【復讐の王子様】40話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【復讐の王子様】第40話をネタバレありで解説する
前回、最後のターゲットである黒幕・鴨志田妃菜乃(かもしだ ひなの)への復讐を決意した美馬響(みま ひびき)。しかしその矢先、彼の計画、そして彼の心を根底から揺るがす、一つの「奇跡」が起こります。第40話では、響の母親の覚醒と、それがもたらす、新たな波乱の幕開けが描かれます。
奇跡の覚醒と、王子様の嘘
響の復讐の原動力であり、彼の唯一の心の支えであった母親。意識が戻る可能性は限りなく低いとされていた彼女が、ついに目を覚まします 。
「きょうこ…?」
響が病室で母の手を握っていると、彼女の唇から、か細い声が漏れます。「きょうこ…?」 。それは、響のかつての名前でした。医師から見放されていた母の覚醒。それは、まさに奇跡の瞬間でした 。
娘の「友人」、美馬響
しかし、喜びも束の間、響は厳しい現実に直面します。目覚めたばかりの母は、目の前にいる美しい青年が、自分の子供であるとは認識できません。「あなた…は…?」 。その問いに、響は、とっさに嘘をつきます。「俺は響子さんの…友人の美馬響といいます」 。彼は、母に余計な心配をかけさせないため、そして、自らの復讐を完遂させるため、その正体を隠すことを選んだのです。彼は、響子は入院費を稼ぐため、住み込みで働いていると説明します 。
忍び寄る復讐の残骸
響が病院を後にした、その時。彼の後を、一人の怪しげな人物が尾行していました。
響を尾行する影
フードとキャップで顔を隠したその人物は、響が病院に入っていくのを確認すると、後を追って院内へと侵入します 。そして、病室のプレートに書かれた「宇佐美」という名前に、何かを思い出すのでした 。
落ちぶれた女王・玲奈
その人物の正体は、響によって全てを失った、かつての女王・千石玲奈(せんごく れいな)でした 。変わり果てた姿の彼女は、響への憎しみを燃やし、彼の動向を探っていたのです。そして、響が「ブサ美」と見下していた宇佐美響子の母親の見舞いに来ていたという事実から、一つの結論に達します。
黒幕へともたらされる「誤報」
玲奈は、響と宇佐美響子の関係性を、自分なりに推測します。
復讐者の「正体」に関する推測
響が、響子の母親の病室から出てきた。つまり、彼は響子の親戚に違いない 。玲奈の中で、点と点が、誤った線で結ばれていきます。
「全てブサ美が仕組んでいたの!?」
そして、彼女は、とんでもない結論にたどり着きました。「もしかして」「今までのことは全てブサ美が仕組んでいたの!?」 。一連の復讐劇の黒幕は、美馬響ではなく、自分たちが過去にいじめていた、宇佐美響子本人なのだ、と。玲奈は、この「ビッグニュースよ!」という一文を添え、真の黒幕である妃菜乃へとメッセージを送るのでした 。
まとめ【復讐の王子様】40話を読んだ感想
第40話は、物語の最終章を前に、最大のサプライズと、新たな混乱の種が蒔かれた、非常に密度の濃い回でした。響の母親が目覚めるシーンは、これまでの過酷な展開の中で、一筋の光が差したような、感動的な瞬間でした。しかし、その奇跡が、響に「正体を偽り続ける」という、新たな苦悩を与えることになるという皮肉な展開が、この物語の奥深さを感じさせます。
そして、まさかの玲奈の再登場。すっかり落ちぶれた彼女の姿は、響の復讐の成果を物語っていて痛快でしたが、彼女がただでは終わらない、執念深いキャラクターであることが改めて示されました。
しかし、今回最も秀逸だったのは、その玲奈が、響の正体について「宇佐美響子本人が黒幕である」という、全くの誤解に至る展開です。この誤った情報が、ラスボスである妃菜乃に伝わったことで、物語は一気に予測不能な領域へと突入しました。妃菜乃は、存在しない「響子の影」を追い、響は、その誤解を利用して、復讐を有利に進めることができるのでしょうか。
母の覚醒という「光」と、玲奈の誤解という「混沌」。この二つの要素が、最終決戦にどのような影響を与えるのか。最後の最後まで、読者を飽きさせない、巧みなストーリーテリングに脱帽です。
◁前の記事はこちらから

▷次の記事はこちらから
