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【復讐の王子様】2話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【復讐の王子様】第2話をネタバレありで解説する

第1話では、主人公・宇佐美響子が受ける壮絶ないじめと、母親を想うがゆえにその苦しみをひた隠しにする姿が描かれました。第2話では、母への想いを胸に「頑張るんだ」と誓う響子を、さらに底知れぬ悪意が待ち受けます。物語は一気に加速し、読者を絶望の淵へと突き落とす衝撃的な展開を迎えるのです。

母への想いと、いじめに耐える決意

物語は、響子の家庭の背景を深く掘り下げる場面から始まります。

女手一つで育てる母の苦労

響子の父親は、跡取りの男の子を望んでいたため、女の子である響子が生まれたことに失望して家を出ていきました 。「男じゃない!女…それもこんなブス産みやがって!」という父の言葉は、響子の心に深く突き刺さっていることでしょう 。 一方、母は女手一つで響子を育てながら、いつだって明るく優しい存在です 。しかし響子は、そんな母親が父親の家出以来、心労から眠れていないことを知っていました 。この事実は、響子に大きな決意を抱かせます。

「頑張るんだ」という誓い

「成績が良ければいい就職先に」「こんな悲しくて貧しい生活もきっと終わる」 。響子は、自分の努力でこの貧しい生活から抜け出し、母を楽にさせたいと強く願っています。だからこそ、「これ以上お母さんを悲しませたくない 頑張るんだ」 と、どんなに辛いいじめにも耐えることを自分に誓うのでした。

さらなる悪意と、仕組まれた罠

しかし、響子のその健気な決意を嘲笑うかのように、いじめっ子たちの魔の手が再び伸びてきます。

いじめっ子たちの新たな企み

下校途中、響子は千石玲奈たちに「昨日の小テスト満点のお祝い」という名目で呼び止められます 。もちろん、これは真っ赤な嘘でした。彼女たちが響子を連れて行った先には、見知らぬ男子生徒たちが待っていたのです。

外部の男子生徒たち

そこにいたのは、鬼澤光太郎(おにざわ こうたろう)と阿久津知良(あくつ ともよし)と名乗る男たち 。彼らは響子を一瞥するなり、「何してもいい女ってこいつ?」「うわっ!想像以上のドブスじゃねぇか」と、響子を物のように扱い、容姿を侮辱します 。この言葉から、玲奈たちが最初から響子に何をしようとしていたのかが明らかになります。

尊厳を踏みにじる、あまりにも残酷な仕打ち

ここから、物語はあまりにも痛ましい展開を迎えます。

顔を隠されての暴行

響子の容姿を見た鬼澤たちが一度は犯行をためらうと、玲奈は信じられない言葉を口にします。「顔が見えなきゃできるでしょ?。この言葉をきっかけに、響子は顔を隠され、抵抗むなしく暴行されてしまいます 。暗闇の中で響く「いやだたすけて」というか細い悲鳴は、彼女の心と身体がどれほど深く傷つけられたかを物語っていました

いじめの黒幕の登場

この非道な行為の後、玲奈たちはいじめの報告をするために理事長室へ向かいます 。そこで待っていたのは、鴨志田妃菜乃(かもしだ ひなの)という女生徒 。彼女こそが、この学校の理事長の娘であり、一連のいじめを裏で操っていた真の黒幕だったのです

黒幕・妃菜乃の歪んだ思想

妃菜乃の登場により、このいじめが単なる嫌がらせではなく、ある異常な思想に基づいていることが明らかになります。

さらなる「追いうち」の提案

妃菜乃は、響子が心身ともにボロボロになったことを聞いても満足せず、「このまま二度と学校に来ないよう追いうちをかけましょう」と冷酷に言い放ちます 。玲奈が「これ以上やったらバレた時めんどくない?」と少しでもためらいを見せると、妃菜乃は恐ろしい表情で彼女を威圧します 。「不細工にはなんの権利もないのよ」「学校に来ることも視界に入るのさえおこがましい。この言葉は、彼女が持つ常軌を逸した選民思想をはっきりと示しています。

狙われた母の存在

そして妃菜乃は、響子を完全に絶望させるための、最も残酷な計画を立てます。それは、響子の唯一の心の支えである母親を標的にすることでした 。「あの女は母親と2人で貧しい生活をしているのでしょう?」と響子の弱点を的確に突き、「もしその母親からお金を奪ったら…どうなるかしら?」と笑みを浮かべるのです 。 その頃、何も知らない響子の母は、テストで満点をとった娘のために「奮発してお肉を…」とささやかなお祝いの準備をしていました 。このささやかな幸せが、今まさに踏みにじられようとしているのです。ボロボロの姿で家路につく響子の背後に、新たな悲劇の影が静かに忍び寄っていました

まとめ【復讐の王子様】2話を読んだ感想

第1話のラストで感じた胸の痛みは、この第2話を読むための序章に過ぎませんでした。母を想う響子の健気な決意が描かれた直後に、それを根底から叩き潰すような悪意が待ち受けていたことに、ただただ言葉を失います。

特に衝撃的だったのは、黒幕である鴨志田妃菜乃の登場です。「不細工には権利がない」という彼女の思想は、単なるいじめっ子の理屈を超えた、根源的な恐怖を感じさせました。彼女にとって、響子はいじめる対象ですらなく、視界に入ることさえ許されない、存在自体が悪であるかのような扱い。この歪んだ価値観が、物語全体を支配する絶望感をより一層色濃くしています。

そして何よりも許しがたいのは、響子の唯一の心の支えである母親にまで危害を加えようとする計画です。娘のために奮発してお祝いの準備をする母親の愛情と、そのけなげな幸せを奪おうとする妃菜乃たちの悪意の対比は、あまりにも残酷で胸が張り裂けそうでした。

心も体も限界まで追い詰められた響子。彼女の最後の砦である母親との絆まで断ち切られようとしている今、もはや希望の光はどこにも見えません。このどん底の状況から、物語は一体どのように「復讐」へと繋がっていくのでしょうか。今はただ、響子の心が完全に壊れてしまわないことを祈りながら、息を詰めて次の展開を待つしかありません。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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