一件の通知が届きます。 「『響と玲奈のカップルチャンネル』がライブを開始します」 。
まとめ【復讐の王子様】16話を読んだ感想
第16話は、響の復讐の非情さと計画性が、これまでとは一線を画すレベルに達したことを示す、恐ろしい回でした。ターゲットを睡眠薬で眠らせ、そのスマホを遠隔操作して罪をなすりつける。その手口はもはや高校生のいじめへの復讐という範疇を超え、完全な犯罪行為です。彼の心の闇の深さと、目的のためなら手段を一切選ばない冷徹さに、改めて戦慄しました。
玲奈が「私は安い女じゃない」とプライドを保とうとしながらも、響の甘い言葉に結局流されてしまう姿は、恋する乙女の弱さを見事に描いていて、非常に人間臭く感じました。だからこそ、その純粋な(と思い込んでいる)恋心すらも、響にとっては計画の一部でしかないという事実が、より一層の残酷さを際立たせています。
そして、眠る玲奈の傍らで「気持ち悪さに吐くかと思った」と本心を吐露する響のシーンは、彼の復讐が単なるゲームではなく、深い憎悪と嫌悪感に根差したものであることを再認識させられました。
最後の、二度目の炎上のさなかに始まる「緊急ライブ配信」という引きは、まさに悪魔の所業。玲奈が何をしたことにされているのか、そして響がそのライブ配信で何を語るのか。全てが響の掌の上で転がされている状況で、玲奈に逃げ場は一切ありません。公開処刑の第二幕が、今まさに始まろうとしているのです。
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