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【復讐の王子様】3話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【復讐の王子様】第3話をネタバレありで解説する

第2話で心身ともに限界まで追い詰められた主人公・宇佐美響子。第3話では、彼女の唯一の心の支えであった母との関係に、取り返しのつかない亀裂が生じます。そして物語は、息もつかせぬ展開で、響子を本当の絶望の淵へと突き落とし、やがて衝撃の結末を迎えるのです。

限界を迎えた心の叫び

ボロボロの姿で家にたどり着いた響子を、母の和子が出迎えます。しかし、限界を迎えていた響子の心は、母の優しささえも受け止めることができませんでした。

母にぶつけてしまった八つ当たり

響子のただならぬ様子に、母は「何があったの…?」「嘘!酷いことされたんでしょ?」と必死に問い詰めます 。その言葉に、抑えつけていた響子の感情がついに爆発してしまうのです。「なんでこんな目にあわなきゃいけないの…?」「私がブサイクだから?」 。彼女の瞳からは、大粒の涙がとめどなく溢れ出ていました。

「全部お母さんのせいだ!!!!」

そして、追い詰められた響子は、決して言ってはならない言葉を母にぶつけてしまいます。 「…お母さんがもっと美人だったらよかったのに全部お母さんのせいだ!!!! この容姿に生まれたせいで、辛い目に遭っている。そのやり場のない怒りが、一番大好きで、悲しませたくなかったはずの母親へと向かってしまったのです。

取り返しのつかない悲劇

我に返り、「私最低だ…」と罪悪感に苛まれた響子は、家を飛び出してしまいます 。しかし、この行動がさらなる悲劇の引き金となるのでした。

後悔と母の追跡

響子を必死で追いかける母 。その行く手に、第2話でいじめの黒幕・妃菜乃が差し向けた男たちが現れます。彼らの目的は、妃菜乃の指示通り、響子の母から金を奪うことでした。男たちは母を羽交い締めにし、財布を奪おうとします

奪われた財布と母の転落

母が持っていた財布は、響子がプレゼントしてくれた、何よりも大切な物でした 。彼女は「離して!!!」と必死に抵抗しますが、もみ合いの末、男に突き飛ばされて階段から転落してしまいます 。そして、その一部始終を、家を飛び出した響子が目撃してしまったのです。「お母さんっ!!!!」という響子の悲鳴が、夜の住宅街に虚しく響き渡りました

絶望の淵で下した決断と、予期せぬ結末

緊急搬送された病院で、響子はあまりにも過酷な現実を突きつけられます。

母の絶望的な容態

医師から告げられたのは、「お母さんは意識が戻る可能性が限りなく低い状態です」という非情な宣告でした 。さらに、「奇跡でも起こらない限り回復の見込みは…」という言葉が、響子から最後の希望さえも奪い去ります 。唯一の心の支えであった母を、自らの八つ当たりがきっかけで失ってしまった。その事実に、響子は完全に打ちのめされることになります。

「もう一度人生をやり直したい」

全てを失った響子は、自ら命を絶つことを選びます 。浴槽にゆっくりと身を沈めながら、彼女の脳裏には、もしもの人生が浮かんでいました。「…女として生きるのがこんなに辛いなら 次の人生は男がいい。そうすれば、いじめられることもなく、父とも一緒に楽しく暮らせたかもしれない

新たな願い「とびきりのイケメンに」

しかし、その願いも「…あぁでもブサイクだったら結局いじめられるか」という考えに打ち消されます 。そして、薄れゆく意識の中で、彼女の願いはより強く、具体的な形を結びます。 「だったら…今度はとびきりのイケメンになりたいな… この最後の願いと共に、響子の意識は闇に沈んでいきました。

しかし、物語はここで終わりません。次に場面が切り替わると、同じ浴槽に、見知らぬ青年が座っています。そして彼は、まるで信じられないとでも言うように、こう呟くのです。 「あれ…生きてる…? 響子の身に一体何が起きたのでしょうか。彼女の最後の願いは、私たちの想像を絶する形で、本当に叶ってしまったのでしょうか。

まとめ【復讐の王子様】3話を読んだ感想

第2話のラストで感じた絶望感は、この第3話でいとも簡単に打ち砕かれました。これ以上の悲劇があるのかと思っていた矢先、物語は読者の心を抉るような、あまりにも救いのない展開を見せつけます。響子が母親に心ない言葉をぶつけてしまうシーン、そしてそれが最悪の悲劇に繋がってしまう流れは、読んでいて本当に胸が苦しくなりました。

唯一の希望だった母親の回復が見込めないと知った響子が、自ら死を選ぶまでの流れは、涙なしには読めませんでした。彼女の人生は、ただ容姿が「普通」でなかったというだけで、ここまで踏みにじられなければならなかったのかと、物語の世界だと分かっていても強い憤りを感じます。

そして、絶望のまま終わるかと思われたその時、最後の1ページで物語は根底から覆されました。「とびきりのイケメンになりたい」という彼女の最後の願いが、まさかこんな形で叶うとは誰が想像できたでしょうか。浴槽で目覚めた見知らぬイケメンと、「生きてる…?」という呟き 。この超常的な展開に、鳥肌が立ちました。

この衝撃のラストによって、物語はリアルな悲劇から、壮大なファンタジー復讐劇へと大きく舵を切ったのだと確信しました。理不尽に全てを奪われた一人の少女の魂が、望んだ通りの「イケメン」の肉体を得て、これから何をするのか。悲しみと怒りを超えた、新しい次元の興奮と期待感に包まれる、まさに「神回」と呼ぶにふさわしい一話でした。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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