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【復讐の王子様】20話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【復讐の王子様】第20話をネタバレありで解説する

前回、復讐の王子様・美馬響(みま ひびき)の協力者として、養護教諭の緑原誠也(みどりはら せいや)が姿を現しました。一見、生徒に寄り添う心優しい先生である彼が、なぜ響の恐ろしい復讐計画に加担しているのでしょうか。第20話では、二人の出会いと、絶望の底で結ばれた固い絆の物語が描かれます。

正義を挫かれた教師の「その後」

物語は、緑原先生が黒幕・妃菜乃に脅迫された直後から始まります。

無力感と響子の失踪

愛する娘を人質に取られ、妃菜乃たちのいじめを見て見ぬふりをするしかなくなった緑原先生。 彼は「僕は教師失格だ」と、自らの無力さに苛まれていました 。 それから数ヶ月後、宇佐美響子は学校に姿を見せなくなり、生徒たちの間では「行方不明らしいよ」という噂が流れ始めます

繰り返される家庭訪問

彼女を救えなかった罪悪感と心配から、緑原先生は響子の家を訪れます 。 しかし、インターホン越しに出てきたのは、響子の「従兄妹(いとこ)」を名乗る見知らぬ青年 。 彼は「響子のことは放っておいてください」の一点張りで、緑原先生を追い返してしまいます 。 それでも諦めきれない緑原先生は、その後も一週間にわたって毎日彼女の家を訪ね続けるのでした

偽りの「死」と本物の「絶望」

緑原先生の執念に根負けしたのか、ついに「従兄妹」の青年が姿を現します。しかし、彼の口から語られたのは、あまりにも残酷な言葉でした。

「響子は死にました」という嘘

「響子は…」「響子は死にました」。青年は、冷たくそう言い放ちます 。 突然の訃報に、緑原先生はその場に立ち尽くすことしかできません

教師の慟哭

「嘘だ」。彼は、響子の「死」を受け入れられません。そして、その死の原因が、助けを求められたにもかかわらず、何もできなかった自分にあると確信します。「僕が彼女を殺したんだ…」「任せてって言ったくせに彼女を見捨てた!」。緑原先生は、地面に膝から崩れ落ち、滂沱の涙を流すのでした

絶望の底で結ばれた「契約」

自責の念にかられ、号泣する緑原先生。その姿を、青年は静かに見つめていました。そして、彼の口から、衝撃の真実が明かされます。

「先生だけでしたよ」

「…どうしてあなたが泣くんですか」。青年は、そう問いかけます 。 「こんなの他人事でしょう」「見ない振りをすればそれで終わりです」。他の大人たちがそうであったように、あなたもそうすればよかったのに、と。そして、彼は続けます。「…あの時もそうです」「わざわざいじめから助けるなんて…」「そんなことを言ってくれたのは…先生だけでしたよ」

「私が宇佐美響子です」

青年は、涙に暮れる緑原先生に「…顔をあげてください」と優しく声をかけます 。 そして、ひざまずく彼の目の前で、静かに、しかしはっきりと告げたのです。 「私が宇佐美響子です。 その青年こそ、生まれ変わった響子、現在の美馬響でした。響子の優しさに唯一応えた教師と、その優しさを覚えていた生徒。二人の復讐の契約は、この瞬間に結ばれたのです。

まとめ【復讐の王子様】20話を読んだ感想

第20話は、響と緑原先生の絆の原点が描かれた、非常に感動的なエピソードでした。協力者の正体が明かされた時、その動機は個人的な恨みなど、もっと利己的なものかと思っていましたが、まさかこれほどまでに純粋な善意と、深い罪悪感からくるものだったとは、想像を超えていました。

特に、響子の「死」を知らされた緑原先生が、自分のせいだと泣き崩れるシーンには、胸を締め付けられました。彼がどれほど生徒を想い、そして自分の無力さを悔いていたかが痛いほど伝わってきて、思わず涙腺が緩んでしまいます。彼は決して「教師失格」などではなく、誰よりも教師らしい心を持った人物だったのです。

そして、そんな緑原先生の真心を見極めた上で、響が正体を明かすラストシーン。響子にとって、緑原先生は、絶望の中で出会った唯一の「信じられる大人」だったのでしょう。この二人の間には、単なる「協力関係」という言葉では表せない、固い信頼関係があるのだと感じました。

一人の生徒を救えなかった絶望を抱える教師と、全てを奪われ復讐の鬼と化した生徒。二つの悲劇が交差した時、最強のタッグが誕生した。この胸の熱くなるような展開に、今後の復讐劇への期待がさらに高まりました。彼らの正義が、そして復讐が、どのような結末を迎えるのか、最後まで見届けたいと強く思わされる、素晴らしい一話でした。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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