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【復讐の王子様】28話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【復讐の王子様】第28話をネタバレありで解説する

前回、自ら命を絶とうとしていた綾音を、間一髪のところで救い出した響。第28話では、絶望の淵に立つ綾音を、響が巧みな言葉で導き、復讐の「協力者」として迎え入れるまでが描かれます。二つの傷ついた魂が、今、一つの目的のために結びつきます。

嘘と共感で結ばれる「共犯関係」

「俺が助けるよ」。響の力強い言葉に、綾音は救いを求めます。しかし、見返りを求めないその優しさに、彼女は「なんで…私のためにそこまでしてくれるの?」と疑問を抱きます

死んだ「友人」という作り話

響は、綾音の信頼を完全に得るため、一つの嘘をつきます。彼には、鬼澤たちの被害に遭い、命を落とした「友人」がいる、と 。そして、その友人のために復讐するべく、バスケ部に入ったのだと打ち明けました 。もちろん、その「友人」とは、かつての自分、宇佐美響子のこと。しかし、綾音はその嘘に気づくはずもありません。自分と同じような境遇の被害者がいたこと、そして響がその無念を晴らそうとしていることを知り、彼女は響に強い共感を覚えるのでした。

GPSアプリと固い決意

さらに響は、綾音を救い出せた理由を明かします。あの日、連絡先を交換した際に、彼女のスマホにGPSアプリを無断でインストールしていたのです 。彼は、嫌な予感がして彼女の家に向かったことで、間一髪、彼女を死の淵から救えたのだと説明します 。そして、「もう二度とあいつらに傷つけさせない」「俺が必ず守る」と、力強く宣言し、「だから俺に力を貸してほしい」と、協力を求めるのでした

復讐の協力者、綾音

響の言葉は、綾音の心を大きく動かします。

恐怖を乗り越えた決意

鬼澤たちへの恐怖から、一度は協力にためらいを見せる綾音 。しかし、響に守ると約束されたこと、そして何より、自らの手で殺されたお腹の子への想いが、彼女に恐怖を乗り越える勇気を与えました。「私もあいつらに復讐したい…!」、「あんな奴ら許したくない」 。そう叫んだ彼女は、「私にできることならなんでも言って!」と、響の協力者となることを固く決意したのです

提供される標的の情報

響は、早速「あいつらについて知っていることを教えてほしい」と、情報の提供を求めます 。これに対し、綾音は次のターゲットである阿久津(あくつ)に関する、重要な情報を二つ提供しました。一つは、彼が毎週金曜日に、何か大事な用事があるためか、すぐに帰宅するということ 。そしてもう一つは…。

ターゲット・阿久津の謎

綾音の口から語られた、もう一つの事実は、響にとっても意外なものでした。

襲ってこなかった男

「…あとそういえば私」「阿久津に襲われたことは一度もないんだよね」 。鬼澤は何度も綾音に暴行を加えていましたが、その共犯者であるはずの阿久津は、一度も彼女に手を出していなかったのです。この事実は、阿久津という男が、ただの暴力的な쾌楽犯ではない、別の側面を持っている可能性を示唆します。彼の弱点、そして本当の顔とは一体何なのでしょうか。

まとめ【復讐の王子様】28話を読んだ感想

第28話は、響と綾音という、新たな協力関係が生まれる、物語の転換点となる重要な回でした。響が綾音の信頼を得るために「死んだ友人」という嘘をつくシーンは、彼の復讐者としての冷徹さと、目的のためなら手段を選ばない覚悟を改めて感じさせます。しかし、その嘘が結果的に綾音に生きる希望を与えたというのも、皮肉な真実です。

そして、綾音が恐怖を乗り越え、復讐を決意するシーンには胸が熱くなりました。彼女はもう、ただの無力な被害者ではありません。自らの意志で、悪に立ち向かうことを選んだ、強い女性です。彼女が提供する内部情報が、今後の復讐計画の鍵となることは間違いないでしょう。

特に興味深かったのは、阿久津に関する新たな情報です。彼が綾音に手を出さなかったという事実は、彼が鬼澤とは異なるタイプの人間であることを示唆しており、一筋縄ではいかないターゲットであることを予感させます。彼の「金曜日の秘密」とは何なのか。謎が深まることで、次の復讐劇への期待感が一層高まりました。悲劇から生まれた共犯関係が、これからどのような化学反応を起こしていくのか、楽しみでなりません。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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