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【復讐の王子様】7話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【復讐の王子様】第7話をネタバレありで解説する

第6話で、最初の標的である柳萌絵(やなぎ もえ)に、「美馬響(みま ひびき)」として接触を果たした主人公。第7話では、萌絵の人物像が深掘りされると共に、響が彼女の心の隙間に巧みに入り込み、復讐計画を静かに、しかし着実に進めていく様子が描かれます。

標的・柳萌絵の人物像

物語は、最初のターゲットである柳萌絵の人物紹介から始まります。彼女は一体どのような人間なのでしょうか。

強者に媚び、弱者を虐げる性格

萌絵の家は開業医で、自他共に認める裕福な家庭で育ちました 。しかしその内面は、「強者に媚び 弱者は虐げる」という典型的な虎の威を借る狐タイプです 。彼女の行動原理は、常に自分より格上の存在(玲奈)の隣にいることで安心感を得て、自分より弱い存在(かつての響子)を徹底的に見下すことにあります。「人の大切な物を踏みにじるクズ」とまで評される彼女は、響にとってまさに最初の復讐相手にふさわしい人物と言えるでしょう

常に「脇役」であることへの劣等感

玲奈のSNSのフォロワーが5万人を突破したと聞き、彼女の人気ぶりを目の当たりにした萌絵 。玲奈が着ている服は元々自分が貸したものであるにもかかわらず、注目されるのは常に玲奈であることに、萌絵は内心で強い劣等感を抱いていました 。彼女は常に自分が「脇役」であると感じており、「もし萌絵も美人に生まれてたら さっきのイケメン王子に一目惚れされてたのかな」と、叶わぬ夢を思い描くのでした 。この「選ばれたい」という強い願望こそが、彼女の最大の弱点となります。

計画の第二段階:接近と揺さぶり

響は、萌絵が抱える心の闇を見逃しません。彼はその弱点を突くために、計算し尽くされた次の一手を打ちます。

転校生を装い、クラスで急接近

教室に戻った萌絵の前に、響は再び現れます。彼は、自分たちが同じクラスであることに触れ、「俺編入生だから知り合い居なくて…」「もしよかったら友達になってくれないかな」と、クラス全員の前で萌絵に声をかけるのです 。クラスで一番人気の玲奈ではなく、自分を選んでくれた。この事実に、萌絵の自尊心はこれ以上なく満たされます

友人関係に亀裂を入れる一言

しかし、この状況が面白くないのが玲奈です。自分を差し置いて萌絵が注目されたことに苛立ち、「何あいつ あからさまに私のこと無視して」と不快感を露わにします 。そして、有頂天になっている萌絵に対し、「アンタ あのイケメンに好かれてると思ったの!?」「それかアンタの金目当てだって!」と冷酷な言葉を浴びせるのです 。さらに、「萌絵の取り柄って金持ちなとこだけじゃん」という追い打ちの言葉は、萌絵の心を深く傷つけました 。響の狙い通り、二人の友情には、修復困難な亀裂が入り始めます。

復讐の餌食、孤立した子羊

響の巧みな揺さぶりによって、萌絵は徐々に孤立していきます。

新たな「いじめ相手」を求める心

親友であるはずの玲奈に心ない言葉を浴びせられ、怒りと悔しさで震える萌絵 。彼女は、このストレスを発散させるために、「こんな時ブサ美がいれば…いじめ倒してストレス発散できるのに」と、新たなサンドバッグの存在を渇望します 。彼女の歪んだ人間性は、いじめる相手がいなければ自己を保てないほどにまで蝕まれていました。

さらなる追撃と甘い誘い

玲奈と喧嘩し、一人で下校する萌絵 。まさに彼女が孤独と苛立ちを抱えているその完璧なタイミングで、響は再び彼女の前に現れます。「あれ…萌絵1人?」「よかったら俺も一緒に帰っていい?」 。親友に裏切られ、心の拠り所を失った萌絵にとって、この優しく甘い誘いを断る理由はありませんでした。こうして、子羊は自ら王子の腕の中へと歩みを進めてしまったのです。

まとめ【復讐の王子様】7話を読んだ感想

第7話は、響の復讐計画がいかに計算高く、心理的なものであるかをまざまざと見せつけられた回でした。彼の武器は、手に入れた美しい容姿だけではありません。相手の心の弱さを的確に見抜き、そこを徹底的に突く知性こそが、彼の真の恐ろしさなのだと感じます。

今回ターゲットとなった萌絵のキャラクター造形も見事でした。彼女は紛れもない加害者でありながら、玲奈に対する強烈な劣等感を抱える「弱者」でもあります。その歪んだ心が、響にとっては格好の餌食となりました。玲奈が萌絵に放った「取り柄って金持ちなとこだけ」というセリフは、友人関係の残酷な真実を暴き出すようで、読んでいて胸が痛みました。

響は、二人の間にあった元々の毒を、ほんの少し刺激しただけ。それだけで、彼女たちの脆い友情は崩壊し始めました。そして、萌絵が最も孤独を感じた瞬間に救いの手を差し伸べるという、完璧すぎるタイミングでの登場。これはもう、復讐というよりは、獲物を狩るための巧みな罠そのものです。

物理的な暴力ではなく、人の心を内側から壊していく。そんな、より陰湿で知的な復讐劇の幕開けに、ゾクゾクするような興奮を覚えました。完全に孤立した萌絵が、これから響によってどのように地獄へと導かれていくのか。次なる展開から目が離せません。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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