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【復讐の王子様】34話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【復讐の王子様】第34話をネタバレありで解説する

前回、鬼澤(おにざわ)を拉致し、二人だけの「裁判」の開廷を宣言した美馬響(みま ひびき)。第34話では、その前代未聞の法廷で、鬼澤が犯した罪が暴かれ、彼に下される、あまりにも残酷で、しかしあまりにも相応しい「判決」が描かれます。

逆転した力関係

教室に監禁された鬼澤は、なおも強気の姿勢を崩しません。しかし、その自信は、響によって木っ端微塵に打ち砕かれます。

無効化された「脅迫」

響は、まず鬼澤に、綾音(あやね)への謝罪を要求します。鬼澤は、自分が握っている綾音の動画を盾に、脅しは通用しないと高を括っていました。しかし、響は、その動画データを鬼澤のスマホからすでに削除したことを告げます。唯一の武器を失い、鬼澤は初めて動揺を見せるのでした。

明かされる悪夢の真相

それでもなお、「今度は仲間も集めてヤりまくってやる!」と悪態をつく鬼澤。そんな彼に、響は冷たく問いかけます。「どうだった?」「阿久津に犯された気分は」。そして、自分がお茶に睡眠薬を盛り、阿久津の「純愛を手伝っただけだ」と、あの夜の真相を全て明かすのです。

被告人に下された「判決」

全てが響の計画通りであったことを知った鬼澤は、愕然とします。

お前のスマホからSNSに投稿したら

響は、鬼澤に更なる追い打ちをかけます。「おかげでいい動画が撮れた」。彼が突き付けたのは、鬼澤が阿久津に暴行される、あの動画でした。そして、「この動画をお前のスマホからSNSに投稿したらどうなるんだろうな?」と、鬼澤が綾音にしたのと同じ手口で、彼を脅迫します。

口先だけの謝罪

自らが破滅する未来を悟った鬼澤は、ついにそのプライドを折ります。「わ…わかった!」「謝る!謝ってやる!!」「俺が悪かった!」。しかし、その謝罪は、ただ自分の破滅を回避するためだけの、口先だけのものでした。

被害者の「断罪」

その薄っぺらい謝罪を、被害者である綾音が許すはずがありませんでした。

「謝る相手は私だけじゃない」

「謝る相手は私だけじゃないでしょう…!」。綾音は、震えながらも、毅然とした態度で鬼澤に告げます。「あなたに人生を破滅させられた子が他にもいるはずよ」。鬼澤が「他なんて知らねえよ」と吐き捨てると、彼女は「…傷つけられた側は覚えていても傷つけた側はすぐに忘れる」「だからあんたは口先だけで反省なんてしない」と、彼の更生の可能性を、そしてその場しのぎの謝罪を、完全に否定します。

「地獄へ堕ちろ クズ野郎」

「もう二度と私たちのような被害者をださないために」。綾音は、響に最後の「お願い」をします。その目には、もはや恐怖の色はありませんでした。彼女の覚悟を受け取った響は、鬼澤のスマートフォンを操作し、彼の罪の証拠を、彼自身の手で世界に発信します。そして、絶望に顔を歪める鬼澤に、最後の判決を言い渡しました。「地獄へ堕ちろ クズ野郎」。

まとめ【復讐の王子様】34話を読んだ感想

第34話は、鬼澤・阿久津編の、これ以上ないほど完璧なフィナーレでした。響の計画の全てが明らかになり、その巧妙さと残酷さに、ただただ舌を巻くばかりです。鬼澤が綾音を脅した「動画」という武器を、そのままブーメランのように彼自身に返すという展開は、まさに因果応報。最高のカタルシスを感じました。

しかし、この話で最も輝いていたのは、間違いなく綾音でしょう。ただの被害者だった彼女が、恐怖を乗り越え、自らの言葉で加害者を「断罪」する姿には、胸が熱くなりました。「傷つけた側はすぐに忘れる」という彼女のセリフは、いじめや性暴力の被害者が抱える、普遍的な痛みを代弁しており、非常に心に響きます。彼女が、響に「お願い」をした瞬間、この復讐は、響個人のものではなく、二人の、そして全ての被害者のための「正義の執行」へと昇華したのだと感じました。

鬼澤と阿久津は、互いを憎しみ、そして社会的に抹殺されるという、最悪の地獄へと堕ちました。残るターゲットは、全ての元凶である、鴨志田妃菜乃ただ一人。最強の敵を前に、響と、その協力者となった緑原先生、そして綾音は、どのような戦いを挑むのでしょうか。物語は、最終決戦に向けて、大きく動き出します。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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