【復讐の王子様】32話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【復讐の王子様】第32話をネタバレありで解説する
前回、美馬響(みま ひびき)が仕掛けた罠により、親友である鬼澤(おにざわ)に対して、決して許されない過ちを犯してしまった阿久津(あくつ)。そして、その一部始終は、響のスマートフォンに記録されていました。第32話では、その「証拠」が鬼澤の元へと届けられ、二人の友情が、憎悪と暴力によって完全に崩壊する様が描かれます。
幸福な朝と突然の襲撃
物語は、阿久津の幸福な朝から始まります。
「最高のー日」の終わり
「昨日は最高の一日だったな」。長年の想いが(一方的に)成就したと信じ込んでいる阿久津は、幸福感に浸りながら登校していました。そこに、鬼澤の姿を見つけ、彼は無邪気に「はよ〜鬼澤」と声をかけます。
「あの動画はなんだ!?」
しかし、阿久津を待っていたのは、親友の笑顔ではありませんでした。鬼澤は、阿久津を見つけるや否や、怒りの形相で彼に襲い掛かります。そして、馬乗りになって彼の首を締め上げ、「とぼけるんじゃねぇ!」「あの動画はなんだ!?」と、説明を求めるのでした。
友情の完全崩壊
何が起きているのか理解できない阿久津に、鬼澤はスマートフォンの画面を突きつけます。
動かぬ証拠
そこに映っていたのは、昨日の保健室での、阿久津が意識のない鬼澤にまたがる、あの禁断の映像でした。「なんで昨日のアレが撮られてんだよ!!」。自分の秘密の行為が記録されていたことに、阿久津は激しく動揺します。
沈黙という名の「自白」
「この動画は作り物だよな?」「まさか本当なんて言わねぇよな?」。鬼澤は、必死にそう問いかけ、信じたくない現実を否定しようとします。しかし、恐怖と罪悪感で何も言えなくなる阿久津の沈黙が、その問いへの何よりの「答え」でした。親友からの、あまりにもおぞましい裏切り。その事実に気づいた鬼澤の怒りは、暴力となって爆発します。
復讐の矛先
鬼澤は、意識が朦朧とするまで、阿久津を殴りつけます。
暴かれた「脅迫」の嘘
殴られながら、阿久津はか細い声で「…みま…に…」と、響の名前を呟きます。それを聞いた鬼澤は、「みまって…美馬響のことか?」「あいつに脅されてこんなことやったのか!?」と、全ての元凶が響にあるのだと誤解します。響の狙い通り、鬼澤の憎悪の矛先は、完全に響へと向けられたのです。
「必ずぶっ殺してやる!!」
「ちっ使えねぇな」。阿久津を殴り倒し、その場に放置した鬼澤は、「元から気に食わなかったが…」「絶対に許さねぇ」「必ずぶっ殺してやる!!」と、響への殺意を燃やします。その時、彼のスマートフォンが着信を告げます。画面に表示されていた名前は、「美馬 響」。復讐の舞台は、最終幕へと向かいます。
まとめ【復讐の王子様】32話を読んだ感想
第32話は、響の計画がいかに冷酷で、そして完璧であるかを、改めて見せつけられる回でした。彼が望んだのは、ただターゲットを破滅させることだけではない。ターゲット同士を憎しみ合わせ、互いの手で破滅させることだったのです。その悪魔的なシナリオに、ただただ戦慄しました。
幸福の絶頂から、一瞬にして地獄へと突き落とされた阿久津。彼の悲劇には同情を禁じえませんが、彼もまた、響子を苦しめたいじめの加害者の一人。その因果が、最悪の形で返ってきたと言えるのかもしれません。
そして、鬼澤の怒りの矛先が、響へと完全に向かった展開は見事でした。響は、自らが全ての黒幕であるという事実を隠したまま、鬼澤の前に「倒すべき敵」として立つことに成功したのです。これにより、鬼澤と阿久-津の間に和解の可能性は完全になくなり、響は純粋な「被害者」の友人として、鬼澤と対峙することができます。
最後の、鬼澤の殺意が最高潮に達したタイミングで、響から電話がかかってくるという引きは、まさに完璧。全てが彼の掌の上で転がされていることがよく分かります。これから始まる、響と鬼澤の直接対決。憎しみに燃える猛獣と、冷静沈着な復讐の王子様の戦いは、一体どのような結末を迎えるのでしょうか。息をのむような展開に、期待が高まります。
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