【復讐の王子様】5話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【復讐の王子様】第5話をネタバレありで解説する
第4話で、いじめっ子からの卑劣な電話を受け、母の大切な物を取り返すために公園へと向かった響子。とびきりのイケメンという新たな姿を手に入れた彼が、ついに復讐の舞台へと足を踏み入れます。第5話では、響子を待ち受けていたさらなる非道な仕打ちと、それによって彼の心に復讐の炎が燃え上がる決定的な瞬間が描かれます。
いじめっ子たちの非道な仕打ち
響子が公園へ向かっている頃、いじめっ子たちは彼の母親のバッグを漁り、嘲笑の声を上げていました。
母への侮辱と証拠隠滅
「うっわ ブサ美の家ってまじで貧乏じゃん 財布の中3千円って しょぼ〜い」 。柳たちは、響子の母の持ち物を勝手にあさり、その貧しさをあざ笑います。千石玲奈は、響子が特待生で学費を免除されているから学校に通えているのだと明かします 。 そうこうしているうちに、指定した20分はあっという間に過ぎてしまいました 。響子が来ないと判断した彼らは、恐ろしい行動に出ます。 「目の前でこのゴミ燃やされる顔見たかったのに」 。 いじめグループの男はそう吐き捨てると、響子の母の大切なバッグにライターで火をつけました 。燃え上がるバッグを前に、柳は「はい 証拠隠滅〜♪」と無邪気に笑います 。彼らにとって、これはただの遊びでしかありません。帰り道ですら、「てかさあいつのババアの顔見た?まじでブスだったわー」と、響子だけでなくその母親の容姿まで侮辱し続けるのでした 。
燃え残った「大切な物」
いじめっ子たちが去った後、公園に到着した響子。そこで彼が目にしたのは、無残に燃やされたバッグの残骸でした 。
母との思い出の品
焼け跡の中から、響子は一つのキーホルダーを見つけます 。それは、彼が去年、母の誕生日にプレゼントしたバッグについていた、イニシャルのチャームでした 。 彼の脳裏には、お小遣いを貯めて贈ったバッグを、母が「まぁ!」「嬉しいわ 大切にするね…」と涙を浮かべて喜んでくれた日の記憶が鮮やかに蘇ります 。柳が電話で言っていた「お母さんの大事な物」とは、この親子の絆が詰まったバッグのことだったのです 。
絶望から復讐への誓い
母との大切な思い出が灰になった現実を前に、響子の心の中で、バラバラだった点と点が一つの線で繋がります。
全ての点が繋がる瞬間
「どうして あいつらが持ってたの?」 。 その疑問は、彼らの言葉を思い出した瞬間に、恐ろしい確信へと変わります。「母親事故ったらあいつも学校来れないでしょ」「目の前でこのゴミ燃やされる顔見たかったのに」 。彼らの会話は、母の事故が偶然ではなく、自分たちがいじめを続けるために仕組んだことだと、はっきりと物語っていました。 「あいつらがお母さんを」 。
「絶対に許さない」
全ての真実を悟った響子は、その場に崩れ落ち、獣のような叫び声を上げます 。 「どうしてこんな目に あわなきゃいけないの」「女だから?不細工だから?」 。 理不尽な現実に対する悲痛な問いかけ。しかし、彼の心はもう絶望だけでは終わりません。彼は静かに立ち上がると、夜空に浮かぶ月を見上げ、こう呟くのです。「…あのまま死ななくてよかった」 。 その瞳から涙を流しながらも、宿っていたのは悲しみではなく、燃え盛るような憎悪の炎でした。 「絶対に許さない」 。 「必ずあいつらを地獄に落としてやる」 。 もうそこに、かつての無力な少女の姿はありません。一人の復讐者が、静かに、しかし確かに誕生した瞬間でした。
まとめ【復讐の王子様】5話を読んだ感想
今回の第5話を読んで、まず込み上げてきたのは、いじめっ子たちに対する強烈な怒りでした。人の大切な思い出の品を「ゴミ」と呼び、平然と燃やしてしまうその神経。特に、柳が「証拠隠滅〜♪」と笑うシーンには、人間の心の闇を見せつけられたようで、背筋が凍る思いがしました。
そんな彼らの非道な行為の直後に挿入される、響子と母親の心温まる思い出の回想シーンが、あまりにも対照的で胸を締め付けます。母がどれだけそのバッグを大切にしていたかを知ることで、彼らの行為がどれほど許しがたいものかが一層際立ち、読者の怒りを増幅させる巧みな構成だと感じました。
そして何より、この話のハイライトは、主人公の完全な変貌です。全ての真実を知り、一度は悲しみに打ちひしがれるも、そこから立ち上がり、復讐を誓うまでの流れは圧巻でした。「…あのまま死ななくてよかった」という一言は、これまでの物語で最も重く、そして希望を感じさせるセリフです。それは、死という逃避を選ばず、戦うことを選んだ彼の決意表明に他なりません。
最後の「必ずあいつらを地獄に落としてやる」と誓う彼の表情は、もはや被害者のものではなく、まさしく「復讐の王子様」そのものでした。物語の序章が終わり、ついに反撃の狼煙が上がったのだと、鳥肌が立ちました。これから彼が、手に入れた力でいかにして復讐を遂げていくのか。ダークな爽快感を期待させる、最高の引きだったと思います。
◁前の記事はこちらから

▷次の記事はこちらから
