復讐モノ

【復讐の王子様】27話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【復讐の王子様】第27話をネタバレありで解説する

前回、鬼澤(おにざわ)の非道な仕打ちによって心身ともに限界を迎え、遺書を書き始めたマネージャーの綾音(あやね)。第27話は、彼女が自ら命を絶とうとする、痛ましくも悲しいシーンから幕を開けます。そして、その絶望の淵に、一人の救い主が現れるのです。

歩道橋の上、最後の言葉

全てを失い、未来への希望を絶たれた綾音。彼女が最後に向かった場所は、夜の歩道橋の上でした。

家族への遺書

「お父さん お母さんへ 今まで私を育ててくれてありがとう」。 綾音は、スマートフォンに家族への最後の言葉を綴ります。 毎日が怖くて眠れなかったこと、誰にも助けてもらえなかったこと、その苦しみを吐露し、「最後は悲しませてごめんなさい」と、家族への謝罪で締めくくります。

「もう楽になりたい」

「なんで私なの?」 、「私が何かした?」。 いくら考えても答えの出ない問いに、彼女の心は完全にすり減っていました。 「もう楽になりたい」。 そう呟くと、彼女は欄干の外へと足を踏み出します。

絶望の淵に現れた「王子様」

綾音が、その身を投げ出そうとした、まさにその瞬間。一人の青年が、彼女の腕を強く掴みました。

「死ぬな!」という叫び

「死ぬな!」。 叫び声と共に綾音を引き留めたのは、他ならぬ美馬響(みま ひびき)でした。 突然の出来事に、「お願いだからほっといてよ…!」と抵抗する綾音。 しかし、響は彼女の腕を離しません。

全てを知る男

そして、響は衝撃の事実を口にします。「鬼澤たちに脅されてるんだろ?」。 なぜ彼がそのことを知っているのか、綾音は言葉を失います。響は続けます。「…君が死にたくなる気持ちはよくわかる」「それでも死んだら負けだ…っ」「君だって本当は死にたくな んかないんだろ?」。

救いの手

響の言葉は、固く閉ざされていた綾音の心の扉を、激しく揺さぶります。

溢れ出した本心

「わかったようなこと言わないでよ…」。 一度は反発した綾音でしたが、響の真摯な瞳に、ついに堪えきれなくなります。「…私だって……本当は……」「本当は死にたくないよ!!!!」。 彼女は、その場に崩れ落ち、子供のように泣きじゃくりながら、本心を吐き出しました。

「俺が助けるよ」

「でもこれ以上どうしたらいいかわからないの!」「誰も助けてなんかくれないし」。 そう言って絶望する綾音の言葉を遮るように、響は、力強く、そして優しく宣言します。 「助ける」。 俺が助けるよ」。 それは、かつて自分自身が誰かに言ってもらいたかったであろう、救いの言葉でした。

まとめ【復讐の王子様】27話を読んだ感想

第27話は、これまでの復讐劇とは一線を画す、非常にエモーショナルで、心を打つ回でした。綾音が歩道橋の上で遺書を書くシーンは、彼女の絶望が痛いほど伝わってきて、読んでいて涙を禁じえませんでした。

そんな彼女の元に、まさに白馬の王子様のように現れた響。彼の「死ぬな!」という叫びと、「俺が助けるよ」という約束は、本作屈指の名シーンだと思います。かつて、誰にも助けてもらえず、絶望の末に一度「死」を選んだ彼だからこそ、その言葉には何よりも強い説得力と重みがありました。

この出来事は、響のキャラクターに大きな変化をもたらしたと言えるでしょう。これまでの彼の行動は、あくまで「自分のため」の復讐でした。しかし、今回、彼は自らの意思で、他者を救う「ヒーロー」となることを選びました。彼の心の中に、ただの復讐心だけでなく、かつての自分と同じような弱者を守りたいという、新たな正義感が芽生えた瞬間だったのかもしれません。

絶望の淵で出会った、傷ついた少女と復讐の王子様。二人の間に生まれたこの新たな関係が、今後の物語にどのような影響を与えていくのか。そして、「助ける」と約束した響は、人の心を持たない鬼澤たちに対し、どのような裁きを下すのか。復讐劇は、新たな共犯者を迎え、より複雑で、より苛烈なステージへと進んでいきます。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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