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【復讐の王子様】30話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【復讐の王子様】第30話をネタバレありで解説する

前回、阿久津(あくつ)の「鬼澤(おにざわ)を抱きたい」という、あまりにも切実で歪んだ願いを「叶えてやる」と約束した、復讐の王子様・美馬響(みま ひびき)。第30話では、その悪魔の約束が、恐ろしくも完璧な形で実行に移されます。

標的の「不調」

物語は、バスケ部の練習風景から始まります。

募る苛立ちと焦り

鬼澤は、前日のナンパが失敗に終わったことや、奴隷のように扱っていたマネージャーの綾音が学校を休んでいることに、酷く苛立っていました。 加えて、自分を打ち負かした響も練習を休んでいると知り、そのイライラは募る一方でした。

練習中に訪れた異変

「ストレス発散にそろそろ遊んでやるか」と、鬼澤は練習試合で、鬱憤を晴らすかのように荒々しいプレーを始めます。 しかし、その最中、彼の体に異変が起きます。 突然のめまいに襲われ、足元がおぼつかなくなったのです。 「おかしい なんか調子が悪い…」と呟く彼。脱水症状を疑いますが、直前に水を飲んだばかりでした。

保健室という名の「舞台」

立っていることもままならなくなった鬼澤は、心配した阿久津に肩を担がれ、保健室へと運ばれます。

仕組まれた二人きりの空間

しかし、保健室には誰もおらず、静まり返っていました。 阿久津が鬼澤をベッドに寝かせると、鬼澤はすぐに意識を失ってしまいます。 阿久津が呼びかけても、軽く頬を叩いても、彼は目を覚ましませんでした。

「お前を抱ける時が来た」

静まり返った保健室で、二人きり。そして、愛してやまない鬼澤は、無防備な姿を晒している。この状況は、阿久津の心の奥底に眠っていた、抑えきれない欲望を呼び覚ましました。「やっと…2人っきりになれたな」。そう呟いた彼の目は、もはや親友に向けるものではありませんでした。「まさかこんな日が来るなんて夢みたいだよ」「…やっとお前を抱ける時が来た」。

悪魔の撮影会

阿久津は、長年秘めてきた想いを遂げるべく、眠る鬼澤にその身を重ねます。

叶えられた「願い」

彼が鬼澤の体に触れ、その願いを叶えようとした、まさにその時。阿久津は、自分たちの姿が、何者かによって撮影されていることに気づきません。

全てを記録するカメラ

無人の保健室に、無機質に光るスマートフォンのカメラ。それは、この禁断の行為の一部始終を、静かに、そして確実に記録していました。 響は、阿久津の願いを、最悪の形で「叶えて」しまったのです。

まとめ【復讐の王子様】30話を読んだ感想

第30話は、響の復讐計画の、新たな段階の幕開けを感じさせる、非常に狡猾で、そして背筋が凍るような回でした。彼の狙いが、ターゲットを直接的に貶めるだけでなく、ターゲット同士を食い合わせ、共倒れさせるという、あまりにも高度な心理戦であったことに、ただただ驚かされます。

鬼澤に薬を盛って無力化し、阿久津の歪んだ恋心を利用して、彼に罪を犯させる。そしてその決定的な瞬間を映像に収める。この一連の流れは、もはや復讐というよりも、人間心理を完璧に掌握した悪魔のシナリオです。響の頭脳のキレと、その底知れぬ悪意には、もはや感嘆すら覚えます。

そして、哀れなのは阿久津です。彼の鬼澤への想いは、歪んではいるものの、本人にとっては純粋な「恋」でした。その純粋な想いを利用され、人生を破滅させるであろう過ちを犯してしまう。その悲劇性には、同情を禁じえません。

響が仕掛けた、この恐るべき「ハニートラップ」。撮影された動画は、これからどのように使われるのでしょうか。そして、この動画によって、鬼澤と阿久津の関係は、そして彼らの人生は、どのように破壊されていくのでしょうか。これ以上ないほどの、最悪で、最高な展開に、次号への期待が止まりません。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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