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【復讐の王子様】39話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【復讐の王子様】第39話をネタバレありで解説する

前回、母からの歪んだ寵愛を美馬響(みま ひびき)に奪われ、嫉妬の炎を燃やす黒幕・鴨志田妃菜乃(かもしだ ひなの)。第39話では、その妃菜乃が、ついに響の排除へと動き出す決意を固めます。一方、響は、全ての復讐の先にある、ささやかな願いを胸に、母の元を訪れていました。

嫉妬に狂う黒幕

妃菜乃の日常は、響の存在によって静かに、しかし確実に蝕まれていました。

母の関心と「害虫」

「美馬」「美馬」「美馬」。母が口にするのは、響のことばかり。「なぜもっと私を見てくれないの?」という妃菜乃の心の叫びは、母親には届きません。自分こそが「最も美しい」存在であるはずだった。そのプライドを、母親に寵愛される響によって傷つけられた妃菜乃の嫉妬は、やがて殺意へと変わります。「害虫は駆除しないと」。彼女は、響を自らの手で排除することを固く決意するのでした。

響と協力者の「娘」

その頃、響は協力者である緑原先生と、その娘・凛(りん)と偶然出会います。凛は、響の正体を知らない純粋なファンの一人。父親である緑原先生が、道に迷っていた響を助けた、という作り話を信じ込み、彼に目を輝かせます。響は、緑原先生と凛の、父と娘二人で支え合うその姿に、かつての自分と母の姿を重ねるのでした。

全ての復讐、その先にあるもの

響の全ての行動の原動力、それは、たった一つの純粋な願いでした。

母の回復と、変わらぬ誓い

響は、意識の戻らない母親が入院する、天馬総合病院を訪れていました。母親の体からは、痛々しい医療器具が少しずつ外され、その傷が快方に向かっていることが示されます。残すは、彼女の意識が戻ることだけでした。

「また2人で暮らそう」

響は、眠る母に優しく語りかけます。「…あと少しで全てが終わるから」「全部終わったらまた2人で暮らそう」。彼が望むのは、女優の地位でも、莫大な富でもありません。ただ、母と二人で、「どこか遠く静かな場所で」「誰にも傷付けられずに…」暮らすこと。それこそが、彼の復讐の先にある、たった一つのゴールなのです。

奇跡の兆候?

響の切なる願いが、奇跡を呼び起こすのでしょうか。

「きょ…こ?」

響が、母との穏やかな未来を誓った、その時。固く閉ざされていた母の唇から、か細い声が漏れます。そして、その指が、ピクリと動いたのです。その声は、まるで、響のかつての名前、「響子」を呼んでいるかのようでした。復讐の最終章を前に、物語は、誰も予想しなかった、新たな局面を迎えようとしています。

まとめ【復讐の王子様】39話を読んだ感想

第39話は、ラスボスである妃菜乃の殺意と、主人公である響の純粋な願いが、鮮やかな対比で描かれた、非常に印象的な回でした。妃菜乃の嫉妬が、ついに「害虫駆除」という直接的な殺意にまで高まったことで、最終決戦が間近に迫っていることを感じさせ、緊張感が高まります。

その一方で描かれた、響の母親への想い。彼の復讐が、破壊だけを目的としたものではなく、その先にある「母との平穏な暮らし」を取り戻すための、切実な戦いであることが改めて示され、彼のキャラクターに、より一層の深みと共感を与えてくれました。

そして何より、衝撃的だったのはラストシーンです。響の母親が、ついに目覚めの兆候を見せたこと。これは、響にとって最大の希望であると同時に、彼の復讐計画を根底から揺るがしかねない、最大の変数ともなり得ます。もし、心優しい母親が、響の復讐を知った時、彼を止めるのではないか。読者の脳裏には、そんな一抹の不安がよぎります。

最終決戦を前にして、物語は、最大の「希望」と、最大の「不安要素」を同時に提示してきました。この奇跡の兆候が、物語をどのような結末へと導くのか。予測不能な展開に、次号への期待が止まりません。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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