【復讐の王子様】35話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【復讐の王子様】第35話をネタバレありで解説する
前回、美馬響(みま ひびき)が仕掛けた罠によって、互いを憎しみ合うことになった鬼澤(おにざわ)と阿久津(あくつ)。第35話では、彼らの破滅の最終章と、響の復讐劇が新たな、そして最後のステージへと向かう様子が描かれます。
自業自得の結末
響が投稿した動画は、瞬く間に学校中の知るところとなります。
見捨てられた駒
「あの2人ってそういう関係だったの?」「なんか無理やりヤラれたっぽいよ」。教室では、生徒たちが動画の話題で持ちきりでした 。その頃、自宅に引きこもっていた鬼澤は、全ての元凶である黒幕・鴨志田妃菜乃(かもしだ ひなの)に「助けてくれ!」「犯人は美馬だ!」と必死にメッセージを送ります 。しかし、妃菜乃がそのメッセージを読むことはあっても、返信することはありません 。鬼澤は、自分が妃菜乃にとって、もはや何の価値もない、捨て駒でしかないという事実を悟るのでした 。
警察の介入
「もしこの動画も騒ぎも消せなかったら…俺は…」 。鬼澤が絶望に打ちひしがれていると、彼の家に二人の警察官が訪れます 。彼らは、バスケ部のマネージャーであった水川綾音(みずかわ あやね)から、鬼澤に対して性的暴行と脅迫の被害届が出されていることを告げるのでした 。鬼澤は「俺は被害者だぞ!」と見苦しく抵抗しますが、時すでに遅し。彼の破滅は、公権力の手によって、確定的なものとなったのです。
被害者の「その後」
鬼澤が警察に連行されていく様子を、響と綾音は、近くの歩道橋から静かに見下ろしていました。
勇気ある告白
響の問いかけに、綾音は「うん 全部話してきた」と、自らの意志で警察に被害を届け出たことを明かします 。辛い記憶を言葉にすることは、彼女にとって、とても怖くて勇気がいることでした。しかし、「被害者を増やさないためにもこれでよかったと思ってる」と、彼女は前を向いていました 。
「今度は私が助けるから」
綾音は、自分に勇気をくれた響に、心からの感謝を伝えます 。そして、バスケが好きだから、これからもマネージャーを続けると語りました 。一方、響は、この事件を最後にバスケ部を退部することを告げます 。名残惜しそうな綾音。しかし、彼女はもう、かつての無力な少女ではありませんでした。彼女は、響の背中に向かって、こう呼びかけるのです。「もし何か困ったことがあったら連絡してね」「今度は私が助けるから」 。
最後の標的へ
全ての元凶であった鬼澤と阿久津への復讐は、こうして終わりを告げました。
協力者への報告
響は、協力者である緑原先生の元を訪れ、ことの顛末を報告します。「無事にひと段落ついたみたいでよかったよ」と、緑原先生は安堵の表情を浮かべました 。
「次が最後ですから」
しかし、響の表情は、まだ硬いままです。「でも休んでる暇はありません」 。彼の視線の先には、まだ倒すべき、最後の敵が残っていました。そう、全てのいじめを裏で操り、響子と緑原先生、そして多くの生徒たちの人生を狂わせた、真の黒幕。理事長の娘、鴨志田妃菜乃。 「次が最後ですから」。響の静かな宣戦布告と共に、物語は最終決戦へと向かいます 。
まとめ【復讐の王子様】35話を読んだ感想
第35話は、鬼澤・阿久津編の、非常に後味の良い、そして希望に満ちた締めくくりでした。自業自得の結末を迎えた鬼澤の姿は、まさに痛快の一言。そして何より、被害者であった綾音ちゃんが、ただ救われるだけでなく、自らの足で立ち上がり、今度は「私が助ける」と言えるほどの強さを手に入れたことに、深く感動しました。響の復讐は、ただ相手を破滅させるだけでなく、被害者の心をも救済する力を持っていたのです。
綾音と響が、互いに感謝を伝え合い、それぞれの道を歩き出すシーンは、本作の中でも屈指の爽やかさでした。この一連の出来事を通じて、二人の間には、恋愛とは違う、共犯者であり、戦友であるかのような、特別な絆が生まれたのだと感じます。
そして、物語はついに、最終ターゲットである鴨志田妃菜乃との対決へと向かいます。これまでのターゲットとは格が違う、冷静沈着で、権力も持つ彼女に対し、響と緑原先生、そして綾音という新たな仲間が、どのようなチームプレーで挑むのか。想像するだけで、胸が高鳴ります。全ての因縁に決着をつける、最後の復讐劇の幕開けに、期待せずにはいられません。
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