【復讐の王子様】23話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【復讐の王子様】第23話をネタバレありで解説する
前回、バスケ部の絶対的エースである鬼澤(おにざわ)に、入部をかけた1on1の勝負を挑まれた美馬響(みま ひびき)。バスケ未経験のはずの彼が、この絶望的な状況をどう切り抜けるのでしょうか。第23話では、プライドをかけた男たちの、熱く、そして卑劣な戦いの火蓋が切って落とされます。
入部をかけた1on1
響が鬼澤の挑戦を受けたことで、体育館の空気は一気に緊迫します。
絶対的不利な勝負
勝負のルールは10点先取。しかし、響は1点でも取れば勝ちという、ハンデが与えられました 。それでも、周りの部員たちは「どう見てもあの新人に勝ち目ないだろ」と、響の敗北を確信していました 。鬼澤もまた、「勝ち目がないどころか大恥かかせてやるよ」と、響を完膚なきまでに叩き潰す気で満々です 。
卑劣なラフプレー
マネージャーの水川が心配する中、響は「大丈夫だよ」「むしろいい機会だしね」と不敵な笑みを浮かべます 。試合が始まると、鬼澤は宣言通り、卑劣なプレーに徹します。彼は、故意に肘を響の顔面に入れると、「いてぇだろ」「顔が歪んでるぞ ド素人!」と、彼を激しく挑発するのでした 。その目的は、もはやバスケの勝敗ではなく、響の美しい顔を傷つけ、辱めることにあるようでした 。
王子の「才能」
鬼澤の執拗なラフプレーに、響は防戦一方。しかし、全ては彼の計算の内でした。
一瞬の隙をついた逆転劇
鬼澤に突き飛ばされ、派手に転倒する響 。誰もが勝負あったと思ったその瞬間、響は驚異的なスピードで体勢を立て直し、ボールを奪い返します。そして、ノーマークになった彼が放ったボールは、美しい放物線を描き、スリーポイントラインの外からゴールネットを揺らしました 。
「俺の才能、どうだった?」
体育館は、一瞬の静寂に包まれます。たった1点。しかし、それはエースである鬼澤からの、あまりにも鮮やかすぎる1点でした。部員たちが「あの鬼澤に…勝った…!?」と呆然とする中、響は床に座り込む鬼澤を見下ろし、冷ややかに、そして決定的な一言を放ちます 。 「それで―――どうだった? 俺の才能」 。 それは、彼のバスケの才能を問う言葉であると同時に、自分を侮った鬼澤のプライドを、根底から打ち砕く言葉でした。
屈辱と新たな憎悪
この劇的な勝利は、二人の立場を、そして部内の空気を一変させます。
ヒーローの誕生と敗者の怒り
部員たちは、「響くんおめでとう!!」「すげぇな お前!3Pとか!」と、新たなヒーローの誕生に熱狂します 。その輪の中心で、響は「あはは たまたまだよ」と、あくまで謙虚な姿勢を崩しません 。一方、敗者となった鬼澤は、屈辱に顔を歪ませ、鼻血を流しながらその光景を睨みつけていました 。
「ただじゃ済まさねぇ」
響は、憎しみに燃える鬼澤の姿を、冷たい目で見つめます。「屈辱だろう お前の得意なバスケで…」「それも大衆の前で、初心者に返り討ちにされたんだから」と、心の中で嘲笑うのでした 。響の狙い通り、鬼澤の心には、響への強烈な憎悪の炎が灯ります。「あの野郎 俺に恥かかせやがって…」「ただじゃ済まさねぇ」 。復讐の次なるステップへの、完璧な布石が打たれた瞬間でした。
まとめ【復讐の王子様】23話を読んだ感想
第23話は、これまでの頭脳戦・心理戦とは一味違う、スポーツ漫画のような熱さと爽快感に満ちた、最高にカタルシスのある回でした。鬼澤の卑劣なラフプレーの数々に読者の怒りが募ったところで、それをたった一撃の、最も美しいスリーポイントシュートで覆す。この展開には、思わずガッツポーズをしてしまいました。
そして、勝利した後の響のセリフ、「どうだった?俺の才能」。これほどまでにクールで、相手の心をえぐる一言があるでしょうか。彼は、鬼澤が得意とするバスケという土俵の上で、彼のプライドを完膚なきまでに粉砕したのです。これは、ただの勝利ではありません。魂のレベルでの、完全なマウンティングです。
しかし、物語はここで終わりません。響の狙いは、鬼澤を打ち負かすことではなく、彼に「恥をかかせ」、さらなる憎悪を抱かせることでした。ラストの鬼澤の表情は、まさに復讐の第二幕が始まることを告げています。一度プライドを砕かれた鬼澤が、次にどのような卑劣な手で響に襲い掛かるのか。そして、響がそれをどう迎え撃つのか。新たな火種が生まれたことで、今後の展開からますます目が離せなくなりました。
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