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【復讐の王子様】42話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【復讐の王子様】第42話をネタバレありで解説する

前回、黒幕・鴨志田妃菜乃(かもしだ ひなの)からの協力要請を、強い意志で拒絶した緑原(みどりはら)先生。その正義感あふれる行動は、しかし、最悪の悲劇の引き金となってしまいます。第42話では、妃菜乃が下す、あまりにも非情な報復が描かれます。

拒絶された女王と、下された「命令」

緑原先生の反逆は、妃菜乃のプライドをいたく傷つけました。

交渉の決裂

「僕は君に手を貸すつもりはない!」「帰ってくれ!」 。緑原先生の決然とした態度に、妃菜乃は静かに保健室を後にします。しかし、その直前、彼の愛娘・凛(りん)が保健室を訪れたことで、妃菜乃は、緑原先生の最大の弱点がどこにあるのかを、正確に把握してしまっていました

「アレを実行しなさい」

保健室を出た妃菜乃は、どこかへ電話をかけます。そして、その相手に、たった一言、冷たく命令を下しました。「私よ」「アレを実行しなさい」 。彼女の逆鱗に触れた者に下される、恐ろしい「罰」の準備が、着々と進められていたのです。

聖域への襲撃

妃菜乃との対決を終え、どこか胸騒ぎを覚えながら、緑原先生は娘の凛と家路についていました。

忍び寄る不穏な影

「彼女は何かを知ってるような口ぶりだったし」「僕が逆らったことで何をしてくるかわからない…」 。緑原先生が妃菜乃への警戒を強めていた、まさにその時。彼らの背後から、フードとマスクで顔を隠した人物が、静かに忍び寄っていました。その手には、液体の入ったボトルが握られています

娘を襲う悲劇と、父の犠牲

その人物――変わり果てた千石玲奈(せんごく れいな)――は、父娘に近づくと、ボトルの液体を、娘の凛に向かって浴びせかけようとします。それに気づいた緑原先生は、咄嗟に凛を突き飛ばし、自らが盾となりました。「凛!!」 。緑原先生の悲鳴と共に、腐食性の液体(塩酸)が、彼の顔面に降り注いだのです

守られた命、そして…

その日の夜、響(ひびき)の元に、泣きじゃくる凛から電話がかかってきます。

病院からの悲痛な知らせ

「お父さんが…っ」 。知らせを受け、病院に駆けつけた響が目にしたのは、顔の半分を包帯で覆われた、痛々しい緑原先生の姿でした 。凛は、「私のせいなんです…っ」と自分を責めますが、緑原先生は、そんな娘を優しく諭します

「やっと守れたんだ」

そして、彼は、焼けただれた顔で、穏やかに微笑みました。「…それに」「やっと守れたんだ」 。かつて、いじめに苦しむ教え子・宇佐美響子を救えなかった後悔。彼は、自らの身を挺して娘を守り抜いたことで、ようやく、その罪悪感から解放されたのかもしれません。

まとめ【復讐の王子様】42話を読んだ感想

第42話は、これまでの物語の中でも、最も直接的で、そして痛ましい暴力が描かれた、衝撃的な回でした。緑原先生が、妃菜乃の脅迫に屈さず、自らの意志を貫いたシーンに胸を熱くした直後だっただけに、その代償として彼が受けた仕打ちのあまりの酷さに、言葉を失いました。

妃菜乃の、邪魔者は手段を選ばず、物理的に排除するという、その底知れぬ悪意には、もはや恐怖しか感じません。そして、その手駒として、響への憎悪に燃える玲奈を使ったことも、実に悪趣味で、彼女らしいやり方だと言えるでしょう。

しかし、この回で最も心に残ったのは、やはり緑原先生の姿です。彼は、自らが大きな犠牲を払いながらも、愛する娘を守り抜きました。そして、「やっと守れたんだ」と微笑んだ彼の表情は、悲劇の中にも、一人の父親としての、確かな誇りと尊厳を感じさせ、涙なしには見られませんでした。

最強の協力者を、最も残酷な形で傷つけられた響。彼の怒りは、今、頂点に達しているはずです。全ての元凶である妃菜乃との最終決戦は、もはや避けられません。物語は、取り返しのつかない悲劇を経て、最後の復讐へと、大きく舵を切りました。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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