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【復讐の王子様】25話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【復讐の王子様】第25話をネタバレありで解説する

前回、女子マネージャー・水川綾音(みずかわ あやね)が、鬼澤(おにざわ)と阿久津(あくつ)によって部室に閉じ込められ、暴行を受けていることを察知した美馬響(みま ひびき)。第25話では、響の機転の利いた救出劇と、それによって明らかになる、綾音が抱えるもう一つの、さらに深刻な地獄が描かれます。

王子様の「救出作戦」

部室の扉の向こうで繰り広げられる惨劇。響は、力ずくではなく、頭脳でその状況を打破しようと試みます。

密室の脅迫と火災報知器の嘘

響が扉を叩くと、中の鬼澤たちは一度動きを止めます。そして、綾音に対し、響を誘き出して動画を撮影するよう脅迫しながら、彼女を扉の外へと向かわせました。一方、響は綾音を助け出すため、「それが間違えて火災報知器のボタン押しちゃって」「止め方知ってたら教えてくれない?」と、とっさの嘘で鬼澤たちの警戒を解き、綾音を外へとおびき出すことに成功します。

救いの手と「いつでも助ける」という約束

なんとか部室から出られた綾音。響は、彼女のシャツのボタンがなくなっていることに気づくと、何も言わずに自分の上着を彼女の肩にかけます。その優しさに、綾音はただ戸惑うばかり。さらに響は、「連絡先交換しておきたくて」と彼女のスマホを借りると、「困ったことがあったら連絡して」「いつでも助けるから」と、救いの言葉を投げかけるのでした。

明らかになる「もう一つの地獄」

響の優しさに触れた綾音ですが、彼女の心は晴れません。鬼澤たちから受けた「任務」を果たせなかった彼女の心は、恐怖で支配されていました。

失敗した「任務」と絶望

響が去った後、綾音はその場にへたり込みます。「どうしよう…誘わなきゃ」。鬼澤の命令を果たせなかったことで、次に何をされるかわからない。その恐怖に、彼女は打ちひしがれていました。

体に起きていた異変

その時、綾音を強いめまいが襲います。彼女は、最近めまいが頻発していること、そして、「あの日から生理も来てないのが気になる…」と、自らの体の異変に気づき始めるのです。

妊娠検査薬

嫌な予感が、彼女の脳裏をよぎります。「…違う」「そんなわけない…」。必死にその可能性を打ち消そうとしますが、彼女の足は、無意識のうちに薬局へと向かっていました。そして、手に取ったのは、「妊娠検査薬」。これまでも生理が遅れることはあった、きっと今回も大丈夫。そう自分に言い聞かせながらも、彼女の表情は絶望に染まっていました。物語は、彼女が想像しうる限り最悪の可能性に直面したところで、幕を閉じます。

まとめ【復讐の王子様】25話を読んだ感想

第25話は、息をのむような緊張感と、読者の心をえぐるような衝撃的なラストで、物語を新たな次元へと引き上げました。響が火災報知器の嘘で綾音を救出するシーンは、彼の冷静さと機転の良さが光る、見事なものでした。彼の優しさが、結果的に綾音をさらなる窮地へと追い込む皮肉な展開も、この物語の容赦のなさを象 示しているようです。

しかし、この回の本当の恐ろしさは、ラストで示唆された綾音の「妊娠」の可能性です。彼女が鬼澤たちから受けていた仕打ちは、単なるいじめや暴力ではなかった。それは、継続的な性的暴行であったことが、この一コマで読者に突きつけられます。この事実は、鬼澤たちへの怒りを、これまでのどのターゲットに対するものよりも、遥かに強いものにしました。

そしてこの展開は、主人公である響の復讐劇そのものにも、大きな影響を与えるでしょう。彼の目的は、あくまで「自分の」復讐でした。しかし、目の前には、今まさに地獄の苦しみを味わっている、新たな被害者がいます。彼は、この罪深き現実を見て見ぬふりをし、自らの計画を遂行するのか。それとも、復讐の鬼であると同時に、彼女を救う「王子様」となるのか。

物語は、単純な勧善懲悪では語れない、より複雑で、より深いテーマへと踏み込みました。響の人間性が試される、次なる展開から目が離せません。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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